森川智之プライベート・コレクション

森川智之「歌」(2001年〜2002年)レヴュー

(2003/10/26現在)

2001年
2002年

E・O [01.05.13掲載]

作詞相田毅
作曲西岡和也
編曲西岡和也
共演石川英郎 (デュエット)
曲調ミディアムテンポ、シリアス、低め、かなりファンキー
収録 2001/4/25 私立荒磯高等学校生徒会執行部II
2003/9/26 久保×時SONGS! 私立荒磯高等学校生徒会執行部+WILD ADAPTER
2007/6/22 執行部+WA LOVE×ALL
2008/3/21 私立荒磯高等学校生徒会執行部+WILD ADAPTER LIVE GO THE LIMIT (ライヴ・バージョン) (DVD)
2012/7/25 執行部+WA WILD EXECUTION
備考「私立荒磯高等学校生徒会執行部」の久保田誠人(「WILD ADAPTER」と同一人物)としての曲。

前作「Blood, Sweat, No Tears」のレビューで、 「石川英郎も歌がうまいんだから、 次はもうちょっとメロディアスな曲希望」と書いたから、じゃなくて、 同様の意見多数だったからかと思うのですが、ラップではなく、 ちゃんとメロディのある曲です。と言ったって、前作のイメージを崩してはいないから、 リズムが中心の、かなりfunkyな曲調ではあります。
メイン(というか、サビじゃないとこ)は石川英郎、森川さんはサビ担当(本人談)。 なんというか、ふたりの歌唱力の特徴をよくわかった配分かな、 などと思ってしまった私は、ファン失格でしょうか(爆)。 いや、音楽の専門家である石川くんはともかく。
でも、そのサビの声は、久保ちゃんってこんなにカッコよかったんだ?(暴言)、 って思うような、すごい二枚目。さらに、とてもよく響いて、 下のほうに広がりのある、お腹から出してる、という感じの低めの声。 森川さんの地声はもっと高いはずなのに、全然無理に出している感じがしないのは、 さすが、としか言いようがない。
歌詞も、よく読むとものすごくいいんだけど、音や歌の印象が強く、 さらっと聞き流すと、メロディやアレンジのカッコ良さに隠れてしまって、 言葉まで神経が届かないのが、ちょっと残念。 でも、意識して聴くと、次からは「言葉」が聞こえてくるかもしれない。 前作がラップだっただけあって、「音」としての言葉の使い方がされているんだけれど、 単なる言葉遊びではない、もっと深いものが見つかるかもしれません。


Dialogue [01.08.12掲載]

作詞新田祐克
作曲KIM
編曲KIM
共演三木眞一郎 (デュエット)
曲調スローテンポ、シリアス、中音域から低め
収録 2001/8/9 新田祐克マルチメディアBOX GIGOLO (Win/Macゲーム)
備考「春を抱いていた」の岩城京介としての曲。

ゲームでは、「MUSEUM」のBGMとして聴けるのみ。 オーディオトラックは収録されていないため、基本的には、ゲームクリア後に、 パソコンのスピーカーから聴くことになるのが、 パソコンの音源環境がよくない人にとっては、ちょっと残念。 伴奏に比べて、ヴォーカルのレベルもちょっと低いような感じがするし。
クレジットは「森川智之&三木眞一郎」になっているけれど、三木眞一郎ファンには、 絶対に物足りないだろうなあ、と思う。ほとんどが森川さんのヴォーカルで、 三木さんはちょっとだけリードを取って、あとはコーラス、 という感じ(しかも、コーラスの音量レベルが低いような気がする)。 森川ファンとしては、声がたくさん聴けてうれしいけれど。
歌詞はたぶん、役である岩城京介と香藤洋二の立場で、ということなんだろうけれど、 微妙にパートとズレているような気がして、なんとなく不自然。 たぶん、書かれたときと歌うときとで、歌う人の前提が変わっちゃったんだろうな。
曲調は、アンニュイな感じのリズムとアレンジで、なかなか気持ちよく聴ける。 大きな盛り上がりはないけれど、淡々と歌い上げる、という感じ。 森川さんの声も、気負わず、自然な感じ。音域の広いメロディではないので、 中音域から少し低めの声で(岩城の声のトーンからだろう)、ちょっとささやくような、 張ることのない発声をしている。
もともとがそうだからかもしれないが、BGMとしては心地よい、といったところか。


Knockout drops [01.10.21掲載]

作詞峰倉かずや
作曲西岡和也
編曲西岡和也
共演石川英郎 (デュエット)
曲調ミディアムテンポ、シリアス、中音域ちょっと高め、かなりファンキー
収録 2001/9/26 WILD ADAPTER
2003/9/26 久保×時SONGS! 私立荒磯高等学校生徒会執行部+WILD ADAPTER
2007/6/22 執行部+WA LOVE×ALL
2008/3/21 私立荒磯高等学校生徒会執行部+WILD ADAPTER LIVE GO THE LIMIT (ライヴ・バージョン) (DVD)
2012/7/25 執行部+WA WILD EXECUTION
備考「WILD ADAPTER」の久保田誠人(「私立荒磯高等学校生徒会執行部」と同一人物)としての曲。

相変わらず難しい曲だ(笑)。やっぱりこれを歌いきってしまうのは、 このふたりだから、というか、石川英郎とのデュエットだから、なのかな。
「WILD ADAPTER」は、「私立荒磯高等学校生徒会執行部」の久保田誠人の話だが、 雰囲気は全然違う。いや、久保ちゃんは全然変わらないんだけれど、周りというか、 環境というか、舞台というか。高校の(ある意味)平和でのんびりした環境とは違った、 かなりハードな設定に合わせたのか、歌詞もハードな雰囲気。 原作者の作詞、というのも、今までの歌詞とは、 ちょっとイメージを変えている要素なのかもしれない。
曲調は、同じ作・編曲者だけあって、基本路線はほぼ同じ。 ラップテイストを感じさせつつ、でもラップ自体は確実に減って来ている。 リズムは、基本的に最初から最後まで単調に刻むんだけれど、 曲全体のリズムを無視するかのようなメロディラインや、オカズを多用したアレンジ。 聴いているほうを不安にさせるような、先の見えない展開も、何回も聴いていると、 心地よくなってしまう。
森川さんの歌い方は、意外にもやさしい感じ。前作の「E・O」では、 低めなのに張り上げる感じだったのに、今回はもっと自然、というか。 作った感じがしない。でもこっちのほうが、「久保ちゃん」のイメージかな?
とりあえずお勧めは、最初のほうの、「おやすみ」の、何ていうんだろう、 バックコーラスというにははっきりした、合いの手(?)。


