作詞 | さだまさし |
---|---|
作曲 | さだまさし |
編曲 | 古池孝浩 |
曲調 | ミディアムテンポ、シリアス、高音域、歌謡曲 |
収録 |
2007/1/26 OVA「冬の蝉」マキシCD 初回限定版 2007/1/26 OVA「冬の蝉」マキシCD 初回限定版 (インストゥルメンタル) 2007/2/23 冬の蝉 第一巻〜江戸恋唄〜 初回限定版 (ショートバージョン、OVAエンディング) (DVD) 2007/3/23 冬の蝉 第二巻〜蝦夷戦記〜 初回限定版 (ショートバージョン、OVAエンディング) (DVD) 2007/6/22 冬の蝉 第三巻〜東京悲話〜 初回限定版 (ショートバージョン、OVAエンディング) (DVD) 2008/3/26 冬の蝉〜特別編集版〜 (OVAエンディング) (DVD) 2008/3/26 冬の蝉オリジナルサウンドトラック 2008/3/26 冬の蝉オリジナルサウンドトラック (インストゥルメンタル) |
備考 | 「春を抱いていた」の岩城京介としての曲。 |
こういうことを言うと、作品ファンの不興を買うかもしれないが、
この曲を最初に聴いて思った印象を、同じさだファン仲間がうまく表現してくれた。
「ホストクラブのホストが客にリクエストされて歌った演歌」。
そして、今でもその印象は変わらない。
歌い方も声も、すごく「作った」感じがあり、背中がムズムズする。
いっときは連日のように、某高校生ピアニスト(笑/CV:イトケン)から、
チャイコフスキーは演歌だ、と言われ続けていたわけだが、
それ以上に、フォークソングと演歌は同じライン上にあると思う。
フォーク歌手がその歌唱を追求していくと、
演歌かムード歌謡になるしかないと思うのだが、
さだまさしがそのどちらでもないのは、まさに彼がさだまさしだからだ。
良くも悪くも、彼が歌うと「さだまさし」。
つまり、さだまさしの曲がさだまさしである所以は、
さだまさしが歌っているからであって、曲自体の問題ではない。
さだまさしの曲は、その叙情性故か、カバーされることが多いが、
そんなさだまさしの歌い方に匹敵するほど、その歌い手ならではの歌い方ができる、
個性のある歌手でないと、カバーした意味のある曲にはなかなかならない。
我等が森川智之は(岩城京介は、かもしれないが)、それに値する歌い手だった、
と言えるといいな、と思ってはいたのだが。
本職のヴォーカリストでもハードルが高いのだからしかたないか。
歌い手も曲を作った人も大好きなので、余計に残念だ。
岩城(もしくは秋月)を意識してか、たぶん最高の「いい声」を使って歌っている。
ただ、さだまさしなので、結局はとても高く高く上がっていって、
上がりきって終わるメロディライン。ロックのように勢いでもっていける曲とは違い、
上がりきったところでそれまで以上の感情を込めて歌い上げないといけないので、
「いい声」を保つのは無理がある。森川さんは綺麗な高音を持っていて、
どんなに高くなっても細くならないところが魅力だとは思っているが、
この曲はそれが仇になった気がする。
高いところはもっと細くしていけば楽だったろうに。
作詞 | 森川智之 |
---|---|
作曲 | 広瀬充寿 |
編曲 | 広瀬充寿 |
曲調 | スローテンポ、シリアス、中音域高め、バラッド |
収録 |
2007/1/28 アクセルとボクのおしゃべりBOX 2007/8/8 森川智之ディナーショー 冬の陽の暖かさに包まれて in 赤坂プリンスホテル (ライヴ・バージョン) (DVD) 2012/7/25 森川智之ディナーショー 冬の陽の暖かさに包まれて2012 in グランドプリンスホテル新高輪 飛天の間 (ライヴ・バージョン) (DVD) |
この曲を聴いたときに受ける感動は、この曲自体の魅力はもとより、
この曲がそのために書かれた、
「20周年記念ディナーショー」を思い出すことによるものが大きいだろう。
森川さんがずっと支えてきてくれたファンのことを思いつつ書いた、
という曲で(描かれた個々のシーンは、森川智之とそのファンの構図としては、
思い当たるというか、容易に想像できるシチュエイションばかり)、
ディナーショーのステージでの彼の笑顔や、この曲を歌っているときの生真面目な表情、
感極まって声を詰まらせたときなどを思い出すと、
曲とオーバーラップして、感動がぐぐっと胸元にこみ上げてくるわけである。
そういう付随的なものを抜きにして聴くのは、
ディナーショーを経験したファンである身としてはかなり困難な作業ではある(笑)が、
挑戦してみる。
歌詞は、メッセージ性が強いというよりも、心情の吐露といった感じの、
とても素朴なもの。やわらかくてやさしくて静かだが、心の中には強い想いがあって、
おだやかに見えながらも、実はその安らかさを大切に思う熱い気持ちが見え隠れする。
歌詞としては、器用ではないが、飾り気のない言葉でつづられている。
「冬の陽の暖かさに包まれて」というサブタイトルに合わせたこともあるのだろうが、
ほんのりとやわらかい日射しと、おだやかなあたたかさを感じさせてくれる。
子供の頃の、幼馴染みとの淡い恋の思い出を歌っているようだが、
比喩的に社会に出て成長していく自分自身を投影することもできる。
「君」との時間は、美しい思い出とも思えるし、今も続いているとも思える。
はっきりとしたストーリーがあるではなく、心あたたまる心象風景を歌ったもので、
それが過去のことでも今のことでも、聴いた人の聴いたときの気持ち次第。
「思い出」を歌う形になっていることもあるだろうが、メロディやアレンジも、
全体的に「なつかしさ」を強く感じさせる。イントロでの、
水音やピチャンという雫の音の清冽な響きも、思い出の清らかさの表れのようだ。
たぶんいろんな負の気持ちもあっただろうに、そういうことはすべて忘れて、
豊かに満たされた気持ちになる。それもたぶん、この曲の持っているやさしさのひとつ。
サビは歌い上げるメロディなのだが、気負った感じがない。あくまでもおだやか。
でも、エンディングのスキャットは、満たされて余裕があるようにみえた、
そんな心の内からあふれ出たような勢いがある。
ロックを歌うときの突き抜けるようなハイトーンとも違う、
高めだが広がりのある声は、裏声との境界あたりで歌いにくいかもしれないが、
たぶん若い頃の真っ直ぐな歌い方では表現しきれなかった、艶と余裕が感じられる。
こういうところが「20周年」の価値なのかも。(笑)
広瀬さんの特徴なのか森川さんの好みか、徹頭徹尾やわらかくやさしいアレンジと曲調。
メロディラインも技巧に走ったものではなく、素朴だが、しっとりと落ち着く。
冒険はしないで安心して聴いていられるアレンジも、あたたかく心地よい。
余談だが、自分の持っているアレンジャーのイメージをひと言で言うと、
広瀬さんはジェントル、中嶋さんはゴージャス、飯塚さんはソリッド、
西岡さんはスタイリッシュ、という感じ。
なんとなく思い付いただけなので、いろいろ広く聴くと違うのかもしれないけど。
みんな、本当にいろいろなタイプの曲を書いている人ばかりだから。
……自分の挑戦が成功した気がしない…(がっくり)。
作詞 | 尾崎雪絵 |
---|---|
作曲 | 飯塚昌明 |
編曲 | 飯塚昌明 |
共演 | 立木文彦 (デュエット) |
曲調 | ミディアムテンポ、シリアス、中音域、ポップス |
収録 |
