作詞 | 尾崎雪絵 |
---|---|
作曲 | 飯塚昌明 |
編曲 | 飯塚昌明 |
共演 | 立木文彦 (デュエット) |
曲調 | アップテンポ、シリアス、中音域高め、ポップス |
収録 |
2004/1/21 Two my self 2004/3/31 2HEARTS 1st LIVE DVD (ライヴ・バージョン) (DVD) 2005/11/23 LIVE VIDEO The "GAMBARE" Live〜元気になりに来い!〜 (ライヴ・バージョン) (DVD) 2007/8/1 Brand-New Future〜2HEARTS BEST ALBUM〜 2008/2/27 LIVE VIDEO ネオロマンス・ライヴHOT!10 Countdonw Radio II ROCKET★PUNCH! 2 (ライヴ・バージョン) (DVD) |
備考 | 「2HEARTS」(立木文彦とのユニット)としての曲。 |
応援歌を歌うユニット、2HEARTSとして最初に発表された曲。
1stアルバムの発売は2004/1/21だが、「ネオロマンスParadise Cure!」という、
コーエーのネオロマンスゲームを題材にしたラジオ番組で、
2003/10〜2004/1に、オープニングとして使われていた。
イントロのオリエンタルサウンド(シタール風?)から、
ちょっと洒落たアレンジの、小粋な曲なのかと思ったら、なんのなんの。
とてもストレートで、てらいも何もない、純粋なポップス。
メロディからサビに持っていく展開が、お約束だけれど、これでもか、
というぐらいに高揚感を煽り、前を、というよりも、上を見上げたくなる感じ。
このアルバムの全曲(「夢のありか」を除く)の歌詞を書いた作詞家は、
とても素直で無理のない、それでいて印象的な詞を書く人だ。
この曲も、飾らない普通の言葉だが、とても力強い。
それがメロディラインやアレンジと相俟って、素晴らしい応援歌に仕上がっている。
2HEARTSのスタートにも、とてもふさわしい曲と言えるだろう。
森川さんも、「元気が出るから」この曲がいちばん好きだ、と言っていた。
この曲を聴けば、涸れることない元気の泉の前にいる気分を、きっと味わえるはず。
元気が欲しいときには、是非試してみることをお勧めする。
作詞 | 尾崎雪絵 |
---|---|
作曲 | 飯塚昌明 |
編曲 | 飯塚昌明 |
共演 | 立木文彦 (デュエット) |
曲調 | ミディアムテンポ、シリアス、中音域高め、ポップス |
収録 |
2004/1/21 Two my self 2007/8/1 Brand-New Future〜2HEARTS BEST ALBUM〜 |
備考 | 「2HEARTS」(立木文彦とのユニット)としての曲。 |
「ネオロマンスParadise Cure!」という、
コーエーのネオロマンスゲームを題材にしたラジオ番組で、
2003/1にエンディング曲として使われていた、1stアルバムのタイトルソング。
「H.P.D.-happy days-」が、
あふれる元気の泉から元気をもらう曲だとすれば、この曲は、
自分の中に隠れていた元気に気付かせてくれる曲、のような気がする。
自分の中からふつふつと湧いてくる元気と勇気。
そういう意味では、私としては、この曲を、真の「応援歌」として推したい。
森川さんとしては、これぐらいのテンポの曲は、キャラソンを除いては、
あまり自分の守備範囲にはなかったのではないだろうか。
もっとアップテンポか、もっとバラッドが、もっとアンニュイか。
ちょっと歌いにくそうな様子は否定できないが、力強く歌い上げてくれる。
いつものちょっと甘えた感じは微塵もなく、本当に「イイ声」だ。
サビのコーラスはとても厚い。全部、ふたりで重ねて録音したそうだ。
森川さんの綺麗なハイトーンのコーラスに耳を済ますのも、この曲の楽しみのひとつ。
もちろん、「You and me」の「me」は言わずもがな。
ギターのツインリードの音が、大好きだったオフコース(5人の頃)の音と重なる。
ツインリード好きにはたまらない。オーソドックスなアレンジも安心感を増し、
ちょっとノスタルジックな想いもからめつつ、居心地良く聴ける。
飯塚さん、今度は、Wishbone Ashで、是非。(おいおい)
自分の中の勇気を見つけ、静かな決意を秘めて顔を上げると、そこには、
青空をバックに覗き込むふたりの笑顔。うわー、なんか、ベタベタやん。(笑)
作詞 | 尾崎雪絵 |
---|---|
作曲 | 飯塚昌明 |
編曲 | 飯塚昌明 |
共演 | 立木文彦 (デュエット) |
曲調 | アップテンポ、シリアス、中音域高め、ポップス |
収録 |
2004/1/21 Two my self 2004/3/31 EVER FREE (cm ver.) 2004/3/31 EVER FREE (musou ver.) 2004/3/31 2HEARTS 1st LIVE DVD (ライヴ・バージョン) (DVD) 2005/11/23 LIVE VIDEO The "GAMBARE" Live〜元気になりに来い!〜 (ライヴ・バージョン) (DVD) 2007/8/1 Brand-New Future〜2HEARTS BEST ALBUM〜 (live ver.) 2007/8/1 Brand-New Future〜2HEARTS BEST ALBUM〜 (musou ver.) 2010/2/10 2HEARTS 2nd LIVE "BLUE STEEL KNIGHT" DVD (ライヴ・バージョン) (DVD) |
備考 | 「2HEARTS」(立木文彦とのユニット)としての曲。 |
2004年3月発売の「真・三國無双3 Empires」のイメージソングとなり、
CM等でも流れる…らしい。(2004/3/3から放映なので、まだ目撃経験なし)
イントロ前の効果音は、ニューヨークの雑踏らしいが、たぶんそれよりも、
意識していないと聴き逃してしまいそうな、「EVER FREE」のほうに耳を奪われる。