愛という名の嵐 [02.02.10掲載]

作詞暮須華里依
作曲羽場仁志
編曲松尾洋一
共演櫻井孝宏、宮田幸季、吉野裕行 (合唱)
曲調アップテンポ、シリアス、ロック調、高めの音域
収録 2002/1/26 天使のしっぽCharacter Series 愛という名の嵐
2002/1/26 天使のしっぽCharacter Series 愛という名の嵐 (カラオケ)
2002/4/24 天使のしっぽBest Vocal plus 天使といつまでも。
2002/9/25 Saint Beast 四聖獣 ヴォーカル&ドラマアルバム (vocal exchange edit)
2005/1/28 セイント・ビースト イベントDVD ケダモノたちの聖なる宴 コンプリート版 (ライヴバージョン) (DVD)
2005/5/25 Saint Best Lost.1/Vocal Best of the Saint Beast (vocal exchange edit)
2007/3/28 セイント・ビースト MUSIC CLIP (DVD)
備考「おとぎストーリー 天使のしっぽ」の四聖獣のひとり、青龍のゴウとしての曲。

キャラクターの外見から声を予想してソロパートを待っていたら、 いきなり高めのかわいい声が聞こえて来て、思わず、 「あなた、誰?」とつぶやいてしまった。 同じCDにはミニドラマも収録されているのだが、そちらの役の声は予想していたとおり。 役の声と歌の声が違いすぎ。他の3人が高めのかわいい声が多いので、 それと合わせたほうが、曲全体としての親和性が高いから、ということなのだろうか、 それとも単にキーが高かっただけ?(笑) でも、役の声にとらわれず、歌いやすい本来のトーンで歌わせてくれるのは大歓迎。
ソロパートは冒頭から8小節。久しぶりの高めのトーンが聴けるので、とてもうれしい。 8小節では「堪能する」まではいかないけれど、ちょっとセクシーな上に広がる響きが、 森川さんのハイトーンの健在を実感させてくれる。もちろん、巻き舌のラ行も健在。 問題はコーラスパート。もちろんわかる人にはわかる4人の声だが、コーラスとなると、 同じトーンの声が重なることになるので、聞こえません、森川さんの声(泣)。 コーラスとしてはそのほうが綺麗だし、本来森川さんの声は高いので、 それはそれでいいんだけど。でも、集中して何回も聴いていると(ヘッドフォン推奨)、 聞こえて来るので、試してみてください。 一度聞こえると、次からは森川さんの声ばかり聞こえるようになります。
曲調は発売前のインタビューで「熱いロック」と言っていたように、 けっこうビートのきいたアップテンポな曲。ロックというにはポップだけれど。 コーラスのハーモニーのカッコよさもあって、ヘビー・ローテーションにたえられる。 歌詞は、 もしかすると役としての背景があるのかもしれないが(ミニドラマはギャグなので、 設定等の詳しいことを読みとるのは無理)、かなり抽象的で観念的なものなので、 基本的な設定のみわかっていればそれで充分、という感じも。
今度は、ソロで、このタイプの曲を、是非。
[2002/9/29追記]「Saint Beast」となってからの、 「ヴォーカル&ドラマアルバム」に収録されているパートチェンジバージョンは、 「聖地へ」の「へ」が必聴。(笑)
[2002/10/6追記]「Saint Beast 1st Party」のステージ上で歌ったときには、 またまた別パートバージョンだった。1回目と2回目は同じだったけれど。


Heaven's door [02.09.08掲載]

作詞峰倉かずや
作曲Apple Paint Cafe'
編曲Apple Paint Cafe'
共演石川英郎 (デュエット)
曲調アップテンポ、シリアス、中音域、ちょっとハードなポップ・ロック
収録 2002/3/29 私立荒磯高等学校生徒会執行部1 百花繚乱!球技大会 (ショートバージョン、OVAオープニング) (DVD)
2002/6/29 OVA私立荒磯高等学校生徒会執行部VOCAL&SOUNDTRACK
2002/6/29 OVA私立荒磯高等学校生徒会執行部VOCAL&SOUNDTRACK (original karaoke)
2002/7/26 私立荒磯高等学校生徒会執行部2 魑魅魍魎!幽霊騒動 (ショートバージョン、OVAオープニング) (DVD)
2007/6/22 執行部+WA LOVE×ALL
2012/7/25 執行部+WA WILD EXECUTION
備考「私立荒磯高等学校生徒会執行部」の久保田誠人(「WILD ADAPTER」と同一人物)としての曲。

OVAのオープニングテーマ。正当派ポップロック、といった感じかな。 聴きやすく、アレンジもメロディも声も、スパッと入り込んでくる感じがする。 曲のストレートさに合わせたのか、ふたりのヴォーカルもとても直球。 でもそれが単調だというわけではなく、聴いていて心地よい。 「オープニング」としては、印象的でいいのではないだろうか。
そのぶん、いわゆるアニソンテイストもあったりはする。 最近のアニソンは、アニメ本編とは関係なく、カッコいい曲が多いわけだが、 やはり視聴者層を考えてか、誰にでもわかりやすい作りになっている。 一種のカタルシスさえ感じる気持ちよさは、 「お約束」としての単純さを前提としているわけである。
決してけなしているわけではない。 ただ、荒磯の曲は、何重にもヒネったような曲が多いのに、 このOVAのオープニングとエンディングは、 ごくフツーの曲なところが、ある意味意外とも言えるのである。 ごく普通の作品の曲として聴いていれば、全然違うレビューだったかもしれない。
曲としては、適度にハードで適度にポップで、歌い方もメロディもカッコよく、 リードギターが前面に出たアレンジも、ハードロック好きにはたまらない。 歌詞もストレートで、前向きでパワフルで、聴いていると元気になってくる。 そういう意味では、言うことのない曲だが、 こういう曲は「荒磯」じゃない作品でももっともっと聴きたい(そして、 「荒磯」ではもっとヒネった曲が聴きたい)、と思ってしまうのは贅沢だろうか。


moment [02.07.07掲載]