2007/2/14 約束の地へ 2007/2/14 約束の地へ (off vocal) 2007/2/14 2HEARTS 約束の地へ Music Clip DVD (MUSIC CLIP) (DVD) 2007/4/25 恋する天使アンジェリーク〜かがやきの明日〜1 初回限定版 (ショートバージョン、アニメエンディング) (DVD) 2007/4/25 恋する天使アンジェリーク〜かがやきの明日〜1 初回限定版 (ライヴバージョン) (DVD) 2007/4/25 恋する天使アンジェリーク オリジナルサウンドトラック (テレビサイズバージョン) 2007/5/23 LIVE VIDEO ネオロマンス・ライヴHOT!10 Countdonw Radio ROCKET★PUNCH! (ライヴ・バージョン) (DVD) 2007/5/25 恋する天使アンジェリーク〜かがやきの明日〜2 (ショートバージョン、アニメエンディング) (DVD) 2007/6/22 恋する天使アンジェリーク〜かがやきの明日〜3 (ショートバージョン、アニメエンディング) (DVD) 2007/7/25 恋する天使アンジェリーク〜かがやきの明日〜4 (ショートバージョン、アニメエンディング) (DVD) 2007/8/1 Brand-New Future〜2HEARTS BEST ALBUM〜 2007/8/25 恋する天使アンジェリーク〜かがやきの明日〜5 (ショートバージョン、アニメエンディング) (DVD) 2008/2/27 LIVE VIDEO ネオロマンス・ライヴHOT!10 Countdonw Radio II ROCKET★PUNCH! 2 (ライヴ・バージョン) (DVD) 2009/1/28 LIVE VIDEO ネオロマンス・ライヴ ROCKET★PUNCH! 3 (ライヴ・バージョン) (DVD) 2010/3/25 恋する天使アンジェリーク DVD-BOX (ショートバージョン、アニメエンディング) (DVD) 2010/6/23 LIVE VIDEO ネオロマンス・ライヴ ROCKET★PUNCH! 4 (ライヴ・バージョン) (DVD) 2011/4/27 おれパラ Original Entertainment Paradise 2010 LIVE DVD (ライヴ・バージョン) (DVD) |
備考 | 「2HEARTS」(立木文彦とのユニット)としての曲。 |
たった十数回観ただけなのに、イントロが始まっただけで、
光から順に守護聖が現れては消え…(笑)。それは「慟哭ノ雨」も同じだけど。
2HEARTSの中では、ある意味、珍しいタイプの曲なのかもしれない。
全面的にストリングス中心のアレンジで、アレンジのロック色は、ギターのリードと、
間奏でのふたりのちょっとした歌い方ぐらい。
歌という意味でも、かなりチャレンジングなのではないかと思う。
張れば地声で出るだろう高さを、わざとファルセットにひっくり返し、
強さよりもやわらかさが感じさせられる歌い方なのだが、そのぶん、
とても出しにくい高さを裏声で歌わないといけないわけで。
勢いを付けて張れば出る声でも、抑えて綺麗に響かせるのには、
かなりの訓練が必要になる。基本的に声は出るふたりだから、
レコーディングはコンディションを調整すればなんとかなるだろうが、
ライヴでは後半の、
盛り上がってきたところで情緒たっぷりに歌いたいときに持ってくるケースが多く、
声の出し方にはかなり苦労があったのではないだろうか。
歌詞の内容自体は、夢を追って頑張ってきたけど、いつも君が一緒にいてくれたんだね、
これからも一緒に歩いていこう、みたいな、とても前向きなラブソングなのだが、
元気とか勇気という強さよりも、徹底的にやわらかく、ひたすらに穏やかでやさしい。
あたたかい日射しがふんわりと包み込み、みんな笑顔、という情景が目の前に浮かぶ。
ハープの音が綺麗に響くストリングスアレンジも、このやわらかさ、やさしさを、
包み込むように伝えてくれる。よく聴くとリズムパートにお遊びがあったり、
2コーラス目にはAメロのメロディをちょっと変えてアクセントを持たせるなど、
単調に聞こえるがそこここに面白い仕込みのようなものがあって、
Off Vocalを聴くのも楽しい。
PVは、「俺たちは天使」と本人たちが言っていたとおり、静かに見守るもの。
作詞 | 尾崎雪絵 |
---|---|
作曲 | 飯塚昌明 |
編曲 | 飯塚昌明 |
共演 | 立木文彦 (デュエット) |
曲調 | ミディアムテンポ、シリアス、中音域から高め、スタイリッシュロック |
収録 |
2007/2/14 約束の地へ 2007/2/14 約束の地へ (off vocal) 2007/5/23 LIVE VIDEO ネオロマンス・ライヴHOT!10 Countdonw Radio ROCKET★PUNCH! (ライヴ・バージョン) (DVD) 2007/8/1 Brand-New Future〜2HEARTS BEST ALBUM〜 (live ver.) 2008/2/27 LIVE VIDEO ネオロマンス・ライヴHOT!10 Countdonw Radio II ROCKET★PUNCH! 2 (ライヴ・バージョン) (DVD) 2010/5/19 2HEARTS 2nd LIVE "BLUE STEEL KNIGHT" DVD 2 (ライヴ・バージョン) (DVD) |
備考 | 「2HEARTS」(立木文彦とのユニット)としての曲。 |
2HEARTSを、元気が出る応援ソングを歌う「兄貴分」な立場から、
決定的に転換させた曲なのではないかと思う。
「MOON VENUS」でもその片鱗はあったが、
単にセクシーなだけでなく、等身大の「男」な部分が織り込まれ、
より人間味を感じる男っぽさが出るようになった。
歌詞も、過去の恋を思い出して、単に後悔しているだけかと思ったら、
女々しい男の未練がたっぷりで、どんどん駄目さがエスカレートする(笑)。
まあ、完璧な男よりも欠点があったほうが人間らしい、
と魅力を感じる向きには、現実的で、親近感を感じられるかも。
実際に自分がこう想われているとすると、ちょっと微妙ではあるが。
しかし、そんな流れで、最後のあのひと言は、誰を誘ってるんだか(笑)。
想い出の中の彼女に呼びかけているのならいいが、ライヴで客席に向かってやられると、
失恋の傷で同情を引いて口説いているようにしか…。
軽めの洒落た都会的なアレンジで、全体的にあまり響かせず、単音を多用しているのに、
じっとりした未練をいっぱい含んだ歌謡曲的な音になるのは、
ベースがねばっと歌うからか、ピアノの響きが女々しいからか。
間奏後のサビの、森川さんの綺麗に響く少し高めに張った声が、とても切なそうで、
聴き方によっては弱々しい叫びのよう。しかも、そこここの「後悔(regret)」には、
これでもかとばかりに、うねるようなエコーが。どれだけ後悔させたいんだか。
そんな中、サビに右側から聞こえるギターのリフ(Off Vocalだと目立つ)が面白い。
2HEARTSの歌声は、立木さんの声と馴染んできた、と思っていたが、
この曲のヴォーカルは、融合しないコントラストをとても感じさせてくれる。
かといって、どちらも浮いているわけではない。バラバラに聞こえるが、
それぞれがそれぞれのテリトリーで、それぞれの魅力を存分に発揮している。
同じ曲を歌いながら、背中合わせに別の方向を見ている感じがする。
いい男が沈んでいる様は絵になるから、是非ともそれぞれに新しい恋を。(笑)
作詞 | 速水奨 |
---|---|
作曲 | 清水永之 |
編曲 | 清水永之 |
共演 | 速水奨、松本保典、檜山修之、堀内賢雄、関俊彦、千葉進歩、福山潤 (合唱) |
曲調 | ミディアムテンポ、シリアス、ずいぶん原曲と印象が変わってしまった… |
収録 |