ヘッドフォンで聴くと、耳の中にささやかれたような感じで、
ちょっとドキドキしてしまう(笑)。こういうところは、ライヴでは味わえない魅力。
アルバムの中では、あっさり録音できた曲、とのこと。確かに、
いろいろと工夫をこらすよりも、ストレートにノリで歌い上げるのに向いた曲である。
確かにライヴ向きだ。曲の展開とか、間奏のギターソロとか、歌詞のさわやかさとか、
パワフルな張りのあるヴォーカルとか、細かく言及してもいいのだが、
そんなことを考えずに、とにかく聴いて気持ち良くなろう、と言いたくなる。
心を開いて空高く羽ばたく曲だから、
広々とした世界を自由に飛び回る心地良さを存分に堪能できる。
たぶん、「H.P.D.-happy days-」で見上げた空には、
この「EVER FREE」があるんだよ。(←使い方を間違っているような…)
ライヴでは、エンディング前に、ふたりで見事なシャウトを決めてくれた。
特に森川さんのハイトーンシャウトは素晴らしい。
録音では聴けないのが残念だが、ライヴのお楽しみということで。
作詞 | 尾崎雪絵 |
---|---|
作曲 | 飯塚昌明 |
編曲 | 飯塚昌明 |
共演 | 立木文彦 (デュエット) |
曲調 | スローテンポ、シリアス、中音域から高音域、ちょっとバラッド |
収録 |
2004/1/21 Two my self 2004/3/31 2HEARTS 1st LIVE DVD (ライヴ・バージョン) (DVD) |
備考 | 「2HEARTS」(立木文彦とのユニット)としての曲。 |
最初に立木・森川のユニットの話を聞いたときには、
「夢のありか」のイメージからか、
バラッド系で歌い上げる曲が中心になるのかと思っていたのだが、
実際に発表されてみたら、アップテンポな元気ソングを歌う応援歌ユニットだった。
この曲は、その中で唯一、最初イメージしていたようなバラッドである。
静かなメロディに熱い想いを込めた歌詞で、
これでもかというぐらい、乙女心をわしづかみにしてくれる。
アルバム唯一のラブソングというポジションを恣にしているようだ(笑)。
他の曲も、間接的にはラブソングでもあるのかもしれないが、
明確に「愛」を打ち出しているぶん、陶酔に身を任せやすい。
サビのハーモニーが、ひとりひとりの声を際立ていて、厚みを増すコーラスではなく、
対等にふたつの声が混じり合う感じ。響き方の違う声でありながら、
補い合い、主張し合う。これこそがデュエットの醍醐味でもある。
森川さんの声も、明るいばかりではなく、
甘えと、その甘えが受け容れられることがわかっている安心感、
負けないほどの愛を与えられる自信とやさしさを込め、少し切なく、少し哀しげで、
とても心安らかである。綺麗に上に響くハイトーンも聴ける。
立木さんのお気に入りでもあり、「2HEARTSのことを歌った歌」とまで言わしめたほど。
歌詞の内容よりも、「パートナー」という語感からだろうと思うが。
ウェディングソングにも最適(!?)で、結婚式に呼ばれたらアコギで歌いに行きますよ、
と言っていたが、その様子が容易にイメージできる。
ふたりがこの曲を感動的に聴かせるぐらいのギターが弾けるかどうか、は別として。
作詞 | 尾崎雪絵 |
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作曲 | 飯塚昌明 |
編曲 | 飯塚昌明 |
共演 | 立木文彦 (デュエット) |
曲調 | スローテンポ、シリアス、中音域中心、ジャズテイスト |
収録 |
2004/1/21 Two my self 2005/11/23 LIVE VIDEO The "GAMBARE" Live〜元気になりに来い!〜 (ライヴ・バージョン) (DVD) 2008/2/27 LIVE VIDEO ネオロマンス・ライヴHOT!10 Countdonw Radio II ROCKET★PUNCH! 2 (ライヴ・バージョン) (DVD) |
備考 | 「2HEARTS」(立木文彦とのユニット)としての曲。 |
この曲の魅力はひと言で言うと、ゾクゾクするぐらいの、充満する色気。(笑)
歌詞は全然色っぽくなく、挫折と絶望から、希望と生きる糧を探す歌である。
だが、そのアンニュイで投げやりな声も歌い方も、どこか硬くシャープで、
喩えていえば、薄暗い部屋で、ベッドから半身を起こした男に、
鋭い光を宿した視線で見つめられているような、
怖いけれど美しさに目を離せない恍惚感に近い。(なんのこっちゃ)
同じメロディのはずなのに、立木さんと森川さんでは、歌っているメロディが違う。
楽譜に書かれたメロディを、一度自分の中に取り込んで、
「自分の歌」としてアウトプットするのが、ヴォーカリストの腕ともいえる。
楽譜どおりではない、ちょっと自分なりのアレンジを入れた歌い方。
ジャズテイストの強い曲を難なく歌いこなす立木さんに、
森川さんはよくついて行っている、という感じがする。
立木さんの声って、古いラジオのようなエフェクトをかけると、幻想的だ。
男くささが抜けるからかな。エンディングのスキャットは、そうきたか、という感じ。
声を楽器のように使うタイプのヴォーカリストが好きなのだが、これも素敵だ。
森川さんのハイトーンシャウトとはまた別の、ソウルフルな魅力である。
ギターも、他の曲の切り裂くように外に開いた音ではなく、こもり気味のゆらいだ音で、
ジャズピアノの踊るようなシャープさと好対照をなしている。曲の雰囲気は、
「Blue Blue my love lullaby」と通じるものがある。
約10年前の曲だが、森川さんのヴォーカルも、当時の背伸びしていた「渋さ」と比べて、
肩の力が抜け、自然で、自信を持つ者だけが見せられる、ほどよい甘えも魅力的だ。
全体的に、退廃的な色気を漂わせ、とても「元気いっぱい」などとは言えないのに、
それでも力強く前向きである。
そう、きっと空高く、「EVER FREE」に到達できる。