作詞峰倉かずや
作曲Apple Paint Cafe'
編曲Apple Paint Cafe'
共演石川英郎 (デュエット)
曲調ミディアムテンポ、シリアス、高め、明るくてポップ
収録 2002/3/29 私立荒磯高等学校生徒会執行部1 百花繚乱!球技大会 (ショートバージョン、OVAエンディング) (DVD)
2002/6/29 OVA私立荒磯高等学校生徒会執行部VOCAL&SOUNDTRACK
2002/6/29 OVA私立荒磯高等学校生徒会執行部VOCAL&SOUNDTRACK (original karaoke)
2002/7/26 私立荒磯高等学校生徒会執行部2 魑魅魍魎!幽霊騒動 (ショートバージョン、OVAエンディング) (DVD)
2007/6/22 執行部+WA LOVE×ALL
2012/7/25 執行部+WA WILD EXECUTION
備考「私立荒磯高等学校生徒会執行部」の久保田誠人(「WILD ADAPTER」と同一人物)としての曲。

OVAのエンディングテーマ。 いきなり「エンディング」からレビューを書くのもどうかとは思ったのだが、 あまりにもびっくりしたので。
聴いたときの印象は、「チューリップ?」(ふっる〜(爆))。ビートルズというか、 ビートルズに影響を受けたバンドが作りそうな、明るくポップな曲、という感じ。 「荒磯」の曲は、硬派なイメージがあったので、このナンパさにびっくりしてしまった。 あ、いや、チューリップがナンパだとは…言ってるようなものか。
もちろん、チューリップ全盛期の頃に比べると、アレンジも今風だし、 オカズなんかも凝っているのは、カラオケバージョンを聴くとよくわかる。 カラオケだけでは、絶対にチューリップはイメージしないだろうと思う。 でも、メロディの関係か、森川智之のヴォーカルが姫野達也に、 石川英郎が財津和夫に重なるような気がする。歌詞も、 明るく若者っぽい言葉遣い(それも今どきの、ではなく、古き良き時代の)なところが、 そう感じさせる理由かもしれない。
サビはとてもシンプルで覚えやすい。 1回聴いただけで、カラオケに合わせて歌うことができるぐらい。 こういうところも、ビートルズっぽいところなんだろう。 森川さんのヴォーカルも、高めの声を使っていて、伸びる、という感じではないが、 とてもかわいらしい。少し舌足らずな歌い方が、これまたキュート。
他の「荒磯」のハードな作りの曲に比べると、 物足りないという印象を受ける人は多いのではないかと思うが、これはこれで、 ちょっとノスタルジックな雰囲気も含めて、魅力的な曲なのではないだろうか。


キャッチミー [02.04.28掲載]

作詞森川智之
作曲森川智之
編曲森川智之
共演檜山修之 (デュエット)
曲調スローテンポ、コミカル、ハイトーン……といいっていいのか…それに、演歌
収録 2002/4/24 森川智之と檜山修之のおまえらのためだろ!鰹 爆笑トークライヴ (ライヴ・バージョン) (DVD)
備考「おまえら娘」としての曲。

「おまえら娘」の持ち歌(?)が、何らかの媒体に収録されたのは、 「ルルルラララおまえら娘」に続いて、 2曲目である。
もともとは、1999/1/17の「おまえらのためだろ!」第9弾追加公演で、本公演で約束した 「1998年末の紅白歌合戦でどちらが勝つか」の罰ゲームとして作られたものを上映した、 「ミュージックビデオ」だった。1時間半で撮った、というもので、森川さん…もとい、 としこさんの歌に乗せて、のぶこさんが演じ踊る、というものだった。 歌詞をそのままなぞったようなシーンの連続だったけれど(笑)。 森川さんは、「うまくいけば来月ビデオが発売される」と言っていたが、 やっぱり発売されなかった(当たり前)。 このときには、曲のタイトルは明らかにされなかったが、 「おまえら讀本」に歌詞とともに紹介され、タイトルも判明する。
2002/2/10の「おまえらのためだろ!」で、 「バレンタインsong for you」として歌った(これがDVDに収録された)ときには、 としことのぶこがパートを分け合っている。 しかも、のぶこちゃんの踊りは健在、というサービス付き。
歌詞は、よくよく聞くと、意味深と取れなくもない。 メロディも、まるっきり演歌、というか、演歌のパロディ(歌詞もだな)。 伴奏もあるので、アレンジもある、ことになる。 というか、このアレンジ自体も、のど自慢大会かなんかのパロディなのか。
とにかく、今更驚くことも怖がることもない、という方は、是非DVDを。(爆)


STARS AND STRIPES [02.06.23掲載]

作詞里乃塚玲央
作曲渡部チェル
編曲渡部チェル
曲調ミディアムテンポ、コミカル、中音域、二枚目風アニソン
収録 2002/5/22 キン肉マンII世キャラクターソングコレクション 新世代正義超人の歌
2002/12/4 キン肉マンII世マッスルベスト
2008/4/9 キン肉マンII世The Perfect Collection
備考「キン肉マンII世」のテリー・ザ・キッドとしての曲。

初めて聴いたとき、思わず友だちに電話して、 「ねえ、テリー・ザ・キッドってファザコン?」と訊いてしまった(笑)。 返って来た答えはあっさりと、「うん」。ごめんなさい、アニメを観ないファンで。 あまり得意でないので観ていなかったのだが、テリー・ザ・キッドというのは、 カッコいいとこ担当だ、と勝手に思い込んでいたので、 最初何と言っているのかわからず、それが「パパ」の連発だと知ったときの驚き。
まあ、ある意味、子ども向けアニメのキャラクターソングなので、 そういう意識で聴いたほうがよさそう。全般的にコミカルな作りのキャラソン集なので、 他の曲と比べると、まだ二枚目「風」なだけ、いいのかもしれないが、 この曲だけ取り出して聴くと、ちょっとせつなくなるかもしれない。
一応、「いい男声」のキャラらしいので、そういう声で歌っているし、 二枚目声を作っていながらも、ちょっと裏返りかけるところとか、 森川さんらしさを感じさせてくれる。中音域ながら、張りのある上に響く声は健在。


三日月の夜 [02.06.09掲載]