2007/2/14 S.S.D.S. 秋の大診察会 (ライヴ・バージョン) (DVD) 2008/3/14 S.S.D.S. 2007秋の診察会 2007 (ライヴ・バージョン) (DVD) 2009/2/23 S.S.D.S. 2008初冬の診察会 2007 (ライヴ・バージョン) (DVD) 2010/2/24 S.S.D.S. 2009秋の贅沢診察会 2007 (ライヴ・バージョン) (DVD) 2011/3/14 S.S.D.S. 2010魅惑の診察会 2007 (ライヴ・バージョン) (DVD) 2012/3/30 S.S.D.S. 2011秋もたっぷり診察会 2007 (ライヴ・バージョン) (DVD) 2013/3/31 S.S.D.S. 2012とことん診察会4 2007 (ライヴ・バージョン) (DVD) 2014/8/31 S.S.D.S. 2014診察会 歌謡祭 2007 (ライヴ・バージョン) (DVD) 2003/9/26 Super Stylish Doctors Story 愛の解体新書I ドラマアルバム [歌:速水奨、高橋直純] 2005/12/25 S.S.D.S. 御名刺代わり (ライヴ・バージョン) [歌:速水奨、高橋直純] (DVD) |
備考 | 「Super Stylish Doctors Story」のミヒャエル・シューマイヤーとしての曲。 |
もともとは、ドクターの速水奨と、新田和人役の高橋直純の曲。
速水さんのキーなので、直純くんはずいぶん低い声で歌っている。
ライヴでも基本的に、生きているのはヴォーカルマイクのみで、
歌のパートを担当する人たちの声しか聞こえないのだが、
2007/10/1「秋の大診察会」のライヴ・バージョンは、直純くんが欠席で、
誰を代理に立てるといったことはなく、速水さんの他はなんとなくみんなで歌っている。
みんなのマイクが生きていたようで、そこここで声は聞こえるが、
特にパートがあったわけではない。
曲自体はそんなに熱いわけではない。独特の特徴のある速水ボイスと、
そのキーに合わせた直純くんの、彼自身からはイメージできない色っぽい歌い方で、
どっちかというとちょっと雰囲気出し過ぎなのでは、という感じなのだが、
いつの間にやら「拳を突き上げて叫ぶ」合いの手が入るようになり、
一緒にこの作品に出演している檜山さんなどは、
それに命を賭けているような叫びよう(笑)。森川さんもそれに合わせて、
とても楽しそうに声を張り上げている。まあいえば、ロボットアニメのイベントで、
男性ファンに混ざって「うおーっ」とか叫ぶような、
そんな熱さを感じさせる曲になってしまった。
ダンサーの振りをみんなで真似たりして、一体感がとても感じられる、
そんなところが魅力の曲。……って、森川さんの歌の魅力じゃないなあ(爆)。
でも、シューマイくんもいつも楽しそうなので、一緒に楽しむのがいいのでは。
作詞 | Kenko-p |
---|---|
作曲 | 内藤慎也 |
編曲 | 内藤慎也 |
曲調 | スローテンポ、シリアス、高音域、バラッド |
収録 |
2007/2/22 そしてこの宇宙にきらめく君の詩XXX (ショートバージョン、ゲームエンディング) (PS2ゲーム) 2007/2/22 そしてこの宇宙にきらめく君の詩VOCAL COLLECTION 2007/2/22 そしてこの宇宙にきらめく君の詩VOCAL COLLECTION (Game Ver.) |
備考 | 「そしてこの宇宙にきらめく君の詩XXX」のエディオスとしての曲。 |
カラオケか、と言いたくなるようなエコーが全編にかかっている。
カラオケはカラオケでもボックスではなく、
ステージのあるスナックかなんかで素人の歌を、
それなりに聴かせるためにガンガンにかけるエコーのような。
この曲を聴いて真っ先に思い出したのは、
「アリーmy Love」の第44話(第2シーズン第21話)「ジェラシーは緑色」で、
エスコートクラブのホストとアリーが、クラブでデュエットするシーン。
歌は吹き替えじゃないから、森川さんは歌ってないけど。と思って観返してみたら、
バラッドじゃなかった。歌い上げるのはその後のふたりだった…(すごくうまい)。
「そしてこの宇宙にきらめく君の詩XXX」は、
恋愛アドベンチャーゲーム「そしてこの宇宙にきらめく君の詩」の続編。
ちなみに「XXX」は「キスキスキス」と読む。
そのエンディングで、エディオスの歌うこの曲が流れた。
エディオスは、敵対する国の王で、自信たっぷりで偉そうなキャラクターだが、
そこはそれ、恋愛ゲーム。
たぶん、主人公には甘くやさしいんだろう(クリアしていない(爆))。
特に続編では、いろいろあって心弱くしているのかもしれない。
それにしても、キャラとしては、この曲のこの声はどうなんだろう。
綺麗に響く高音が、やさしくやわらかく、そしてか弱くさえ聞こえる。
歌い上げているのだが、全然パワーは伝わって来ず、ただただ静かに美しい。
とてもオーソドックスなアレンジと全然主張しない楽器の音も、物静かで、
静謐な宮殿とか教会とかそんなところでふたりきりでいる、と思うと、
なんかすごくうっとりできるかもしれない。
この曲の感じ、なんとなく馴染みがある聞き慣れた雰囲気だ、と思っていたのだが、
気が付いた。木根尚登のバラッド(それも宇都宮隆が歌うもの)に雰囲気が似ている。
ただ、TM Networkで聴いた木根バラ名曲の数々も、
既に20年も前のもの(いちばん新しくても10年以上前)である。
ノスタルジックな想いを持つファンには、未だに名曲でも、
やっぱり「なつかしい」印象は拭いきれない。この曲もそんな印象を受ける。
でも全体的に綺麗な曲なので、主張の激しい曲が苦手な人にはとてもいいかも。
作詞 | 峰倉かずや |
---|---|
作曲 | 西岡和哉 |
編曲 | 西岡和哉 |
共演 | 石川英郎 (デュエット) |
曲調 | スローテンポ、シリアス、高音域、ヘビーなバラッド |
収録 |
2007/2/23 WILD ADAPTER 05 2007/6/22 執行部+WA LOVE×ALL 2007/6/22 執行部+WA LOVE×ALL (久保田誠人ソロver.) 2008/3/21 私立荒磯高等学校生徒会執行部+WILD ADAPTER LIVE GO THE LIMIT (ライヴ・バージョン) (DVD) 2012/7/25 執行部+WA WILD EXECUTION 2013/1/23 私立荒磯高等学校生徒会執行部+WILD ADAPTER LIVE GO轟音ON (ライヴ・バージョン) (DVD) 2007/6/22 執行部+WA LOVE×ALL (時任稔ソロver.) [歌:石川英郎] |
備考 | 「WILD ADAPTER」の久保田誠人(「私立荒磯高等学校生徒会執行部」と同一人物)としての曲。 |
久保ちゃんはヘタレで、時任は安定している。
タイトルからしても、水槽の水を通して外を眺めている感じの曲。
自分はその水槽の中で浮いている。いや、沈んでいるのかもしれない。
久保ちゃんの視線で見る外の世界は、ゆらゆらした不安定な世界だと思っていたら、
時任の歌を聴くと、とてもしっかりと安定した世界が広がっている。
設定上は自分の素性を知らず、不安定なはずの時任のほうが、
自分をしっかり持っているのは、彼自身の強さなのか。
外界と久保ちゃんを隔てる水槽は、彼を外界から閉め出すためのものだが、
時任の水槽はたぶん、彼を守ってくれるもの。
アレンジも曲も、いつものWAなので、安心して聴ける。
この「安心」というのは曲の完成度という意味で、内容はとても不安がつのる。
いや、どんどん不安を煽られるのが、WAらしいのか。
歌詞は今までにも増してシンプル。とても少ない種類の言葉を少なく繰り返すことで、
不安定な気持ちがどんどん迫ってきて、こちらまで不安定になってくる。
それだけ久保ちゃんの気持ちにシンクロする、ということなのかもしれない。
そして、ときどき聞こえる時任の声に、ほっと息をつく。
さらっと聴いて、やっぱり最初に耳に飛び込んでくるのは、
わざとやっているとしか思えない、息に消えていく「どうして」。
なんか、石川くんまで荷担しているような(笑)。
全般的に息が多めだが、それはあきらめのため息で、色っぽさではない。
水槽の中に手を差し伸べても、すがりついてもこない久保ちゃんの身体を、
服をつかんで無理矢理引き上げるような、どんと身体にかかる重みを感じつつ。
作詞 | 美咲ひいろ |