(←もう既に楽園扱い)
作詞 | 峰倉かずや |
---|---|
作曲 | 西岡和哉 |
編曲 | 西岡和哉 |
共演 | 石川英郎 (デュエット) |
曲調 | スローテンポ、シリアス、高音域、バラッド |
収録 |
2004/2/25 WILD ADAPTER 03 2007/6/22 執行部+WA LOVE×ALL 2008/3/21 私立荒磯高等学校生徒会執行部+WILD ADAPTER LIVE GO THE LIMIT (ライヴ・バージョン) (DVD) 2012/7/25 執行部+WA WILD EXECUTION 2013/1/23 私立荒磯高等学校生徒会執行部+WILD ADAPTER LIVE GO轟音ON (ライヴ・バージョン) (DVD) 2013/11/2 最遊記+WILD ADAPTER Dice&Guns (ライヴ・バージョン) (DVD) |
備考 | 「WILD ADAPTER」の久保田誠人(「私立荒磯高等学校生徒会執行部」と同一人物)としての曲。 |
層を成す歌声。同じキーで同じメロディなのに、上に伸びる声と横に広がる声。
細くはかなげで守らずにいられない久保ちゃんと、力強く包み込むような時任。
あれ? どっか違うような?(笑)
久保時としては、初めてのスローテンポ・バラッドである。ラップに始まり、
キャラソンとは思えないクォリティの曲を提供し続けてくれたこのシリーズが、
アイドルポップスも経て、毎回「次は」という期待に、見事に応えてくれている。
相変わらず全体的にクォリティは高いが、このラインナップに入ったから際立つだけで、
曲としては「普通のバラッド」ではある。ただ、作品世界を踏まえたうえで聴けば、
いろいろと想いを馳せるポイントがある、というだけでなく、
まったく作品を知らずに聴いても、純粋に完成度の高い曲として楽しめる。
普通はどちらかに倒れてしまうものだけれど(知らない人にはちんぷんかんぷんか、
作品置いてけぼりか)。原作者の作詞、ということもあるのだろう。
作品世界をいちばん知っているのは、原作者のはずだから。でも、補作詞が付かずに、
独りよがりにならず観念的にもなりすぎない詞を書ける、というのも、
曲としてのクォリティを高めている要因のひとつだろう。
アコースティックギターのフレーズで始まり、同じフレーズで終わる。
ループで聴いていると、つなげたくなるような感じ(笑)。メロディは、
注意深く音を追ってみるとわかるが、最初から最後まで1オクターブにおさまっている。
半音も使わず、8音だけ表現されていて、
サビなどは、ほとんど5音だけでできている(「ちょうちょ」と同じ)。
声の幅が広いふたりだけに、音域に頼ったメロディもアリだろう、と思うが、
あえて狭い音域と少ない音で曲を作ることで、落ち着いた感じが出ることも否めない。
それでいながら、コードと不協和な旋律で、単調に感じさせないのも、さすがだ。
でもやっぱり、聴きどころは、はかなげな久保ちゃんと力強い時任…。(爆)
作詞 | あきづきかおる |
---|---|
作曲 | 牧野幸介・あきづきかおる |
編曲 | あきづきかおる |
曲調 | スローテンポ、シリアス、中音域から高め、ニューミュージック!? |
収録 |
2004/2/27 PREMIERE-プレミア- 春を抱いていたSPECIAL |
備考 | 「春を抱いていた」の岩城京介としての曲。 |
80年代ぐらいのニューミュージック風味。というか、
当時のシンガーソングライターに曲を書いてもらったアイドルの曲を彷彿とさせる。
どこが、ということはないのだが、歌詞もメロディもアレンジも、全体的に、
20年前ぐらいに流行っていた雰囲気。
そういう意味では、ノスタルジックではあるが、今を生きるというよりも、
過去の青春時代を思い出して、楽しかった日々を振り返っている感じ。
当時の、フォークからの流れのシンガーソングライターたちは、音楽的には素人が多く、
メッセージ性とハート&ソウルで自己主張している人が大部分だったので、
シンプルで、てらいがない。「音」を作るのではなく、「歌」を作る人たちだったから。
ヒットして、コマーシャルに乗っても、それを生かすアレンジが多く用いられたため、
飾り気がない曲が多い。この曲も、メロディもアレンジもとてもシンプル。
予想したとおりに展開するメロディラインとコード進行、お約束のようなコーラス。
それがいけないというのではなく、そのぶん安心感もある。
森川さんの声は、岩城を意識したのか、ずいぶん抑えめで、上に開いた響きがない。
ヴォーカリストとしても、追いやすいメロディラインもはっきりあるので、
歌いやすかっただろうと思うが、そのシンプルさゆえに、表面的ではない、
歌い手の内面を伝えるだけの歌唱力も要求されるので、却って難しい面もあるはず。
そういう意味では、森川さんの歌い方は、もうちょっと感情が見えてもいいと思う。
でも、たぶん、真実の愛を手に入れたことを受け容れた後の、
「穏やかな気持ち」で歌っている、ということなんだろうな。
個人的な好みとしては、もう少し強さが欲しい気がしないでもないが。
しかし、こんなにわかりやすいメロディラインで、凝ったオカズもないにもかかわらず、
符割りが不自然なところがあるので、歌詞がすっと入って来ないのが残念だ。
こんなところまで、当時のテイストを再現しなくてもいいのに。
特に難しい言葉を使っているわけでもなく、素直な言葉ばかりなので、
歌詞カードを読めば、しっとりした落ち着きのある、やわらかい風景が見える。
作品から離れても、やさしく穏やかな、聴きやすい曲であることは確か。
なんか、最近の楽曲はある程度以上のレベルのものばかりだからか、
期待と要求がどんどん高くなっている、という自戒もこめて。
作詞 | 上野浩司 |
---|---|
作曲 | 上野浩司 |
編曲 | 上野浩司 |
共演 | 三木眞一郎 (デュエット) |
曲調 | ミディアムテンポ、シリアス、高音域、歌謡曲 |
収録 |