作詞峰倉かずや
作曲西岡和哉
編曲西岡和哉
共演石川英郎 (デュエット)
曲調アップテンポ、シリアス、高め、ちょっとハードなポップス
収録 2002/5/25 私立荒磯高等学校生徒会執行部III
2003/9/26 久保×時SONGS! 私立荒磯高等学校生徒会執行部+WILD ADAPTER
2007/6/22 執行部+WA LOVE×ALL
2007/6/22 執行部+WA LOVE×ALL ('07mix)
2008/3/21 私立荒磯高等学校生徒会執行部+WILD ADAPTER LIVE GO THE LIMIT (ライヴ・バージョン) (DVD)
2008/3/21 私立荒磯高等学校生徒会執行部+WILD ADAPTER LIVE GO THE LIMIT (ライヴ・バージョン) (DVD)
2012/7/25 森川智之ディナーショー 冬の陽の暖かさに包まれて2012 in グランドプリンスホテル新高輪 飛天の間 (ライヴ・バージョン) (DVD)
2012/7/25 執行部+WA WILD EXECUTION
2013/1/23 私立荒磯高等学校生徒会執行部+WILD ADAPTER LIVE GO轟音ON (ライヴ・バージョン) (DVD)
2013/11/2 最遊記+WILD ADAPTER Dice&Guns (ライヴ・バージョン、昼の部) (DVD)
2013/11/2 最遊記+WILD ADAPTER Dice&Guns (ライヴ・バージョン、夜の部) (DVD)
備考「私立荒磯高等学校生徒会執行部」の久保田誠人(「WILD ADAPTER」と同一人物)としての曲。

原作者である作詞担当によれば、「今回のコンセプトはKinki Kids」らしいが (まあ、ふたりで歌うのにハモらずにユニゾンなのは、キンキテイストか)、 ちょっと声的にはかなりトウが立ってるような。でも匂い立つような少年の色香(爆)、 ではなく、セクシーさを垣間見せてくれる青年の魅力、とでもいうか。 あ、しまった、このふたり(役)は高校生なはずだった。
役で作っているときには思いもしないが、 こうやって「役ではない」声で歌っているのを聴くと、 石川くんより森川さんの声のほうがずっと高い、ということに気付かされる。 同じキーで同じメロディを歌っているので、 横も含めて全体的に広がる声と真上に抜ける声の違いがはっきりわかると思う。 綺麗な高めの声(抜けるようなハイトーンではないのがちょっと残念かな)が聴ける。 石川くんだって、かなり高い声で歌ってるんだけど(女性でも中音で出るキー)。 サビの裏声(ふたりとも)は、あの高さなら地声で張っても出そうな気がするので、 少しセンを細くしてセクシーに歌うために、 わざと裏にひっくり返しているのではないか、という感じがする。
メロディラインはそんなに難しくはない。 ひどく音域が広いわけではなく、微妙な音程があるわけでもなく。 メリハリもあるので、山が作りやすく、ポイントもしぼりやすい。 しかし、このテンポでこの「雰囲気」をキープしつつ歌うのは、 かなり歌い慣れていないと難しいだろうな、と思う。さすがにこのふたりだ。 聴きどころは、 あちこちにちりばめられた「Wow」と「Yeah」に混じる息の色っぽさか。
歌詞は、微妙な距離と、それを詰めようとするときの逡巡や葛藤を歌うラブソングで、 意味深なようでいてわかりやすい。 アレンジもハード過ぎず、適度に「カッコいい」作りで、聴き映えがする。 たぶん、このあたりのハードさは、好きな人が多いんじゃないかと思うので、 ポップな曲調が好きな人にはお勧め。


遙かなる時空を越えて [02.11.03掲載]

作詞田久保真見
作曲和泉一弥
編曲須藤賢一
共演ALL MEMBERS (合唱)
曲調スローテンポ、シリアス、中音域(たぶん)
収録 2002/5/29 ネオロマンス・フェスタ2in大阪 LIVE VIDEO (ライヴ・バージョン) (DVD)
2001/7/4 遙かなる時空の中で 八葉みさと異聞〜君恋ふる歌〜 [歌:三木眞一郎、関智一、高橋直純、宮田幸季、中原茂、井上和彦、保志総一朗、石田彰]
備考「アンジェリーク」シリーズのエルンストとして、だけれど、本来なら歌わないはずの曲。

もともとは、「遙かなる時空の中で」の八葉の曲。平安を舞台にしたゲームなので、 「漢字が多い」歌詞(笑)ですが、なかなか雅やかな雰囲気の佳曲です。
もちろん、森川さんはこのゲームには出演していないので、パートはないのですが、 「アンジェリーク」との合同イベントでのエンディングに使われ、 それに出演していた森川さんも、合唱に加わっていました。 オリジナルCDの音声が大きいので、あまりライヴ音声は聞こえません。 これも一応「歌って」はいるけれど、ということで。
白状すると、このレビューを書くために、 初めてきちんと観てみたのですが(今まで流し観だった)、フルコーラス入っていたので、 びっくりしました。エンディングテロップと重なってはいたけれど。 「QUESTION」のほうは、 最後が切れていたのに。


dog-end [02.07.21掲載]

作詞峰倉かずや
作曲西岡和哉
編曲西岡和哉
曲調ミディアムテンポ、シリアス、高め、せつなげなバラッド
収録 2002/6/29 OVA私立荒磯高等学校生徒会執行部VOCAL&SOUNDTRACK
2002/6/29 OVA私立荒磯高等学校生徒会執行部VOCAL&SOUNDTRACK (original karaoke)
2007/6/22 執行部+WA LOVE×ALL
2007/8/8 森川智之ディナーショー 冬の陽の暖かさに包まれて in 赤坂プリンスホテル (ライヴ・バージョン) (DVD)
2008/3/21 私立荒磯高等学校生徒会執行部+WILD ADAPTER LIVE GO THE LIMIT (ライヴ・バージョン) (DVD)
2012/7/25 執行部+WA WILD EXECUTION
2013/1/23 私立荒磯高等学校生徒会執行部+WILD ADAPTER LIVE GO轟音ON (ライヴ・バージョン) (DVD)
備考「私立荒磯高等学校生徒会執行部」の久保田誠人(「WILD ADAPTER」と同一人物)としての曲。