---|---|
作曲 | 手塚茂 |
編曲 | 手塚茂 |
共演 | 高橋広樹 (デュエット) |
曲調 | アップテンポ、シリアス、中音域高め、ロック |
収録 |
2007/5/25 少年陰陽師 キャラクターソング 風雅に響く詩を聴け 冬 |
備考 | 「少年陰陽師」の青龍としての曲。 |
高橋くんは、「遊戯王」で城之内を引き継いだときから、
似た感じの声質を持っているな、と思っていたのだが、デュエットで聴いてみると、
ベースは同じで、上のほうにいくとだんだんズレが大きくなっていくような感じ。
なので、静かに歌うと、声が混ざってしまうことがある。
森川さんのほうがちょっと甘ったれた感じがあって、
高橋くんのほうがストイックなので、よく聴けば間違えることはないのだが。
高さや響きなど、声のタイプが似ているので、デュエットも綺麗にはまる。
ユニゾンや掛け合いだけではなく、ハーモニーなども聴けたら、
もっと綺麗だっただろうに、と思う。
もともとの作品が陰陽道だの妖だのをモチーフにしていて、
彼らも神将の中でも闘将という立場なので、それを踏まえた歌詞。
難しい言葉で抽象的な表現を多用しているので、具体的なイメージは持ちにくいが、
人ならざる者たちが歌っているのだから、それでもいいのではないか(笑)。
作品の時代背景も考えて、英語などのカタカナ言葉は使っていない。
現代では普通は使わないだろうという言葉遣いがあちこちにあり、
それがポンと耳に入ってくると、ちょっと幻想的な気分にさせてくれる。
曲はリズムがはっきりし、メロディラインも高低のメリハリがある。
ただ、全体的に印象的なフレーズがちりばめられていて、
インパクトの強いサビメロとかがないので、ポイントがしぼりにくい感じはする。
でも、聴かせどころはあるので、ステージとかで観て(聴いて、ではなく(笑))みたい。
アレンジも和楽器を用いるなどして、作品の時代らしさを出してはいるが、
ベースやギターの音がはっきりした、オーソドックスなロックアレンジである。
ハードすぎず軟弱でもなく、よくまとまっている。
全体的な派手さはないが、聴けば聴くほど馴染んでくる感じ。
作詞 | 谷藤律子 |
---|---|
作曲 | 西岡和哉 |
編曲 | 西岡和哉 |
曲調 | ミディアムテンポ、シリアス、中音域 |
収録 |
2007/5/25 少年陰陽師 キャラクターソング 花鳥風月〜白夜〜 2007/8/24 少年陰陽師 風音編二 豪華版 映像特典 (ライヴ・バージョン、抜粋) (DVD) 2007/12/7 イベントDVD 少年陰陽師 "孫"感謝祭〜風雅に響く詩を聴け〜 (ライヴ・バージョン) (DVD) |
備考 | 「少年陰陽師」の青龍としての曲。 |
まさに「青龍」としての歌。
歌詞も、晴明にぞっこんな青龍らしい。甘さや弱さはまったくなく、
ストイックなまでに自分の使命に忠実であろうとする自分の気持ちに、
迷いも不安もない。かといって過剰に自信たっぷりというのでもなく、
淡々と果たすべき役割を果たすクールさ。
そんな歌詞や曲調を受けてか、歌い方にも甘さは全然ない。
終始カッコよく、巻き舌で他をなぎ払うような鋭い声と歌い方。
歌い出しは抑えめながら、頑固さとストイックさを感じさせ、
強い意志を示すようなサビへとつながっていく。
サビのメロディラインは、情景をイメージしながら聴くと、かなりカッコいい。
ライヴでも、強い表情で客席を見据えながら、豊かな声量で歌い上げる様は、
誰も寄せ付けない、近寄れない感じがしたものだ(歌ったのは、CDの発売前だった)。
全体的にバックの音がやかましい。
オカズが多く、どんどこボコボコ聞こえるドラムス、
さまざまに音を歪ませたギターの音色、
ドラムスに埋もれてあまり目立たないが、ベースもかなり響いている。
そんな中で、力強く歌い上げるヴォーカルは、吹き荒れる風の中で、
それをものともせずにひとりで立つ孤高の闘将を彷彿とさせる。
ちなみにこのタイトルは、ずっと「さくのよる」だと思っていた。
歌詞をきちんと聴いて、「ついたち」と歌っていることに気付き、驚愕。
作詞 | 松井五郎 |
---|---|
作曲 | 渡辺拓也 |
編曲 | 渡辺拓也 |
曲調 | スローテンポ、シリアス、中音域から高め、歌い上げバラッド |
収録 |
2007/6/27 ときめきメモリアルGirl's Side 2nd Kiss ドラマ&イメージソングアルバム#3 |
備考 | 「ときめきメモリアルGirl's Side 2nd Kiss」の若王子貴文としての曲。 |
この作詞家の名前には覚えがあるぞ、と思ったら、
TM Networkの「ACCIDENT」の作詞者だった。TMの曲は主にヴォーカリストの声と歌い方、
だいたいはアレンジやメロディラインが印象に残って、好きな曲になるのだが、
中にときどき、歌詞が輝いて忘れられなくなる曲がある。
「ACCIDENT」もそのうちの1曲で、未だに大好きなフレーズがいくつもある曲だ。
この曲も、ごくごく平易な言葉を使っていながら、まさに夜空にきらめく星のように、
キラキラと心に残るフレーズがちりばめられている。
歌詞は、まだ誓い合ってはいない恋人を力強く見守り、相手をつつみこむ、
あくまでも大人なのだが、でも、そんな大人な彼にも弱さがあるんだな、
ということを感じさせて、ほろっとさせることも忘れていない。
曲調は全体的に、雄大さを感じさせるメロディライン。
特にサビは、これでもかというくらいに歌い上げる展開で、
ミュージカルの一場面にあっても違和感を感じないのではないか。
ヒロインを見守るちょっと年上の幼馴染みとかが、ひとりで彼女を想いながら歌う(笑)。
ステージ上が容易に想像できそう。
ピアノをはじめ、アコースティックな楽器を中心にしたシンプルで綺麗なアレンジ。
要所要所で、アカペラに近いぐらいに音を減らしたアレンジも効果的に取り入れ、
ヴォーカルを際立たせるので、とても感情がストレートに伝わってくる。
ヴォーカルは、声量豊かに、広がりのある声をふるわせて聴かせてくれる。
こういう声を聴くと、声に広がりが出てきたな、と思う。
以前は上に突き抜けるようで、筒状のビームのように声の端が見える響きだったが、
だんだん、その境界があいまい、というか、幅と広がりを持つようになってきた。
ドーム型の響きというか(でもドームの天井は、どこまでも高くなれるに違いない)。
森川さんらしい切なげにひっくり返る歌い方も、曲にピッタリで、本領発揮。
最後のメロディは、歌い出しと同じメロディだが、転調して数音高い。
その高くなったぶん、感情の昂ぶりが伝わってくる。
少しやさしくなった歌い方にも、彼の弱さや切なさも感じられ、
聴き終わったときには聴き手の気持ちもやさしくなっている気がする。
やさしくあたたかい気持ちになりたいときにお勧め。
作詞 | 百舌雷斗 |
---|---|
作曲 | 松井俊介 |
編曲 | 宅見将典 |
共演 | 吉野裕行 (デュエット) |
曲調 | アップテンポ、シリアスだが?、高音域、ポップ |
収録 |
2007/7/4 セイント・ビースト〜光陰叙事詩天使譚〜オリジナルサウンドトラック Fatal Melodies (Short Size) 2007/7/25 烈・GO!GUY!/epilogue 2007/10/31 セイント・ビースト〜光陰叙事詩天使譚〜第5巻 アニメイト愛蔵版 (Short Size、アニメエンディング) (DVD) 2007/11/28 セイント・ビースト〜光陰叙事詩天使譚〜第6巻 アニメイト愛蔵版 (Short Size、アニメエンディング) (DVD) 2007/12/26 セイント・ビースト〜光陰叙事詩天使譚〜第7巻 アニメイト愛蔵版 (Short Size、アニメエンディング) (DVD) |
備考 | 「四聖獣〜セイント・ビースト」のひとり、青龍のゴウとしての曲。 |
テレビアニメ「セイント・ビースト〜光陰叙事詩天使譚〜」は、