2004/2/27 PREMIERE-プレミア- 春を抱いていたSPECIAL |
備考 | 「春を抱いていた」の岩城京介としての曲。 |
なんか、声が全然岩城じゃないような気もするけど、
そのほうが三木さんの声と親和性が高いから、いっか。たぶんドラマとかだと、
コントラストがはっきりしたほうが、キャラが際立ってバランスがいいが、
ハーモニーは、声のトーンが似ているほうが絶対に綺麗に聞こえる。
とにかくハーモニーが綺麗だ。ふたりともセンの細い澄んだ声で、高めに響かせている。
三木さんも、横に広がらず、上に抜ける声なんだなあ。
メロディパートは、1コーラス目と2コーラス目で、ソロパートを交換、
デュエットパートは主旋律とコーラスを完璧に逆転している。
サビは、ドラマでの声のトーンをそのままにするかのように、
ちょっと甘えて明るい三木さんの声に、少し落ち着いた森川さんの声が下からからむ。
でも、そんなことはどうでもいい。
どっちが、なんて意識してないとわからないくらい、綺麗に混じり合っている。
森川さんお得意の、ちょっと高めの甘えたトーンがそこここに聞こえて、ドキドキ。
三木さんも、少し子どもっぽいキャラをやるときに見せる甘えがそのままで、
そんなところまで同じトーンなんだ、と、ある意味感動した。
こんなふたりが、お互いに甘えあってると思えれば、きっとたまらないんだろうな…。
私としては、こういう甘えは、自分に向けられるとそのままバッタリなんだが。(笑)
歌詞もメロディもそれなりにいいんだけど、綺麗な言葉や旋律をそつなく並べたような、
上すべりな印象を受けるかもしれない。マイナス要素があるわけではないので、
贅沢な意見なのは百も承知。たぶん何か琴線に触れるフレーズがあったり、
何かのシチュエイションと重ねたりすると、すごくぐっとくるのではないかと思う。
でも、ハーモニーがあまりに綺麗すぎて、ハーモニー抜きでこの曲を語れない感じ。
ということは、生でこの曲を聴くのは、ほとんど絶望的だろうか。
このハーモニーをステージの上で再現するのは、
かなりの歌唱力と慣れと練習が必要なはず。歌のプロではないから、しかたないか。
でも、これもなんか、10年ぐらい前の曲のイメージが…。プロデューサーの好みかな。
三木さんのソロ曲も、中森明菜あたりの歌謡曲風味だったりするし。
作詞 | 暮須華里依 |
---|---|
作曲 | 樫原伸彦 |
編曲 | 樫原伸彦 |
曲調 | ミディアムテンポ、シリアス、中音域、ロック |
収録 |
2004/3/3 Saint Beast Coupling CD series #2 青龍のゴウ×白虎のガイ 2004/3/3 Saint Beast Coupling CD series #2 青龍のゴウ×白虎のガイ (off vocal) 2005/1/28 セイント・ビースト イベントDVD ケダモノたちの聖なる宴 コンプリート版 (ライヴバージョン) (DVD) 2005/6/22 Saint Best Lost.2/Vocal Best of the Saint Beast 2007/3/28 セイント・ビースト MUSIC CLIP (DVD) |
備考 | 「四聖獣〜セイント・ビースト」のひとり、青龍のゴウとしての曲。 |
えらく色っぽいんですけど、兄者。(笑)
リズムのはっきりしたロックだが、今までの曲よりもゆっくりめのテンポで、
ギンギンのギターよりは、ずしんずしんと響くリズムセクションを強調している。
特にベースが強いとかもなく、全体的な音もどちらかというと軽いのに、
単調にきざむリズムのせいか、ずしんと来る感じ。
ギターリフもシンセも華やかな音なのだが、うるさくは感じない。
派手めなロックは好きだが、ギンギンに押してくるのはちょっと、という人には、
すごく心地よい音ではないかと思う。
森川さんの歌は、全体的に芝居気たっぷり、というか、
ひとつひとつのフレーズに様々な感情が込められているように聞こえる。
ドラマで、バンドのヴォーカリストかなんかを演じているときに、劇中歌で歌う感じ。
森川さんの声の魅力の品評会、といったところだろうか。
ハイトーンが聴けないのだけが残念だが、強さ、せつなさ、やさしさ、甘え、
くるくると表情を変え、とてつもなく情熱的なメッセージを投げつけてくる。
全然ストイックじゃない(笑)。ものすごく感情的で色気たっぷり。
そういえば、この作詞家は、微妙な矛盾で強調する表現が好きなんだろうか。
心の中にわき起こる感情を解放できない焦燥感が、手に取るように伝わってくる。
ただ、とてもメンタルな詞なので、具体的な情景が思い浮かばない。
たぶん、頭で考えるのではなく精神的に受け止めると、
ほとばしる情熱とストイックな焦燥が、直接感じられるのだろう。
ところで、「街はbitter」ではない、とわかって聴いていても、
やっぱり何度でもそう聞こえてしまうのだが、どうしたものか。
作詞 | 尾崎雪絵 |
---|---|
作曲 | 飯塚昌明 |
編曲 | 飯塚昌明 |
共演 | 立木文彦 (デュエット) |
曲調 | アップテンポ、シリアス、低めからハイトーンまで、前衛的なロック |
収録 |
2004/3/31 EVER FREE 2005/8/3 MOON VENUS (Long Version) 2005/11/23 LIVE VIDEO The "GAMBARE" Live〜元気になりに来い!〜 (ライヴ・バージョン) (DVD) 2007/5/23 LIVE VIDEO ネオロマンス・ライヴHOT!10 Countdonw Radio ROCKET★PUNCH! (ライヴ・バージョン) (DVD) 2007/8/1 Brand-New Future〜2HEARTS BEST ALBUM〜 2008/2/27 LIVE VIDEO ネオロマンス・ライヴHOT!10 Countdonw Radio II ROCKET★PUNCH! 2 (ライヴ・バージョン) (DVD) 2009/1/28 LIVE VIDEO ネオロマンス・ライヴ ROCKET★PUNCH! 3 (ライヴ・バージョン) (DVD) 2010/2/10 2HEARTS 2nd LIVE "BLUE STEEL KNIGHT" DVD (ライヴ・バージョン) (DVD) 2010/6/23 LIVE VIDEO ネオロマンス・ライヴ ROCKET★PUNCH! 4 (ライヴ・バージョン) (DVD) 2011/4/27 おれパラ Original Entertainment Paradise 2010 LIVE DVD (ライヴ・バージョン) (DVD) |