バラッドというにはテンポとリズムがある曲調だが、 久保田というキャラクターを考えているのか(でもこの調子だと「荒磯」というよりも、 「WILD ADAPTER」バージョンのほうのような感じもする)、 中途半端に不協和なメロディラインから、せつなさが伝わってくる。 単調なアレンジに組み合わされた細かいアクセントが、 雑踏にいながらも孤独感をぬぐえない、 ハードボイルドな雰囲気を強調しているようで、やっぱりせつない。 歌詞も、救われなさ抜群で、じっくりしっとり、味わってみたくなる。 ちなみに「dog-end」というのは、イギリスの俗語で「吸い殻」のこと。
森川さんのヴォーカルは、曲全体から漂ってくる、行き場のない孤独、 無意識に求める救い、そういうものを全部ひっくるめたせつなさを、 澄んだ高めの声で綺麗に表現している。 淡々と歌っているが、感情過多になりすぎないほうが、 突き放された思いを伝えられる、という例かもしれない。 ただ、ちょっと舌っ足らずの歌い方で、すがりつく感じは、 甘えたような雰囲気にも感じられる。悟りきって諦観しているのではなく、 どこかにある救いの手の存在を疑っていない無邪気さ。 絶望感すら感じさせる、厭世観たっぷりの歌詞からしても、歌い方にも、 もう少しアンニュイで「大人の色気」が感じられれば、曲にもぴったりだと思うのだが。 それだけがちょっと残念かな。
でももちろん、却ってその甘えたような感じに、 充分にドキドキさせられることも否定できない。 歌詞や曲の深刻さとはちょっと切り離して、その甘さにうっとりしてみるのも、 この曲の楽しみ方のひとつだろう。


The Very-Go-Round [02.08.25掲載]

作詞峰倉かずや・相田毅
作曲西岡和哉
編曲西岡和哉
共演石川英郎 (デュエット)
曲調ミディアムテンポ、シリアス、高め、ファンキー
収録 2002/6/29 OVA私立荒磯高等学校生徒会執行部VOCAL&SOUNDTRACK
2002/6/29 OVA私立荒磯高等学校生徒会執行部VOCAL&SOUNDTRACK (Dub-Piano Mix)
2002/6/29 OVA私立荒磯高等学校生徒会執行部VOCAL&SOUNDTRACK (original karaoke)
2007/6/22 執行部+WA LOVE×ALL
2008/3/21 私立荒磯高等学校生徒会執行部+WILD ADAPTER LIVE GO THE LIMIT (ライヴ・バージョン) (DVD)
2012/7/25 執行部+WA WILD EXECUTION
備考「私立荒磯高等学校生徒会執行部」の久保田誠人(「WILD ADAPTER」と同一人物)としての曲。

かなりリズム重視の曲。サビのパートは、メロディもはっきりあるのだが、 アレンジが不協和音をうまく使って、全体的にラップテイストに仕上がっている。
もちろん(?)、ラップのパートは石川英郎担当。石川くんは、 サントラにに収録されているソロ曲でも、華麗なラップを聴かせてくれている。 5人のラッパーが歌っている、という設定で、声を変えて重ね録りした、とのことで、 厚みのあるヴォーカルを堪能できる。これだけ重ねてあれば、ライヴでは無理、 というのも頷ける。あ、時任のソロ曲のレビューではなかったんだ。
森川さんのヴォーカルは、ちょっと高めの声を使っていて、張っている感じはないが、 かなりパワフル。綺麗に上に抜けていく響きにもかかわらず、ずんと重い音に聞こえる。 考えてみたら、久保田誠人としての曲も多くなってきたけれど、 それぞれが違った歌い方をしていて、同じ声の曲がないんじゃないか、とさえ思う。
歌詞は、じっくり読めば何かメッセージ性があるのかもしれないが、 ラップ特有の言葉遊びとサビのリプリーズの印象が強く、言葉が入って来ない。 単に音として聴いたほうがいいのかもしれない。言葉数が多いだけ、 「Scarface Groove PartII」のほうが、音としても面白い気がするが。 あ、時任のソロ曲の話ではなかったんだ。
Dub-Piano Mixは、ただでさえ単調にシェイプアップしていたアレンジを、 さらに極限まで音を減らした感じで、エキセントリックさを増している。 プログレッシヴ・ロックでも前衛的な音が好きだった人には、いいかもしれない。


僕たちのAnniversary [02.08.11掲載]

作詞森由里子
作曲飯塚昌明
編曲飯塚昌明
共演井上和彦、岩田光央、高橋直純、飛田展男、中原茂、保志総一朗、堀内賢雄、三木眞一郎 (合唱)
曲調アップテンポ、シリアス、中音域高め、ポップ
収録 2002/7/20 ネオロマンス・フェスタ〜僕たちのAnniversary〜
2002/7/20 ネオロマンス・フェスタ〜僕たちのAnniversary〜 (KARAOKE VERSION)
2002/10/23 ネオロマンス・フェスタ3 LIVE VIDEO (ライヴ・バージョン) (DVD)
2003/3/8 僕たちのAnniversary ネオロマンス・ライヴ2003 Spring Version 2003 SPRING VERSION
2003/3/8 僕たちのAnniversary ネオロマンス・ライヴ2003 Spring Version (KARAOKE VERSION)
2003/3/26 ネオロマンス・フェスタ4 LIVE VIDEO (ライヴ・バージョン) (DVD)
2003/3/26 ネオロマンス・フェスタ4in大阪 LIVE VIDEO (ライヴ・バージョン、抜粋) (DVD)
2003/6/25 ネオロマンス・ライヴ 2003 Spring LIVE VIDEO (ライヴ・バージョン) (DVD)
2003/10/8 ネオロマンス・フェスタ5 LIVE VIDEO (ライヴ・バージョン) (DVD)
2004/2/25 ネオロマンス・ライヴ 2003 Autumn LIVE VIDEO (横浜ライヴ・バージョン) (DVD)
2004/2/25 ネオロマンス・ライヴ 2003 Autumn LIVE VIDEO (大阪ライヴ・バージョン) (DVD)
2004/2/25 Burning Love ネオロマンス・ライヴ 2003 Autumn (ライヴ・バージョン)
2004/11/21 ネオロマンス・ライヴ 2004 Summer LIVE VIDEO (ライヴ・バージョン) (DVD)
2004/11/21 Miracle Beat Summer ネオロマンス・ライヴ 2004 Summer (ライヴ・バージョン)
2005/3/9 ネオロマンスSONG COLLECTION〜愛のリズムは終わらない〜
2005/3/23 ネオロマンス・フェスタ7 LIVE VIDEO (ライヴ・バージョン) (DVD)
2006/3/22 ネオロマンス・ライヴ 2005 Winter LIVE VIDEO (ライヴ・バージョン) (DVD)
2007/1/17 ネオロマンス・ライヴ 2006 Autumn LIVE VIDEO (ライヴ・バージョン) (DVD)
2007/5/23 LIVE VIDEO ネオロマンス・ライヴHOT!10 Countdonw Radio ROCKET★PUNCH! (R.P.バージョン) (ライヴ・バージョン) (DVD)
2007/12/19 ネオロマンス・フェスタ9 LIVE VIDEO (ライヴ・バージョン) (DVD)
2008/2/27 LIVE VIDEO ネオロマンス・ライヴHOT!10 Countdonw Radio II ROCKET★PUNCH! 2 (R.P.バージョン) (ライヴ・バージョン) (DVD)
2009/1/28 LIVE VIDEO ネオロマンス・ライヴ ROCKET★PUNCH! 3 (R.P.バージョン) (ライヴ・バージョン) (DVD)
2009/3/18 ネオロマンスSONG COLLECTION 2〜恋のビートはとまらない〜 2003 SPRING VERSION
2009/9/19 僕たちのAnniversary 15th 記念盤 15th VERSION
2009/9/19 僕たちのAnniversary 15th 記念盤 (KARAOKE VERSION)
2009/10/14 ネオロマンス・フレンズ 15th VERSION
2009/12/23 ネオロマンス15thアニバーサリー LIVE VIDEO 初回限定版 (ライヴ・バージョン) (DVD)
2010/6/23 LIVE VIDEO ネオロマンス・ライヴ ROCKET★PUNCH! 4 (R.P.4.Ver) (ライヴ・バージョン) (DVD)
2010/6/23 LIVE VIDEO ネオロマンス・ライヴ ROCKET★PUNCH! 4 (R.P.4.Ver) (ライヴ・バージョン) (DVD)
2011/2/23 ネオロマンス・イベント 10 Years Love LIVE VIDEO 初回限定版 (ライヴ・バージョン) (DVD)
2011/12/28 ネオロマンス・ライヴ 2011 Autumn LIVE VIDEO (ライヴ・バージョン) (DVD)
2014/3/26 ネオロマンス20thアニバーサリー・イヴ LIVE VIDEO (12/14ライヴ・バージョン) (DVD)
2014/3/26 ネオロマンス20thアニバーサリー・イヴ LIVE VIDEO (12/15ライヴ・バージョン) (DVD)
備考「アンジェリーク」シリーズのエルンストとしての曲。