2007年4月〜6月に放送されたが、エンディングテーマが月替わりで、
この曲は6月のエンディングテーマだった。先に発売されたサウンドトラックCDには、
エンディング用のショートバージョンが収録されている。
タイトルからして語呂合わせ。このためにゴウとガイを組み合わせたのか、
名前を見てタイトルを思い付いたのか。歌詞はアテ書きというか、
「青龍のゴウ」と「白虎のガイ」が、動物たちを統べる天使で、
兄弟のように仲がよい体育会系、という設定を、そのまま説明するように書かれている、
としか思えない。さらに、聴いていると普通の歌詞だが、歌詞カードを見ると、
普通は読まない漢字を当てて、ルビを振った歌詞だ、ということがわかるのだが、
だからといって、内容が増えるわけでもなく…。
一部メロディにソロパートはあるが、サビなど、ほとんどはユニゾン。
いつも四聖獣の集合ソングなどのときに思うのだが、こういう張ってない声は、
このメンバーの中では埋もれてしまう。ということを、
「愛という名の嵐」でも、
「闘えセイント・ビースト」でも、
既に書いていたりもする。吉野くんの声は特徴があって前に出てくる感じなのだが、
森川さんの声が飛び込んで来ないのが残念だ。
でも、ちょっと舌っ足らずに甘えるような声は、ゾクゾクする。
コミックソングとは言わないが、歌詞の安易さや、単純なリズム、
予想を裏切らずに展開する歌いやすそうなメロディライン、など、
作りは全体的にチープだが、悪い曲ではない。
オカズをたくさん使った、とても賑やかなアレンジが、
ガチャガチャとガラクタをぶちまけたようなチープさを、
より強調しているような気もするが、そのぶんシンプルでストレート。
直情径行型の子供のようなふたりには、合っているのかもしれない。
身体でリズムを取りながらそのまま何も考えずに歌えば、
それだけで気持ちがいいだろうな、という爽快な出来上がりにはなっている。
熱血アニソン風味にしてみるのもいいのではないだろうか。
作詞 | Tommy Page,訳詞:小寺陽子 |
---|---|
作曲 | Tommy Page |
編曲 | Tommy Page |
曲調 | スローテンポ、シリアス、高めでかわいい、バラッド |
収録 |
2007/7/13 フルハウス フィフス・シーズンコレクターズ・ボックス (DVD) |
備考 | 海外ドラマ「フルハウス」ゲスト出演のトミー・ペイジとしての曲。 |
「フルハウス」の第110話「ステフ、10歳の日に/Crushed」(第5シーズン第16話)が、
日本で最初に放送されたのは、1995/6/14。12年後にやっと、
DVD-BOXとして映像メディアに収録された。なので、実際に歌ったのは、12年前。
本来なら作品中の歌はカウントしないのだが(鼻歌程度とかはきりがないし、
すべての作品をチェックするわけにもいかない)、この曲は明らかに、
演技の一環とは別に歌だけ収録された感じだし(台詞のかぶらないテイクがある)、
曲として独立しているので、「挿入歌」的な扱いにしてもいいのでは、と判断した。
そして何よりも、あまりにもキュートなので、是非ともリストに加えたかった、
という、個人的な想いもある。でも、メディア化されていなかったので、
テレビでの再放送を待つしかなかったのだが、やっとDVD化されたことで、
晴れてコレクションに加えることができた、わけである。
(実はもう1曲、海外ドラマで、きちんと歌っている曲があることを知っているのだが、
そっちはまだDVD化されていない(たぶん)。
しかも、ちょっと難しい歌なので…ごにょごにょ。)
トミー・ペイジはアメリカのアイドル歌手(?)だが、自分で曲作りもする。
ドラマには本人役として登場し、タナー家の娘、
ステファニーへのバースデイプレゼントとして、この曲を披露する、という役どころ。
サービス精神旺盛で、求められれば女の子たちに甘い言葉をささやく、
天然なのやら計算づくなのやらわからない、でもキュートで魅力的な登場人物である。
(実際のトミー・ペイジがそうなのかは知らない。)
そんなトミーを演じる森川さんは、終始かわいらしい。
本人が「天使の声」と称したくなるのもわかるような(笑)、高めで甘い、
でも凛としたノーブルな声で演じている。そして、そのままの声で歌っている。
アイドルポップスの甘いバラッドなのだが、当時の森川さんの持ち歌を伺わせるような、
舌足らずに聞こえる巻き舌も、そこここで聴かれる。
決して上手いとは言えないかもしれない。「今」聴くと、
最近歌っている他の曲とどうしても比べてしまうのだが、この曲を歌ったのは12年前、
森川さんが20代後半の頃。そう思って聴くとさらに、かわいらしさに拍車がかかる。
歌詞も、愛を告白する甘いものなので、ちょっと甘えたようなかわいい声が好きなら、
聴いてみることをお勧めしたい。ワンコーラスだけのためにDVD-BOXは、
というのはあるかもしれないけれど、レンタルもあるようなので、是非。
吹き替えはもちろん、トミー・ペイジの原曲も、ドラマのために作った曲らしく、
CDには収録されていないようだ。彼の公式サイトで公開しているが、
それもドラマで放送したときの音の模様。トミーの声もとってもかわいらしい。
作詞 | 只野菜摘 |
---|---|
作曲 | 西岡和哉 |
編曲 | 西岡和哉 |
共演 | 斎賀みつき (デュエット) |
曲調 | スローテンポ、シリアス、ハイトーン、歌い上げる感じ |
収録 |
2007/7/25 今日から(マ)王!キャラクターソングアルバム みんなのうた 2008/10/24 今日から(マ)王! ファン感謝祭II〜眞魔国でもジューンブライド!?〜 (DVD) |
備考 | 「今日から(マ)王」のコンラッド(ウェラー卿コンラート)としての曲。 |
デュエットの相手は女性なのに、絶対に斎賀さんのほうが声が低い(笑)。
女声とキーを合わせるためだと思うが、かなり音域が高いようで、
歌い出しからかなり高いキーだが、サビでさらに上がるということはないので、
シャウトのような歌い方になることはない。
サビよりもメロディのほうが高く聞こえるのは、
ソロパートなので、しっかりした斎賀さんの声がかぶらないことと、
お得意のひっくり返る色っぽい歌い方を入れながら、
やわらかく少しセンを細く、はかなげに歌っているからで、
実は全曲にわたって、同じ1オクターブの中で動くメロディラインなので、
特にどちらがハイトーン、ということはない。サビとかのコーラスパートのほうが、
フラットな歌い方をしているぶん、地にしっかりと足をつけた安定感がある。
この状況のコンラッドは、ひとりでも充分に強いとは思うが、やっぱりひとりではなく、
信頼し合える誰かと一緒だと強さの質が変わるんだな、と思えるような、
デュエットの魅力も感じられる。
歌詞から受ける印象は「凛々しい」。曲を聴くとそれに、「悲壮」が加わる感じ。
歌詞だけなら、つらそうな印象は受けない。信じる道を共に進む仲間もいるし、
守るべきものも明確にある、そういう意味ではとても幸せな状況なはず。
しかし、曲調によるものが大きいのだと思うのだが、曲を聴くと、切ない感じがする。
アレンジも、その悲壮な決意を胸にしているかのような、荘厳ささえ感じさせる、
少し重苦しい雰囲気であるだけでなく、さらにそのうえに、ふたりの歌声が、
美しく勇ましいので、より悲壮さを際立たせている。もしかしたら、
「剣をとって闘う」ということ自体が、そういうつらさや切なさを含んでいて、
本人たちは疑問に思わず気付いてもいないが、実はとても悲しい状況なのではないか、
という解釈なのかもしれない。なんてことを考えてしまうような曲、
と思ってもらえれば、この曲の印象は伝わるのではないかと思う。
さらっと聴いて、「カッコいい曲」で終わらせてしまってもいいとは思うんだが。
総合的には、信頼し慕いあう兄弟が、同じ方向を見つめながら、