備考 | 「2HEARTS」(立木文彦とのユニット)としての曲。 |
飯塚さん、大好きだよ(笑)。もちろん、尾崎さんも大好きだ。
森川さんと立木さんの声質や歌い方の違いを、うまくマッチしているとはいえ、
やはり意識せずにいられなかった2HEARTSだが、この曲はそんなことは関係ないほど、
ふたりの歌の個性を、つぶした上で引き出し、素晴らしい調和を作り上げている。
この曲を聴いて、意識せずに歌詞の意味を汲んでいる人がいたら、尊敬する。
私は、歌詞カードを読むまで、何を歌っているかわからなかったし、
何を歌っていてもよかった。日本語を聴いているという自覚がなく、
前衛的でありながら不安定感のない音を、高く派手なのに低く響く音を、
低く高くからみあう声を、変幻自在に変わる声を、聴いてしまう。
もちろん、ひとつひとつの言葉は聴き取れるし、理解もできる。
それよりも、歌自体も、楽曲を構成する音のひとつとして聴いてしまうからだと思う。
エフェクトのかかったギターの音、それにからむ悲鳴に近いほどのハイトーンシャウト。
低めから綺麗に響く裏声までを駆使した、「声」のバラエティ。
ドラム、ベース、ギター、そしてふたつの声。「歌」と「演奏」としてではなく、
交互に自己主張し、相互に押しのけつつ、生かし合う。絶妙のバランスだ。
何回聴いても、新しい発見をする。干渉し合う音と音から、
いくらでもいろんなものが聞こえてくる。なかなか歌詞にたどり着かない。
だからといって、わかりにくい歌詞なわけではない。
わざと聴き取りにくくするために符割りを崩したとしか思えない、
Bメロのフレーズを除けば、とても素直な展開である。
カッコよく、自然で、流れがあって、闘志がわく感じ。
ひたすら前向きな「Two my self」に比べて、このマキシは、
裏のネガティヴな部分の存在を認めつつも先に進もうとする、
飛び上がる前に一度身体を沈めるような、そんなしたたかさを感じる。
この曲の歌詞って、もしかしてこの曲自体のことなのでは、
とか思わせてくれるのも、なんかすごく楽しい。
作詞 | 尾崎雪絵 |
---|---|
作曲 | 飯塚昌明 |
編曲 | 飯塚昌明 |
共演 | 立木文彦 (デュエット) |
曲調 | スローテンポ、シリアス、中音域から高音域、バラッド |
収録 |
2004/3/31 EVER FREE 2005/8/3 MOON VENUS (Long Version) |
備考 | 「2HEARTS」(立木文彦とのユニット)としての曲。 |
とても穏やかで心が静まる感じの曲。2HEARTSの曲でバラッドは多くないが、
いずれも静かに、でも熱く力強く、といった感じの曲である。
この曲は、その熱さや強さが、表面上は全然感じられない。ひたすら静かに、
やさしく、ゆったりと、全身の力を抜いて、安心して目を閉じていたくなる。
きっとずっと走り続けて、躓くことがあって、それまでを振り返ったんだろう。
夢中で走ってきた姿を滑稽に思い、それを受け容れて肯定することで、
心の穏やかさを取り戻す。でも、決して後ろ向きなわけではなく、
ある意味とても前向きな歌詞だ。「頑張ろう」というのではない、
自然体で未来に目を向け、希望を失わずに歩き始めようとする。
もしかしたらすごく悲しい歌かもしれないのに、さすが応援歌ユニットというべきか。
「満ち潮」ではなく「満ち干」であることが、切ないながらも、
等身大の人間を感じさせてくれる。絶妙のタイトルである。
ふたりの声も、徹底的にやさしく静かだ。
ゆっくりとした曲調でも、熱い想いがほとばしるような力強いヴォーカル、
というのがイメージだったが、こんな歌い方も、また2HEARTSらしいかもしれない。
サビも、歌い上げるという感じではなく、果てしなくやさしい。
意識して力を抜いているのだろうか。身をゆだねていると、恍惚感さえ感じる。
曲そのものとしては、印象に残りにくいかもしれない。
特に、「ギャンブラー!」と一緒に聴くことになるだろうしなあ。
でも、この曲を聴いているこの時間だけは、すべてを忘れて心が静まるだろう。
サックスの響きが切なく心にしみて、細かいささくれもみんなそぎ落としてくれる感じ。
波があることすら感じられない水面が、静かに静かに、でも着実に高くなり、
そしていつの間にか引いていく。それに気付いたときに初めて、湖ではなかったんだ、
と悟るように、静かな中の希望や力を再発見できる、そんな曲だ。
作詞 | 高藤晶 |
---|---|
作曲 | 西岡和哉 |
編曲 | 西岡和哉 |
共演 | 谷山紀章、私市淳 (Vocal) |
曲調 | アップテンポ、シリアス、台詞のみ、ポップス |
収録 |
2004/4/23 バラエティCD 僕らの王国 2004/4/23 バラエティCD 僕らの王国 (karaoke ver.) |
備考 | 「僕らの王国」の奥宮静架としての曲。 |
歌は歌っていません。クレジットも「コメント」で、台詞のみ。
ただ、これが収録されたバラエティCDに、お花見のカラオケで奥宮がこの曲を歌う、
というシーンが収録されている。ワンフレーズだけだが、これがまた、素晴らしい歌だ。
わざと下手に歌うのも、技術が必要である。それなりにうまくないとできない。
でも、うまい人が歌うと、やっぱり片鱗は残るんだな。声は素晴らしくよくて、
深く響き、声量も感じさせるところが、森川さんらしいと言えばらしい。
結論(何の?)として、奥宮さんは、たぶん医学的な意味での「音痴」ではないから、