同じコーエーのゲーム「遙かなる時空の中で」との合同イベント、 「ネオロマンス・フェスタ」のテーマソングとして作られた曲。 2002/7/20・21に開催された「ネオロマンス・フェスタ3」に、 両日出演の声優によって歌われている。販売も会場限定。
覚えやすいメロディラインと、盛り上げやすいサビ。 数回聴いただけで耳に残るので、前もって予習しておかなくても、 その場のノリで「みんなで合唱する」という意味では、かなり優れた曲だとは思うが、 歌詞も含めて、もう「アンジェリーク」とは何も関係ない。 「イベントの」テーマソングだから、それでいいといえばいいのだが。 歌詞カードのパートにも、キャラ名ではなく声優名が書かれているんだし。
9人の合唱だが、それぞれにほぼ均等にソロパートが用意されていて、 中でも森川さんは、パート的にもおいしい部分を担当している。 ひとりだけ、ロックっぽく歌い上げられるパートで、 歌っているほうも気持ちいいことだろう。イベントでも映えるし。 当然ながら(?)、まったくエルンストの声ではない。 コーラスパートでの声は聴き取りにくいので、一生懸命聴いてください。(笑)
[2003/7/27追記]追記を忘れていました。 「ネオロマンス・ライヴ2003 Spring Version」は、交代になったメンバーのパートを、 新しい人に差し替えただけ。なので、両方組は、パートも何も変わりません。 録り直しすら、してないんじゃないかなあ。
[2009/12/13追記]「15th VERSION」も、交代になったメンバーのパートの差し替えのみ。 継続メンバーはそのままの音源を使用している。


H2O [02.09.22掲載]

作詞森由里子
作曲坂下正俊
編曲坂下正俊
曲調アップテンポ、シリアス、中音域高め、ポップ
収録 2002/7/24 アンジェリークTwinコレクション3 ゼフェル&エルンスト (ビデオクリップ、ショートバージョン) (DVD)
2002/8/21 アンジェリーク Sunflower〜from Twinコレクション
2002/10/23 ネオロマンス・フェスタ3 LIVE VIDEO (ライヴ・バージョン、抜粋) (DVD)
2003/6/25 ネオロマンス・ライヴ 2003 Spring LIVE VIDEO (ライヴ・バージョン、抜粋) (DVD)
2003/10/8 ネオロマンス・フェスタ5 LIVE VIDEO (ライヴ・バージョン、抜粋) (DVD)
2004/11/21 ネオロマンス・ライヴ 2004 Summer LIVE VIDEO (ライヴ・バージョン、抜粋) (DVD)
2004/11/21 Miracle Beat Summer ネオロマンス・ライヴ 2004 Summer (ライヴ・バージョン)
2005/3/9 ネオロマンスSONG COLLECTION〜愛のリズムは終わらない〜
2005/3/23 ネオロマンス・フェスタ7 LIVE VIDEO (ライヴ・バージョン、抜粋) (DVD)
2011/2/23 ネオロマンス・イベント 10 Years Love LIVE VIDEO 初回限定版 (ライヴ・バージョン、ショートバージョン) (DVD)
2011/12/28 ネオロマンス・ライヴ 2011 Autumn LIVE VIDEO (ライヴ・バージョン) (DVD)
備考「アンジェリークトロワ」のエルンストとしての曲。