互いの背を守りつつ戦う、という状況そのままの、ある意味乙女チックで美しい曲。
森川さんの綺麗な高音も堪能でき、うるさく感じる音ではないので、
女性とのデュエットが嫌いでなければ、しっとりと浸って聴くのもよいかと。
作詞 | 只野菜摘 |
---|---|
作曲 | 西岡和哉 |
編曲 | 西岡和哉 |
共演 | 斎賀みつき、大塚明夫、井上和彦、高山みなみ、宮田幸季、小西克幸、勝生真沙子、竹田雅則、櫻井孝宏 (合唱) |
曲調 | ミディアムテンポ、シリアス、中音域高め、ポップ |
収録 |
2007/7/25 今日から(マ)王!キャラクターソングアルバム みんなのうた 2008/10/24 今日から(マ)王! ファン感謝祭II〜眞魔国でもジューンブライド!?〜 (DVD) |
備考 | 「今日から(マ)王」のコンラッド(ウェラー卿コンラート)としての曲。 |
クレジットは「眞魔国王立合唱団」となっているが、メンバーは、
このアルバムに収録された曲を歌っているメンバー全員と、ユーリの10人。
ユーリは台詞のみ。他の9人が入れ替わり立ち替わり、
ソロやデュエットでパートを担当している。デュエットの組み合わせもいろいろ。
歌い手たちは、それぞれに声に特徴のある人が多いので、ソロパートはもちろん、
デュエットやコーラスパートでも、声を拾い出すのはそれほど難しくはない。
コンラッドも、
同じアルバムに収録の「天翔る剣」に比べて、
コンラッドらしい二枚目ボイスと落ち着いた歌い方なので、わかりやすい。
というか、最初のフレーズの後半で早速ソロパートを担当しているので、
声のトーンは間違えようがない。
最初から最後まで、とても楽しい。聴いていると、自然と顔がほころんでくるようで、
やさしくかわいく、幸せで元気になって、嫌なことは忘れてしまうような感じ。
ちょっとは心配やつらいこともあるけど、それを前向きな気持ちに変えていく、
ひとつひとつは何ということはないけれど、どれもが明るく力強い歌詞。
なんというか、良く晴れた日に、見晴らしのいい草原にピクニックに行き、
お弁当を食べるのを楽しみにしながら、歌いながら歩いている、というか。
スキップでもしているような楽しげなメロディライン、
ヴォーカルの邪魔をしない程度に軽快でリズミカルなアレンジ、
高音から低音までいろいろな声を取り混ぜたヴォーカル、
素敵な言葉をいっぱい詰め込んである歌詞、
どれをとっても、いろんな色のキラキラとしたビー玉であふれた宝石箱のよう。
イベントでは、アンコールに楽しく合唱された。全員が揃っていなかったこともあって、
パート分けはせず、全部全員のユニゾンでコーラスだったけれど。でも、この曲は、
会場を含め、「みんなで歌う」ことでその魅力をより発揮する曲ではないか、と思う。
そういう意味では、パートなど気にせずに一緒に歌う方が楽しい。
イベントでなくても、難しいことは考えず、楽しく聴き、一緒に歌うのがいちばん。
作詞 | 川内康範 |
---|---|
作曲 | 小川寛興 |
編曲 | 広瀬充寿 |
曲調 | アップテンポ、シリアス(一応)、高音域、特撮ソング |
収録 |
2007/7/25 七色仮面 (ショートVer.) 2007/10/24 愛と正義の助っ人達のロマンボーカル集 2007/10/24 愛と正義の助っ人達のロマンボーカル集 (ショートVer.) 2007/10/24 愛と正義の助っ人達のロマンボーカル集 (instrumental) |
備考 | 「七色仮面」の蘭光太郎としての曲。 |
なんともなつかしい曲調。
それもそのはず、オリジナルの「七色仮面」は昭和34年から約1年の放映。
主題歌が複数あったという話は見つけられないので、たぶん、
最初からこれだったのだろう。これが作られたときから考えても、50年近く前。
オリジナルは近藤よしこという女の子と、キング小鳩会という少女合唱団が歌っている。
正統派の少女歌手らしい歌い方と、子供向けヒーローものらしい力強いアレンジだった。
わくわくしながらテレビの前に集まった子どもたちが、
膝を抱えて始まるのを待っている様子が浮かんでくるような。
曲も歌詞も、もちろん当時そのままなので、懐かしい昭和テイスト、
なんてものではない。が、さすがに、未だに語り継がれる特撮ヒーローものの主題歌、
多少古くさいが(意味不明の囃し言葉みたいな部分もあるし)、
七五調の歌詞と曲が完璧にシンクロし、完成度は高い。さすがに今これだと、
どんな懐古趣味なんだ、と思わずにはいられないだろうが、これはこれでありかと。
曲はそのままだが、アレンジは今風にまったく作り直してある。テンポも違う。
ホーンをふんだんに使い、ベースを強調した、ビートの効いた派手な音になっている。
こんなアレンジの曲が当時子供向けの番組から流れたら、
不良の音楽だ、とか言われて、それこそたいへんなことになっていただろう(笑)。
森川さんのヴォーカルは、途中にキャラでの台詞(というか笑い声)は入るが、
歌としては正統派の特撮ヒーローソング。セクシーだとかわいいだのとは無縁の、
ストレートな男っぽい歌い方である。曲調のこともあって、声はちょっと高めなので、
「七つの顔のおじさん」ではなく、「歌のお兄さん」な感じ。
わりと忙しない展開になっているので、どっしりとした余裕、という感じではないが、
力強く元気である。
テレビ(ブラウン管推奨(笑))の前で膝を抱えて聴くと、しっくりくるかも(笑)。
作詞 | 尾崎雪絵 |
---|---|
作曲 | 飯塚昌明 |
編曲 | 飯塚昌明 |
共演 | 立木文彦 (デュエット) |
曲調 | アップテンポ、シリアス、中音域から高め、パーティソング |
収録 |
2007/8/1 Brand-New Future〜2HEARTS BEST ALBUM〜 2008/2/27 LIVE VIDEO ネオロマンス・ライヴHOT!10 Countdonw Radio II ROCKET★PUNCH! 2 (ライヴ・バージョン) (DVD) 2009/1/28 LIVE VIDEO ネオロマンス・ライヴ ROCKET★PUNCH! 3 (ライヴ・バージョン) (DVD) 2010/5/19 2HEARTS 2nd LIVE "BLUE STEEL KNIGHT" DVD 2 (ライヴ・バージョン) (DVD) |
備考 | 「2HEARTS」(立木文彦とのユニット)としての曲。 |
2HEARTSのひとつの集大成、ベストアルバム「Brand-New Future」に、
タイトルソングとして収録された。一種のアニバーサリーソング。
「It's Showtime」という言葉で始まることが、この曲の印象を端的に表している。
場を盛り上げるファンファーレのような音で始まる、
「お祭り騒ぎ」という言葉がいちばんぴったりくる雰囲気の曲。
ふたりの歌い方も、言葉を歌うよりも、パーティ会場の一画で、
楽しく過ごす時間を盛り上げるためのバンドらしく(?)、とにかく楽しく景気よく。
ホーンセクションが派手に響き、騒がしいまでに気分を高揚させるアレンジ。
ブレイクを効果的に使って、「見せる」ことを充分に意識した曲構成。
ラップで客席に話しかけている気分にさせ、さらに一体感を煽る。
バニーガールの格好でもしていそうな、かわいらしい女声コーラス(実は彼女は、
Fuminと一緒にTAKADA BANDとして歌っていた、三松亜美だったりする)は、
きっと、芝居気たっぷりにダンス・パフォーマンスを見せてくれているだろう。
ふたりとも絶対、タキシードの襟を崩して、無造作に腕まくりなどしながら、
客席からのピンクの視線を、ウインクで投げ返しているんだ。
響きのある歌声で歌い上げるパート、コミカルに和ませるパートなど、
さまざまな歌い方が聴けて、いろんなものを詰め込んだ宝箱をぶちまけたよう。
そのごちゃごちゃ感は、まとまりがないわけではなく、
「何でもあり」の楽しさでワクワクさせてくれる。ライヴでは、導入部に、