ちゃんと訓練すれば、きっとうまくなると思う。なんてことはどうでもいいや。
本来のヴォーカリストであるふたりの歌を聴いていると、
歌はやっぱり、「たくさん歌うこと」なんだな、と思う。
ちなみに、カラオケバージョンのトラックのほうが2分ほど長いが、
最後にドラマパートが入っているため。
作詞 | 渡辺なつみ |
---|---|
作曲 | 河合英嗣 |
編曲 | 河合英嗣 |
曲調 | アップテンポ、シリアス、高め、ポップス |
収録 |
2004/7/7 Super Stylish Doctors Songs Seven Vitamins 2005/12/25 S.S.D.S. 御名刺代わり (ライヴ・バージョン、抜粋) (DVD) 2007/2/14 S.S.D.S. 秋の大診察会 (ライヴ・バージョン、抜粋) (DVD) 2008/3/14 S.S.D.S. 2007秋の診察会 (ライヴ・バージョン、抜粋) (DVD) 2009/2/23 S.S.D.S. 2008初冬の診察会 (ライヴ・バージョン、抜粋) (DVD) 2011/3/14 S.S.D.S. 2010魅惑の診察会 (ライヴ・バージョン、抜粋) (DVD) 2014/8/31 S.S.D.S. 2014診察会 歌謡祭 (ライヴ・バージョン、抜粋) (DVD) |
備考 | 「Super Stylish Doctors Story」のミヒャエル・シューマイヤーとしての曲。 |
ミヒャエルがこんなにカッコいいキャラだとは思わなかった。
少なくとも、似非忍者や似非ヒーローからは想像できない。
13号医局のドクターたちはみんなそうだが、
あまり色っぽい話とは縁がないので(君島も設定だけで具体的な描写はない)、
シューマイくんがこんなに女たらしだったとは(笑)。どっちかというと、
天使のほうのイメージに近かったのだけれども、認識を改めないといけないかな。
最近は、役者の得意なキャラクターが強く投影される傾向にあるし。
明るく覚えやすいメロディで、とっつきやすい。ちょっとミステリアスな雰囲気もあり、
適度な色っぽさも感じられる。メリハリのある展開で、キャラソンとしてだけでなく、
普通のポップスとして楽しめる、なかなかの佳曲である。
エフェクトのかかったギターの音が両側から迫ってくる感じがスタイリッシュだが、
それ以外は、特に奇をてらったわけではない、ごく普通の厚みのあるアレンジ。
ブラス音もなかなか効果的だ。
ミヒャエルらしく、上に開いた高めの、とても可愛らしい声で歌っている。
ちょっとせつなそうに声を裏返らせるところなどは、本領発揮という感じだが、
歌詞と相俟って、これはキュンとさせるテクニックなの、と深読みしたくなる。
そんなところも、この曲の魅力のひとつ。
愛らしさと危険な香りの相乗効果、といったところか。
歌詞は、「悪魔」サイドからと「天使」サイドからの描写が対になっていて、
終始二面性を強調している。
ただ、そのぶん、流れが作れず、言葉がブチブチと切れた感じがするかもしれない。
森川さんも特に区別せずに同じトーンで歌っているので、歌詞をきちんと聴かないと、
天使と悪魔のコントラストは体感できないのではないだろうか。
せっかくの対比を楽しむ歌詞なので、声のトーンを変えたほうが面白かったのでは、
とは思うけど、フレーズが短いから、却ってまとまりがない感じになってしまうかな。
間奏の台詞の声は、ちょっと、そういう意味でのメリハリがあるような気がする。
慣れてくれば悪魔の歌詞は左の耳で、天使の歌詞は右の耳で、と、
聞き分けられるようになるかも。(笑)
というわけで、聴きどころは、歌はもちろんだが、イントロのふくみ笑い、
軽いスキャットやシャウト、間奏の台詞と、エンディングのささやき。全部じゃん。
作詞 | 相田毅 |
---|---|
作曲 | 神津裕之 |
編曲 | 神津裕之 |
共演 | 福山潤、櫻井孝宏、小西克幸、神谷浩史、坪井智浩、三木眞一郎、置鮎龍太郎、野島裕史、鈴村健一、川上とも子 (合唱) |
曲調 | スローテンポ、シリアス、低め、校歌 |
収録 |
2004/8/25 学園ヘヴンヴォーカルアルバム SONG! MVP 2004/8/25 学園ヘヴンヴォーカルアルバム SONG! MVP (KARAOKEバージョン) |
備考 | 「学園ヘヴン」の中嶋英明としての曲。 |
もともとパートは多くない。ソロパートはなく、
デュエットは1コーラス目歌い出しの8小節のみ、あとはサビを全員で。
それも終始、低めの声で、これといった聴きどころはなし。デュエットパートなど、
小西くんと、オクターブ違うキーで歌っているのではないだろうか。
低めの声の曲でも、えらく色っぽく歌うこともあるのだが、それもない。
トークでも言っていたが、自分から歌っている感じはまったくしない。
曲調は「校歌」なので、ゆっくりとした展開で、ちょっと荘厳なメロディライン、
ちょっと難しい言い回しの歌詞。ということ以外には、特筆すべきことはない。
作詞 | 相田毅 |
---|---|
作曲 | 百田忠正 |
編曲 | 神津裕之 |
曲調 | スローテンポ、シリアス、中音域から高め、ムーディなバラッド |
収録 |
2004/8/25 学園ヘヴンヴォーカルアルバム SONG! MVP |
備考 | 「学園ヘヴン」の中嶋英明としての曲。 |
なんか全然、中嶋の声じゃない。
彼の声やキャラクターを期待していると、裏切られた気持ちになるかも。
無理にキャラクターイメージを強調した歌詞が鼻につくぐらい。
まあ、そんな曲はいっぱいあるから、それはそれでかまわないのだが。
曲の展開もアレンジも、全体的に同じ印象で、
他の収録曲に比べても長めの曲なのに、それが全然活かされていない。
だいたいがリズムに変化のある曲調ではないので、メリハリをつけようとすると、
それなりの工夫をしないといけないと思うのだが、最初から最後まで同じ調子で、
エンドレスで回しても違和感がない(どこで曲の頭に戻ったかわからない)、