OVAに収録のバージョンは、ワンコーラスのみだが、 歌詞をモチーフとしたアニメが付いているミュージッククリップである。 ノートパソコンとハイウエイを運転する姿が、エルンストの、 というかこの曲のイメージなのだろうか。ずいぶん「アーバン」な雰囲気だが。
さらにOVAには、とても長いテーブル・トークが収録されていて、 この曲についても語っている。また、付属のブックレットにも、曲に対する想いなど、 興味深い話題がインタビューとして掲載されている。 もともとはOVAのために作った曲だから、というわけかもしれないが、 CDだけではこういった情報が欠落してしまうので、 ちょっともったいないかもしれない。
さて、それらのインタビューなどで、森川智之自身も、この曲は難しかった、 と語っている。理由は、「エルンストというキャラクターのイメージではないこと」。 もちろん、独立した曲としては、世界を作りやすいし、 メロディラインも歌詞の雰囲気に合った佳曲だと思うが、 確かに、ゲームの彼と直結できるか、というと、ちょっと違うかもしれない。 彼に限らず、そういう型にはまらない魅力を見いだしていこう、 という趣旨だと理解しているので、それはそれでいいのでは、とは思うのだが。 キャラクターを意識しながら歌う側にとってみれば、そうはいかないのだろう。
というわけで、私は歌う側ではないので(笑)、そういうしがらみを忘れて、 単なる曲として見ることにする。
ひと言で言うと、「せつない」。 歌詞もメロディラインも、歌い方も、ストレートに「せつなさ」を表現している。 胸にいっぱいつまった想いがついこぼれてしまった、という感じの「I miss you」など、 ぎゅっと心臓をわしづかみにされた感じを抱いたファンも、 少なくないのではないだろうか。「ネオロマンス・フェスタ3」のステージ上では、 これにさらに振りなども付いたので、そのまま持って行かれた人も多いに違いない。
歌声はエルンストを意識したのか、あまりハイトーンではないが、 それが却って抑えつけた気持ちを感じさせる。 ちょっと洒落たアレンジが、夕暮れのアーバンな街並みを思わせるのは、 ミュージッククリップの先入観だけではないように思う。 おしゃれな都会のラブストーリーを描いた映画などがお好みの人には是非お勧めしたい、 映像が目に浮かぶ1曲。
[2002/11/3追記]「ネオロマンス・フェスタ3」のライヴビデオには、 ちゃんと収録はされているが、クレジットに曲名が出ていない。 「オープニングソングPart2」の後半3分強がそうなので、 裏だけ眺めてがっかりした人も、再度挑戦してみて。


炎の十字架〜ブラッディクロス〜 [02.10.06掲載]

作詞暮須華里依
作曲羽場仁志
編曲坂下正俊
曲調アップテンポ、シリアス、高めの中音域からハイトーン、ロック
収録 2002/9/25 Saint Beast 四聖獣 ヴォーカル&ドラマアルバム
2005/1/28 セイント・ビースト イベントDVD ケダモノたちの聖なる宴 コンプリート版 (ライヴバージョン) (DVD)
2005/5/25 Saint Best Lost.1/Vocal Best of the Saint Beast
2007/6/15 セイント・ビースト イベントDVD 4th Party (ライヴバージョン) (DVD)
2007/8/8 森川智之ディナーショー 冬の陽の暖かさに包まれて in 赤坂プリンスホテル (ライヴ・バージョン) (DVD)
備考「四聖獣〜セイント・ビースト」のひとり、青龍のゴウとしての曲。

森川さんのハイトーンと、ストレートなロックテイストがとてもうれしい。 オーソドックスな構成だが、ギターのリフをきかせたアレンジと、 インパクトの強いサビのメロディラインが、 かなりハードでタイトな雰囲気を作り出している。歌詞もソリッドな感じで、 キャラクターデザインが変わった後のイメージに近いように思う。
森川さんの声も硬質で、ずいぶん若く感じる。 たぶん、キーがかなり高く、上に開いた声で歌っているからだろう。 それでいながらちゃんとゴウらしく(?)、聞かせる「いい声」になっているところは、 若さだけでなく、リーダーとしての落ち着き(ゴウにあるのか!?)も出ていて、 年輪ともいえるだろうか(本当?(笑))。 突き抜けるハイトーンとシャウトしても濁らない澄んだヴォーカルの魅力が全開。 特に聴きどころは、 ステージ上のロック・ヴォーカリストの姿をありありと脳裏にイメージできる、 エンディングの底知れぬ高音のシャウト以外には考えられない。
数年前まではこのタイプの曲も多かったけれど、 最近はシブくヒネった曲が増えてきているので(流行か、年齢か?)、 このストレートさは懐かしくも貴重かもしれない。 「あの頃の曲を今歌うとどうなるのかな」という興味を満たすためのイメージングには、 かなり有効な拠り所となるだろう。ますますソロアルバムが楽しみ。


涙からはじめよう [02.10.20掲載]

作詞森川智之
作曲森川智之
編曲広瀬充寿
共演檜山修之 (デュエット)
曲調スローテンポ、シリアス、上から下まで広音域、バラッド
収録 2002/10/2 森川智之と檜山修之のおまえらのためだろ! 公式シングル(CCCD)
2002/10/2 森川智之と檜山修之のおまえらのためだろ! 公式シングル(CCCD) (Off vocal)
2003/2/19 森川智之と檜山修之のおまえらのためだろ!デラックス鯛 爆笑トークライヴ (ライヴ・バージョン) (DVD)
2004/1/28 森川智之と檜山修之のおまえらのためだろ!鯖 爆笑トークライヴ (ライヴ・バージョン) (DVD)
2005/8/24 森川智之と檜山修之のおまえらのためだろ!コノ鮹ガッ! 爆笑トークライヴ (コント・バージョン) (DVD)
備考「おまえらのためだろ!」挿入歌。

初めて歌い出しを聴いたとき、どうしてこんなに低いキーで歌うんだろう、 どうせ自分たちの歌なのだから、自分たちのキーに合わせてキーを変えればいいのに、 と思った。聴き進むうち、変えられないことがわかった。 最後のほうは、充分に高すぎるのである。まともに歌えないくらい。 歌い出しからの抑えた90%は、最後のこれのためにあったのね、という感じ。 小田和正が「緑の日々」のソロバージョンの最後で叫んだときを思い出した。 あれはあれなりに、インパクトがあってよかったのだが。さすがに本職だし。
初めて聴いたのが、「おまえらのためだろ!」のステージ上だったが、 そのときには生だからなんだろうな、まだ歌い慣れていないんだろうな、 スタジオ録音は見違えるほどしっかりとしているに違いない、と思ったものだ。 そして、待ちに待ったスタジオ録音版は、無理してるな、という印象は多少は薄れたが、 それでもかなり微妙。録音するまで、いったいどれぐらい歌い込んだのだろう? ふたりとも、もっと歌える人だと思うのに。
悪い曲だとは言わない。歌詞も、細かい言葉遣いなどは納得がいかないところもあるが、 全体的なコンセプトは、つらいときに元気をもらえる感じで、「おまえら」にぴったり。 「待ってるよ」が全体的にポジティブなのと好対照で、 ネガティブな部分も認めたうえでの、素敵な応援ソングである。 限界があるのだろうか、と思わせてくれるほど音域の広い歌手が歌えば、 感動で涙が出るほど、素晴らしい歌だったかもしれない。 作ってもらったのではない、自分で作る曲なんだから、歌を合わせるのが無理なら、 曲のほうを合わせればよかったのに。無念。
たぶん、「歌」に期待して聴いた人は、 あまりOff Vocalバージョンは聴いていないかもしれないが、実はこれがとても面白い。 歌があると歌に耳が行って隠れてしまう、 ピアノやストリングスなどのアレンジやギターリフが印象的に耳に残り、心地よい。 「マイナスワン」としてではなく、それだけで完成したインストルメンタルの曲として、 充分に鑑賞に堪える出来である。 ちょっとでも「もっと期待していたのに」と思った人には、 是非ともOff Vocalを聴いてみることを勧める。きっとこの曲を見直すだろう。 森川智之ファンとしては、それがうれしいことかどうかは別として。