客席との掛け合いで、おどけて見せたりカッコよく煽ったり、なパートを設け、
充分に観客の身体と気持ちをやわらくしてから、曲に突入していた。
たぶん、音を聴いただけで、一緒になって踊り出したくなるに違いない。
クラブでのパーティに出席している気分になって、スピーカーの前で、
ツイストでもゴーゴーでも(古いか(笑))、そこまではじけられなければ手拍子だけでも、
とにかく参加してみると、とても楽しい気持ちになれることを保証する。
一緒に踊った後は、心地よい疲れを癒すために、大好きな飲み物を1杯。
作詞 | 峰倉かずや |
---|---|
作曲 | 西岡和哉 |
編曲 | 西岡和哉 |
共演 | 石川英郎 (デュエット) |
曲調 | アップテンポ、シリアス、中音域から高め、ハードなポップ |
収録 |
2007/8/24 執行部+WA Go the Limit 2008/3/21 私立荒磯高等学校生徒会執行部+WILD ADAPTER LIVE GO THE LIMIT (ライヴ・バージョン) (DVD) 2012/7/25 執行部+WA WILD EXECUTION 2013/1/23 私立荒磯高等学校生徒会執行部+WILD ADAPTER LIVE GO轟音ON (ライヴ・バージョン) (DVD) 2013/11/2 最遊記+WILD ADAPTER Dice&Guns (ライヴ・バージョン、昼の部) (DVD) 2013/11/2 最遊記+WILD ADAPTER Dice&Guns (ライヴ・バージョン、夜の部) (DVD) |
備考 | 「私立荒磯高等学校生徒会執行部」「WILD ADAPTER」の久保田誠人としての曲。 |
念願の久保時ライヴが決まったときに、ライヴのテコ入れのように発売された、
ヴォーカル曲だけのミニアルバム。その1曲目がこれ。
ライヴに向いていない曲ばっかりの久保時ソングの中で、明らかに、
「ライヴのために用意しました」といわんばかりの、アップテンポな盛り上げソング。
実際ライヴでは、オープニングに歌われ、示し合わせたマイクパフォーマンスとともに、
ステージを盛り上げるのに大きな貢献を果たした。
久保ちゃんも時任も、どっちの世界でも絶対に歌わないであろう曲調。
「WA」ならもっと沈んで救いがないだろうし、「荒磯」ならもっと脳天気だろう。
たぶん世界観は「WA」で、でもポジティヴで積極的なふたり。
時任はもともとそうなんだろうが、作品上、
彼がいろいろ久保ちゃんに引っ張られることはあっても、
逆はないだろうと思えるが、この曲は、まさに時任が久保ちゃんを引っ張り上げて、
半ばヤケクソになりながら、さあいくぞ、という感じの若さが見える。
原作者(作詞担当)のコメントによれば、執行部イメージらしいが、
若さという意味ではそうなのかも。
普通の高校の生徒にしては、ずいぶんハードな世界観だとは思うけど。
ベースやリズムセクションは、あまり遊ばず、シンプルに、でも重々しく、
響き渡る音の基盤を作っている。その上で、派手ではないが渋く自己主張するギターと、
峰倉ワールドらしい少し歪ませたヴォーカルが、
上にも横にも広がっていく音を構成している。
たぶんもう久保時の音の基本は確立していて、どんなに曲調が違ったところで、
久保時ならこう、という作り方があるんだろうと思う。安心して聴いていられるし、
基本の上でいろいろな色を見せてくれるから、毎回素敵な部分を発見できる。
ヴォーカルはほぼ全部ユニゾン。一部だけパート分けしている部分があるが、
ワンフレーズずつ交代で、片方だけがずっと歌うことはない。
そんなところも、「一緒にいる」安心感というか、
物理的・精神的ともに距離の近さというか、相手が自分を信頼していることを確信し、
自分もそれを隠さない、そんなふたりの様子が目に浮かぶ。そう考えると、
やっぱり執行部のふたりなのかも(笑)。WAは、あの危うさが魅力でもあるから。
作詞 | 峰倉かずや |
---|---|
作曲 | 西岡和哉 |
編曲 | 西岡和哉 |
曲調 | スローテンポ、シリアス、中音域、バラッドというか |
収録 |
2007/8/24 執行部+WA Go the Limit 2008/3/21 私立荒磯高等学校生徒会執行部+WILD ADAPTER LIVE GO THE LIMIT (ライヴ・バージョン) (DVD) 2012/7/25 執行部+WA WILD EXECUTION |
備考 | 「私立荒磯高等学校生徒会執行部」「WILD ADAPTER」の久保田誠人としての曲。 |
これは「WA」の久保ちゃんだな。
左からの歪んだギターで始まり、右から入ってくるハイハット。
キーボードとコーラス、のたうつようなベースが参加した時点で、
この曲のコンセプトを全部表現しつくているかのような音が完成する。
コーラスは、歌い手と周りの世界を遮断するカーテンのよう。
ほんの数メートルぐらいのところにいるのに、他人事のようにただ見守るだけで、
決して距離をせばめようとはしない。外界は彼らの後ろに広がっている。
そんな、ぽっかりと何もない世界の真ん中にひとりたたずむ久保ちゃん。
そして、いったい何が起こった、とつぶやきたくなるようなエンディング。
いつもの久保ちゃんの高さの声で、やっぱりどこか定まらず、
不安感や喪失感をたくさん含んだ、細めの響きなのだが、
後半に近付くにしたがって、しぼり出すようにしゃがれた響きが混じる。
我慢しきれなくなった心の叫びが噴き出した感じで、いつも飄々としている彼が、
どれほど現実感と強さと安定を求めているのか、などと考えさせられる。
久保ちゃんにとって、今は手に触れることができる現実も、
一瞬後には白昼夢のように消え去ってしまうかもしれない、
不安定なものなのだろう。
彼のことをたぶんいちばんよく知っている原作者による詞と、
これまた長い付き合いでこの世界を知り尽くしているに違いない作編曲者の音。
それに声に感情を乗せる専門家のヴォーカルが加わり、
久保田誠人という存在を愛しく思えば思うほど、
どんなにつらくても、どれほど傍観者でしかいられないことがもどしくても、
無防備にさらけ出された彼の感覚に、目を向けずにはいられない。
既に森川さんの歌としては聴けなくなっている、のかもしれない。
曲としての完成度は心配する必要はないが、一緒に不安になる体力がない、
沈んだ気持ちになりそうなことが怖いときには、避けておいたほうが、
自分の精神の安寧のためには得策かもしれない(笑)。
作詞 | 峰倉かずや |
---|---|
作曲 | 西岡和哉 |
編曲 | 西岡和哉 |
共演 | 石川英郎 (デュエット) |
曲調 | スローテンポ、シリアス、低めから中音域、バラッド |
収録 |
2007/8/24 執行部+WA Go the Limit 2008/3/21 私立荒磯高等学校生徒会執行部+WILD ADAPTER LIVE GO THE LIMIT (ライヴ・バージョン) (DVD) 2012/7/25 執行部+WA WILD EXECUTION 2013/1/23 私立荒磯高等学校生徒会執行部+WILD ADAPTER LIVE GO轟音ON (ライヴ・バージョン) (DVD) 2013/11/2 最遊記+WILD ADAPTER Dice&Guns (ライヴ・バージョン) (DVD) |
備考 | 「私立荒磯高等学校生徒会執行部」「WILD ADAPTER」の久保田誠人としての曲。 |
あの不安定で寄る辺ない、頼りなげな久保ちゃんはどこに行ったんだ、というくらい、
しっかりと男らしく落ち着いた歌い方。歌い出しの声などは、
「久保ちゃん」と思っていてると、誰が歌っているのか見失うくらい。
そういう意味では、この曲もやっぱり、「WA」でも「荒磯」でもない気がする。
執行部ほどのらりくらりとしていず、WAのように沈んでいってもいない。
ライヴでは、予定どおり、本編最後に歌い上げられ、独特の世界を締めくくった。