という以外には、メリットを感じない。
水槽の中を眺めているようなたゆたう感じで、沈み込んでいけるやわらかい曲調だから、
世界観とかを無視して、ゆったりとひたっていたい、と思っても、
歌詞の符割りが不自然なので、あちこちでひっかかる。
歌詞も無視して声だけで、と思っても、その単調さが眠気を誘う。
そうか、子守歌にいいのか。でもあまりいい夢は観られなそう。(笑)
こういう曲だと、森川さんは、必要以上に色気を強調して歌いそうな気がするのだが、
投げやりな感じで、扇情的な歌詞のくせに、感情が全然見えない。
それが中嶋だと言われてしまえば終わりだが、すごく素っ気ない。
声は中嶋ではないが、ちょっと高めの相変わらず綺麗な響きで、
これでもう少しやさしさや、からかいでもいいから感情の色が見えたら、
そのまま心地よく海の底に沈んでいけるだろうに。
なんというか、悪い曲だとは思わないのだが、ツメが甘いというか、
ひとつだけでもばっちりハマり、ここがいい、と言える点がない。しかもどの不満も、
あきらめるしかないようなものではなくて、もうちょっとどうにかすれば、
と思えてしまうところが、余計に物足りなさを感じる。
作詞 | AIAi |
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作曲 | アッチョリケ |
編曲 | 景家淳 |
共演 | 小杉十郎太 (デュエット) |
曲調 | アップテンポ、シリアス、高音域、ポップス |
収録 |
2004/10/27 SHUFFLE!キャラクターイメージヴォーカルアルバム シャッフルタイム |
備考 | 「SHUFFLE!」の魔王としての曲。 |
全編デュエット、ソロパートはなし。
声ははっきり、左側に小杉さん、右側に森川さん、と分かれていて(両端からではなく、
中央で並んで立っている距離)、声自体はずっと聴いていることはできるが、
小杉さんの声がよく響いて存在感があるため、センが細くて上に抜ける森川さんの声は、
注意して聴いていないとかき消されるときがあるのが、ちょっと淋しい。
それでも、サビでのハーモニーは上のパートを取っているし、
全体的に綺麗な高めの声が堪能できる。
低いパートを小杉さんががっしりと支えてくれているので、
高いところを自由に飛び回っている感じ。
小杉さんも歌の上手な人なので、安心して聴いていられるのもよい。
曲調は、少し前の洒落た湘南サウンドでは定番だったような、典型的なポップス。
アレンジも、どこかで聴いたことがあるような気がしないでもないが、
心地よく聴きやすい、覚えやすいメロディラインと、鼻につかないアレンジなので、
ヘビーローテーションにも耐えられる。
このタイプの曲調を特徴にしているバンドを好きな人も多いだろうから、
そういう人たちには、特に受け容れられやすいだろう。
歌詞は、抽象的な表現が多いが、娘たちを溺愛しながらも、
節度をもって応援しつつあたたかく見守る、キャラクターたちの心情が見え隠れする。
メロディとのコンビネーションも無理がないので、すんなりと入ってくる。
気品と愛にあふれた前向きな歌詞なので、爽快さが残る感じで、気持ちよい。
神王も魔王も、キャラクターで考えると、どんな歌になるんだろう、
ふたりで一緒に歌えるんだろうか、と思っていたが、聴いてみたら、
違和感はまったくない。こういうお父さんだったら、いいよなあ。
あまり癖がなく、適当にメリハリもあって、とてもカッコよく聴きやすい曲なので、
小杉さんの声が生理的に駄目、というのではない限り、お勧めしたい。
作詞 | 相田毅 |
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作曲 | 中富秀俊 |
編曲 | 神津裕之 |
共演 | 福山潤、櫻井孝宏、小西克幸、神谷浩史、坪井智浩、三木眞一郎、置鮎龍太郎、野島裕史、鈴村健一、川上とも子 (合唱) |
曲調 | アップテンポ、シリアス、中音域、アイドルポップス |
収録 |
2004/12/22 学園ヘヴンmaxi single〜SWEET CANDY〜 2004/12/22 学園ヘヴンmaxi single〜SWEET CANDY〜 (KARAOKEバージョン) |
備考 | 「学園ヘヴン」の中嶋英明としての曲。 |
なんだか、えらく爽やか。「学園ヘヴン」って、いわゆる「学園もの」だったんだ、
と再認識させられるような、若さと明るさにあふれた曲調である。
メロディラインは単純ながら、覚えやすく無理のない展開。
アレンジも奇をてらうことなく、適当なメリハリで、曲の明るさを引き立てている。
却って、ひっかかりがないぶん、すらっと聴けてしまって物足りない、
という贅沢な不満を述べたくなるほど。
歌詞は終始、平易な言葉でありながらくどくなく、メロディとの親和性も高い。
歌っているのは、常に隣りにいる「君」と明るい未来への希望、だけなのだが、
語彙も豊富。いろんなシチュエイションに当てはめて解釈できるので、
共感できる場面も多いだろう。
合唱部分もユニゾンで、ヒネリもなく、シンプルな作り。
それぞれの歌い手の「声の色」におんぶしたような感じはないでもないが、
下手に難しいことをやって素材を駄目にするよりは、ずっといいかもしれない。
森川さんのソロパートはCメロに8小節、他のメンバーと比べても短くはなく、
ポジション的にも優遇されているのだが(なんたって、
ラスボス(笑)と並び立ってるわけだし)、どうにも居心地が悪そうに歌っている。
Cメロの前半で、微妙にメロディラインも抑え気味で、リズムにも乗れず、
歌い上げることもできない難しい部分だ、ということもあるんだろうと思うのだが。
中嶋の声を意識して声を作ったとしても、いまひとつ、
本領発揮といかなかったのが残念なところ。
たぶん、中嶋には絶対にこの曲のような雰囲気はないし、
キャラクターを意識すると歌いにくいだろうな、というのは、よくわかるのだが。
全体的な印象は、某男性アイドル事務所のオールスターで合唱してるような感じ、