ありのまま、君のまま [03.04.13掲載]

作詞森由里子
作曲勝又隆一
編曲勝又隆一
共演冬馬由美 (デュエット)
曲調アップテンポ、シリアス、中音域低め、ポップ
収録 2002/12/18 アンジェリーク〜LOVE CALL〜
2007/3/28 ネオロマンス・フェスタ アンジェ舞踏会(パーティ) LIVE VIDEO (ライヴ・バージョン、抜粋) (DVD)
2008/12/3 ネオロマンスDuet+ アンジェリーク
備考「アンジェリークトロワ」のエルンストとしての曲。

データの提供者と分析者、 協力者どうし理解し合って仲の良いところを見せてくれていたふたりのデュエットは、 メルが成長したトロワになって初めて実現。 子どもの頃のメルとのデュエットも聴いてみたかったような気も。 もっと可愛らしい曲になっていたのかな。でも、悩むメルをエルンストが励ます、 という歌詞は、子どもの頃のメルとエルンストの姿も重なって見える。 それだけでなく、聴いている人たちをも直接力づける内容になっているところなど、 きちんと読むとかなり深い素敵な内容。
サビのデュエットの副旋律は、単純なハーモニーではなく、主旋律とつかず離れずの、 面白い和声で進んでいく。 全部が森川さんが主旋律、冬馬さんが副旋律なのが、ちょっと残念。 反対の組み合わせのデュエットも聴きたかった。声の強さでそうなったのかな。 森川さんの声なら、男声とはいえ、このやわらかさとソリッドさが共存した副旋律も、 ちゃんと歌えたと思うんだけど。
メロディを含め、全体的にオーソドックスな作りながら、 古いラジオを通したようなエフェクトのかかった声を使ったりしたアレンジなど、 そこここに気になるポイントも多く、ぱっと聴いた感じでは地味だが、 歌詞を含めて聴き込むと、なかなかの佳曲だとわかる。 冬馬さんの声も綺麗に澄んでいて耳に付くところもなく、嫌味がない。 パワフルに主張し合うのではなく、おだやかにお互いを立て合うデュエット、 という感じ。メルとエルンストのやさしい関係そのまま、といったところか。
サビでほんのちょっと、裏声が聴ける。 同じメロディの同じ部分は全部裏声だが、「正直で」の「で」がいちばん好き。 でも、いちばんドキドキしたのは、聴き始めて最初に耳に飛び込んで来る、 イントロのハミングとスキャットだったりして(笑)。 エンディングにもあるけど、やっぱりイントロがインパクトがあった。


零唄〜Love song [03.10.26掲載]

作詞峰倉かずや
作曲西岡和哉
編曲西岡和哉
共演石川英郎 (デュエット)
曲調ミディアムテンポ、シリアス、高め、かなりファンキー
収録 2002/12/21 WILD ADAPTER 02
2003/9/26 久保×時SONGS! 私立荒磯高等学校生徒会執行部+WILD ADAPTER
2007/6/22 執行部+WA LOVE×ALL
2007/6/22 執行部+WA LOVE×ALL ('07mix)
2008/3/21 私立荒磯高等学校生徒会執行部+WILD ADAPTER LIVE GO THE LIMIT (ライヴ・バージョン) (DVD)
2012/7/25 執行部+WA WILD EXECUTION
2013/1/23 私立荒磯高等学校生徒会執行部+WILD ADAPTER LIVE GO轟音ON (ライヴ・バージョン) (DVD)
2013/11/2 最遊記+WILD ADAPTER Dice&Guns (ライヴ・バージョン、昼の部) (DVD)
2013/11/2 最遊記+WILD ADAPTER Dice&Guns (ライヴ・バージョン、夜の部) (DVD)
備考「WILD ADAPTER」の久保田誠人(「私立荒磯高等学校生徒会執行部」と同一人物)としての曲。

これはまた、前衛的な音を使ったアレンジだ。さすが西岡和哉。
アレンジはかなりラップテイストが強いが、歌自体はラップではない。 ちゃんとメロディはあるし、符割りもあるし、わざと単調なリズムを繰り返して、 テイストをアレンジのラップと合わせてはあるが、ごく普通の曲。
ソロパートでは中央に位置しているので、意図的だと思うのだが、コーラス部分では、 ふたりの声をはっきり左右に分けている。同じメロディを歌っているのに、 常に平行に動くハーモニーを聴いているような錯覚を覚えるのは、 執拗にメロディを追いかけるギターの弦の音のせいだろうか。声自体も、 響きの方向が違うので、溶け合う感じではないのだが、その違いが生じさせる距離が、 ラップテイストのアレンジに乗ることによって不安定さを増し、さらに心地よい。 同じユニゾンでも「三日月の夜」では、 声を混ぜ合わせた感じだったのに。歌い方のせいか、ミキシングのせいなのか。
歌詞も言葉遊びの部分が多く、わざと韻を踏んだ響きを選んだり、 メロディに乗せることで他の国の言葉に聞こえるようだったり。 ちゃんと読めば、なんだかせつなくも魅力的な世界がありそうなのだが、 それより先に、「音」としての言葉のほうが入ってきてしまって、 全体を流れとしてとらえるのに苦労する感じ。 これだけラップを意識していれば、それもまた魅力的ではあるが、 ちゃんと入り込めばずっしりと「WILD ADAPTER」の世界を満喫できそうなのに、 そこまで到達するには、かなり聴き込まないと難しそう。
森川さんのヴォーカルは、意外にセンが細い。少し高めの伸びる声が綺麗に響く。 やわらかくやさしい声でシャープな言葉を紡ぎ出されることの違和感も、 きっとこの曲の持つ心地よい不安定さの一部なんだろう。
派手でないため、注目されにくそうな曲だが、ハマり込むと癖になりそう。


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