そこにいるのは彼らだけ、観客は手を出すこともできず、ただ眺めるしかない。
静かに静かに、でもダイナミックに、今目の前にあった世界を、
昇華させていくように包み込み、この場から切り離していく感じ。
一点からこぼれ始めた光が、どんどん広がっていく様子を感じさせる、
壮大なストリングスのアレンジ。それにかぶさるピアノの綺麗に響く音が、
光の中に立つ人間の存在を思い出させてくれる。
すべてを隠してしまっていた今までの暗闇が影を潜め、すべてが白日の下にさらされる。
でもその光が強ければ、光もまたすべてを隠してしまう存在でもある。
彼ら自身もそうかもしれないが、そんな彼らを見ている我々にも、
強い光がすべてを洗い流し、「明日」や「希望」に願いをかけたくなるような、
そんな情景が見えてくる。
曲としての音域は決して低くないのに、森川さんの声はかなり低めに出している。
沈んでいるのではなく、下に広がる落ち着いた響き。
石川くんの声がかわいく感じられるのも、最近の久保時の曲では珍しい。
彼らはそこにいるだけ。こちらに呼びかけるでもなく、
元気を振りまいているわけでもないのに、聴いているだけで、
ふつふつと闘志がわき起こってくるような、力強さを感じられる曲である。
作詞 | 河合英嗣 |
---|---|
作曲 | 山口朗彦 |
編曲 | 河合英嗣 |
共演 | 千葉進歩 (デュエット) |
曲調 | ミディアムテンポ、シリアス、高め、ポップス |
収録 |
2007/10/1 Super Stylish Doctors Songs 3 eight beating 2008/3/14 S.S.D.S. 2007秋の診察会 (ライヴ・バージョン、抜粋) (DVD) 2010/2/24 S.S.D.S. 2009秋の贅沢診察会 (ライヴ・バージョン) (DVD) |
備考 | 「Super Stylish Doctors Story」のミヒャエル・シューマイヤーとしての曲。 |
さわやか!! このひと言に尽きる、といっても過言ではないかと。
アレンジは、基本的にリズムボックス多用のピコピコ。
空気のゆれを感じさせる生の響きではなく、電子楽器で多様に作られた音を、
賑やかにかわいらしくさわやかにちりばめてある、という感じ。
メロディラインも、いろいろなパターンが盛り込まれていて、決して単調ではないが、
大きなメリハリはなく、全体が流れるように展開している。
歌詞も、僕は君の騎士だから、いつも君のそばにいて君を護る、だから夢を信じて、
という、とても頼もしい内容なのだが、その強さは物理的な力強さよりも、
精神的な強さ、やさしさ、やわらかさのほうが先に立つ。
全体的に、引っかかりなく心地よく、するすると流れ込んでくる曲。
聴きどころは、ヴォーカルふたりの、これでもかというくらいにやさしく、
さわやかな歌声。ミヒャエルというと、その素っ頓狂な言動からは想像できないくらい、
女たらしだったり、真面目に挫折を経験していたり、
普通にカッコいいキャラだったらしいのだが(たぶん設定では。
役柄ではもうほとんどわからない。歌にだけ、ときどき出てくる)、
そういうエキセントリックなところも影を潜め、事務長だって、
たぶんいろいろ設定や裏の顔やらがあるんだろうと思うが、
ふたりとも、「やさしいおにいさん」に徹している。
進歩くんのほうが少し硬い感じはするが、ふたりともとてもやわらかい声で歌っている。
森川さんも、お得意の声がひっくり返るところもあるが、色っぽいというより、
かわいらしい感じ。少し高めのやさしくかわいい声で歌っているので、
進歩くんのトーンと混じることもあるかもしれない。響きは全然違うので、
森川さんの歌を聴き慣れていれば、歌声を間違えることはないと思うが、
歌詞カードにはパート明記の親切設計なので、
え、これどっちの声?、と戸惑う不安はなし(笑)。
作詞 | 東川遥 |
---|---|
作曲 | pal@pop |
編曲 | pal@pop |
曲調 | スローテンポ、シリアス、中音域、琉球民謡風 |
収録 |
2007/10/3 BLEACH BEAT COLLECTION 3rd SESSION:04 -KANAME TOSEN- 2009/3/18 BLEACH BEAT COLLECTION THE BEST 2 |
備考 | 「BLEACH」の東仙要としての曲。 |
イントロから鳴り響くサンシンの音(たぶん)、琉球民謡かと思うようなメロディライン。
東仙って、レゲエな外見だけど、沖縄出身なんだっけ?、などと思ってしまった。
よく聴くと、別に五音音階じゃなくて、ちゃんと七音使っているのだが、
アレンジの響きと、サビの展開からそう聞こえるのかもしれない。
まあ、見たまんまのレゲエサウンドよりも、彼の性格には合っているのかも。
独特な音程でのメロディの動きと、それとは対照的に同じ音で歌われるフレーズ。
単調には聞こえるが、そのぶん、力強く静かに、内に秘めた情熱を感じさせる。
リズムでごまかせないぶん、歌い手の力量が顕著に出てしまう、難しい曲だと思う。
歌詞は、特に何を歌っている、という具体的なイメージは浮かばない。たぶん、
彼の斬魄刀「スズムシ(清虫と書くのだが)」をイメージしての歌詞なのではないか、
タイトルからしてそのままだし、とは思うのだが。雲や光などは、
何かを暗喩しているようで、楽しい美しいだけではないように思える言葉もあり、
彼なりに心に秘めたものが、にじみ出てしまっているのでは、などと考えてみるが、
考えてもわかりそうもないので、感じるだけのほうがいいのかもしれない。
東仙というキャラクターを意識してか、張りのある「イイ声」で歌っている。
固すぎるぐらいにストイックで、甘い響きはまったくない。
それでも、サビで朗々と歌い上げる声は、惚れ惚れするほど。
曲調もアレンジも、他ではあまり聴けるタイプの曲ではないので、
こういう琉球サウンドが嫌いでなければ、あまり内容には踏み込まず、
音と声の響きに身を任せて、夕闇の空を眺めてみると、静かな気持ちになれそう。
作詞 | 東川遥 |
---|---|
作曲 | pal@pop |
編曲 | pal@pop |
曲調 | ミディアムテンポ、シリアス、中音域、唱歌風 |
収録 |
2007/10/3 BLEACH BEAT COLLECTION 3rd SESSION:04 -KANAME TOSEN- 2009/3/18 BLEACH BEAT COLLECTION THE BEST 2 |
備考 | 「BLEACH」の東仙要としての曲。 |
「晩秋の音」とはうって変わった、
シンプルで明るい、唱歌風の曲。でも、歌詞はつながっている感じ。
曲調は子供向けのような雰囲気だが、歌詞はやっぱり、なんだかどろどろしている。
この曲の歌詞と組み合わせると、「晩秋の音」の「雲」や「光」の正体が、
なんとなく推測できるような気もする。空を見て憂いていたのが、
それを打開する何かを見つけて希望を見出しだ、という展開か。
アレンジもシンプルで、衒いもなく、すごく優等生的な感じ。
三連符のリズムをベースに、シンプルな和音で構成されているので、
初心者の教則本の曲を練習しているかのよう。わざと崩すことはよくあると思うのだが、
これはわざと崩してないんだろうな、とさえ思える。
声自体は同じ東仙で、イイ声だが、ずっとやさしく、明るく開いた声。
甘さはやっぱりないが、固さもない。すこしやわらかく自然に聞こえ、
あたたかい響きがある。音楽の時間に若い先生(男性)が、
ピアノを弾きながら「お手本」を歌っている感じの、ストレートな歌い方である。
たぶん、歌詞の裏をいろいろ考えなければ、世界観のことなど考える必要もなく、
ひっかかるところもないので、安心して聴けるだろう。
曲として面白いと思うかどうかは、また別の話だが。
しかしこの作詞家は、東仙が盲目だということを意識しているのだろうか。
ま、彼にも「見える」だろうから、それでいいのかな。