と言ったらいいか。悪く言えば没個性、良く言えば豪華ラインナップ。
すべてシンプルで凝ったところはないが、ひとつひとつがキラキラと光っているので、
全体として輝いて見える。取り立てて感心したり感動したりするところはないが、
心地よく聴ける曲、といったところだろうか。
作詞 | 相田毅 |
---|---|
作曲 | 百田忠正 |
編曲 | 神津裕之 |
共演 | 福山潤、櫻井孝宏、小西克幸、神谷浩史、坪井智浩、三木眞一郎、置鮎龍太郎、野島裕史、鈴村健一、川上とも子 (合唱) |
曲調 | スローテンポ、シリアス、中音域高め、キラキラバラッド |
収録 |
2004/12/22 学園ヘヴンmaxi single〜BITTER CHOCOLATE〜 2004/12/22 学園ヘヴンmaxi single〜BITTER CHOCOLATE〜 (KARAOKEバージョン) |
備考 | 「学園ヘヴン」の中嶋英明としての曲。 |
ソロパートはすごく短かいが、メロディラインが上に伸びたときなので、
ちょっと高めの切なげな歌声が聴ける。低めの中嶋の声を保ったままなので、
ちょっとかすれた感じが色っぽい。ほんの一瞬で終わってしまうのがもったいない。
2コーラス目のデュエットパートは、それがパワーアップしていて、
反則なくらいドキドキする。
切ないといえば、全体的に、メロディラインも歌い方も、しっとりと色っぽい。
スローテンポながらも、適度に盛り上がりがあって、展開にも無理がない、
歌いやすいメロディラインになっている。凝ってはいないが、
歌い方も声もそれぞれバラバラな大人数が歌うためには、無難な中庸といった感じ。
アレンジも、曲のイメージを活かした、落ち着いた広がりと流れのある雰囲気。
歌詞の内容はクリスマスソング。ちりばめられた小さな言葉が、
それぞれではなんてことはないのに、全体としてまとまると、キラキラと輝く感じ。
歌詞のひとつひとつを取り上げると、とても可愛らしいのだが、
全体ではしっとりと落ち着いていて、幸せいっぱいなのに、幸せすぎて切ない、
という、キラキラした素敵なクリスマスソングになっている。
相田さんって、何でもない言葉を輝かせるのがうまい人だなあ。
「WALK UP!」と同じく、コーラスパートは全部ユニゾンだけれど、この曲調では、
ちょっとハーモニーなどアレンジしてみると綺麗なのでは、と思ったのだが、
これだけの人数だと難しいかな。ひとり混ざった女声が、
高音に綺麗に澄んだ広がりを与えて、厚みのあるコーラスとなっている。
アップテンポな曲ではあまり気付かなかったのだが、響きがよく聞こえるので、
この声がこの曲のキラキラ感を増しているように思えた。
タイトルどおりの、小さな輝きがあちこちに降り積もる雰囲気の曲。
しっとりと落ち着きたい聖夜にどうぞ。
作詞 | 教材開発者 |
---|---|
作曲 | フリー素材 |
編曲 | フリー素材 |
曲調 | ミディアムテンポ、シリアスというかなんというか、中音域、ラップ |
収録 |
2004/12/? 進研ゼミ中学講座 5教科ニガテ解消パソコンCD-ROM (Win/Macゲーム) |
備考 | 「レキシントンクラブ」で歴史を歌う、DJヒストリーとしての曲(?)。 |
媒体自体が、とても珍しい。ベネッセの「進研ゼミ」中学2年講座の、
2005年1月号の特別付録で、主要5教科の苦手解消プログラムがあったのだが、
それが、パソコン(Windows/Macintoshのハイブリッド)で動く、
ゲーム仕立てソフトウエアだった。その社会科のプログラムが、
日本史の主な出来事と関連した人物名を復習するもの。プレイヤー(というか生徒)は、
さびれたライヴハウス「レキシントン・クラブ」(「歴史」をもじった命名なので、
「Lexington」ではなく「Rekisinton」)のドアを開いて中に入るところから始まる。
誰もいないホールのステージには、聴く人もいないのに歴史を歌いすぎて、
声が嗄れてしまった歴史ラッパー、DJヒストリーの姿。台詞による状況説明の後、
出来事や人物の正解を埋めることができると、ちゃんと歌ってくれるが、
間違えると、「声が出ない」と歌ってくれない、というゲームが始まる。
というわけで、飛鳥・奈良・平安時代、鎌倉・室町・安土桃山時代、江戸時代その1、
江戸時代その2、明治・大正・昭和時代、の、5つのラップがあるのだが、
これを「歌っている」と言うのは、あまりにも歌やらラップやらに失礼な気がする。
リズムに乗せて、多少緩急を付けつつ、教科書を読み上げているだけに過ぎない。
ちなみに、間違えたときに「声が出ない」と言うのは、ゲーム上、
該当箇所に音を重ねているだけなので、実際には全部きちんと歌ってはいる。
たぶん、「歌」と言えるのは、これらの5つの時代をすべて、
ひとつも間違えずにクリアしたとき、そのご褒美として聴ける曲だけだろう。
DJヒストリーというのが、失意にうちひしがれた気弱そうな表情を見せる、
ちょっとセンの細いなかなかの美形だからなのか、少しやさしめのかわいらしい声。
曲調の強弱に合わせたのか、声を張るところは、少し太めのよく響く声で歌っている。
ただ、説明調の歌詞のため、台詞よりもナレーションを曲に乗せた感じで、
感情が入る余地もなく、あまり「聴かせる」歌い方にはなっていない。
こんなときにも、息の抜けるちょっとセクシーな歌い方が健在なのが面白い。
歌詞は、歴史の説明にサビが付いただけ。教材開発者が作ったもので、作詞者はいない。
曲も、フリー素材を使ったものらしい。クレジットなし、問い合わせて判明した。
女声コーラスは歌詞をちゃんと歌っているから、このために歌わせたんだろうけれど、
もちろんクレジットも何もないので、誰だかわからない。
「歌」としてこれを求めた場合、入手の困難さを考えると、
それだけの値打ちがあるのか微妙なところ。でも、台詞の声もえらくかわいらしいので、
オープニングムービーも含め、歴史ゲームを体験してみるのも楽しいだろう。