森川智之プライベート・コレクション

「ボトムズファインダー」初日舞台挨拶


「ボトムズファインダー」初日舞台挨拶
日時・場所: 2010年12月4日(土)  10:30〜10:50(9:40上映回上映後) 新宿バルト9
11:20〜11:40(11:20上映回上映前) 新宿バルト9
13:50〜14:15(13:00上映回上映後) 横浜ブルク13
14:40〜15:00(14:40上映回上映後) 横浜ブルク13
登壇者: 石田彰、森川智之、重田敦司監督
司会: 小林治(アニメライター)

どちらの会場も、新しめの綺麗なシネコン。新宿は400席を越える大きめの、 横浜は200席足らずのこぢんまりとしたシアター。どちらもスクリーンは大きい。 スクリーンの前に狭い奥行きだがステージがあり、そこに4人が並ぶ。 立ち位置は、下手から、司会、森川、石田、監督。
全部の回にカメラは入っていて、DVDの特典映像に収録される、という注意あり。 でも、プレスが入って、フォトセッションがあったのは、新宿2回目のみ。 各回約20分、新宿2回目はフォトセッションの時間を含めてなので、 この回は他の回に比べてインタビューはコンパクトだった。

それぞれの回で、質問の順序や話の持っていき方に違いはあったが、 全体としてはだいたい同じ質問で(もちろん、回によっては省略された質問もあった)、 それに対する答えもだいたい同じ。細かいボケやツッコミが違ったり、 上映後(ネタバラシOK)か上映前かで答え方を変えた質問があったりもした。
重田監督が初監督作品とのこと、もともとはデザインや作画方面の出身らしく、 こういう場で話し慣れない感じが、ひしひしと伝わってくる。 司会の小林さんが、さすがにいろいろと詳しく、フォローする形で話をつないでいくが、 話を広げるためには監督よりもキャストに振ったほうがいいと思ったのか、 キッカケを監督に、展開をキャストに振るようになる。 キャスト側は、ときどき監督に確認しつつ(笑)、手慣れた感じで説明。
そういう意味では、だんだんに慣れてきた3回目・4回目のほうが、 くだけた感じになってきたようだ。特に4回目は、かなりネタに走ったトークもあり、 リラックスしたムードだった。

衣装
特典映像収録用に継ぎ接ぎをする予定だからか、衣装は全員4回とも同じ。 司会の小林さんが、グッズのアキのバンダナをかぶっていた回と、 かぶっていなかった回があったくらい。
森川さんは、スタンドカラーの黒の革ジャン、丈は短め、前は開けている。 インナーはTシャツで、ベースは黒、胸に白で大きなスカルモチーフの模様が入り、 それがグラデーションのようになって、裾は白になっている。 黒のストレートパンツ、黒の革靴、ブーツかも。パンツの裾はアウト。 右腰には太い1本のウォレットチェーン、ペンダントはロケットのみ。 長袖の革ジャンの袖が長く、手首は見えなかった。 オレンジの色のついたレンズの黒縁眼鏡。

挨拶
自分の役名と名前を自己紹介。最初は「ディアハルト役」だけだったが、 トークでの流れを受けて、フルネームを言う回、 わざとごにょごにょと濁して言う回など、いろいろ。

「ボトムズ」について
今回初監督の、重田監督。最初依頼があったときには、 「ボトムズは難しいから」と断った、とのこと。 でも、変えて新しく作っていいと言われて引き受けたらしい。 そんな監督が今回気を付けたことは、「わかりやすく、ちゃんと終わる」こと。

石田くんは「ボトムズ」を、子供の頃観ていたそうだ。
石田「どこかでつながってるのかな、と思いながらやってたんですけど、 まったく別の作品として作られてるものだ、と聞いて。 微妙なズレはあるんですけど、アルトロは前の作品の雰囲気があるし、 パラレルワールドみたいな感じなので、 知ってる人にも知らない人にも楽しんでもらえると思います。」

森川「僕は、27年前の『ボトムズ』を観てないんです。 今回観たら、砂漠で戦ってて、粉っぽい感じかな、と。」
司会「……間違ってはないですけど。」
森川「なので、今回の収録は新鮮な気持ちだったですけれども、面白かったです。 1話だけ、って言われましたけど、壮大なストーリーの中のひとコマのような。 外画のPilotみたいな感じで、意外に謎だらけなんですよね。 シロアリはなんでロボット食べるんだろう、何の栄養があるんだ、とか。」
監督は監督なりに理由があるらしく、答えてくれようとするのだが。
小林「ここで聞いちゃうと、いろいろ考える楽しみがなくなっちゃうので、 敢えて聞かずにいましょう。何度も観に来てくれて評判になったら、 続きを、ということになるかもしれませんからね。」
森川「トントン拍子に決まりそうですね。ディアハルト、出ますかね。」
監督「もちろんです。」

タイトルの意味
「ボトムズファインダー」というタイトルは、いろいろな意味がある、とのこと。 まずは、女の子を探す話なので。それから、シロアリがアルトロを探して食べる、 ということや、作り手が「ボトムズ」の今後を探す、という意味も込められている。
小林「こういう意味、もちろんおふたりは、わかってますよね?」
石田・森川「……それは…当然です。」
石田「ファインダーの意味を探さなきゃ、みたいなね。」
小林「(プレスに)ここはカットなしでお願いします。」

世界観(舞台)
高い崖があって、その下に暮らす人たち(アキたち)の総称をボトムズという。
小林「で、崖の上にいるのがトプですね。(森川さんに)」
森川「はい。崖の上のディアハルトです。」
石田「ポニョみたいに言うな。」

崖の下は若者の世界、上は社会として成熟している大人の世界、とのこと。 という説明を、監督が一生懸命にしてくれるが、どうにもしどろもどろ。
司会「詳しくは、出演者に訊いたほうが早いのかな。」
森川「詳しく!?」
石田「監督以上のことはわかりませんよ!!」
司会「ボトムズはどんな場所ですか?」
石田「僕が子供の頃に観てた特撮の戦隊もので、敵と戦うようなところです。」
司会「採掘場みたいなところですね。爆発OKみたいな。じゃあトプは?」
森川「崖の上のトプは、近未来的な、近代的な都市です。」

自分のキャラクターについて
石田「僕がやってるのは、ソースケっていう名前で、崖の下で…。」
司会「……違う。キャラが違う。」
石田「僕が演じてるのは、アキ・テスノという名前なんですが。 肉体労働で日々の糧を得ているボトムズの中で、まっすぐ希望も夢も持っている、 まっとうな青年です。最近はあまりやらない感じですね。」
森川「ディアハルトは、敵として出てくるんですが、どっちかわからない感じです。 アキからするととても気になる、上の世界の人間なんですけど、 登場のしかたがセンセーショナルです。 僕としてはよくある、得意とする役どころです。」
司会「石田さんはフルネームで言ってますけど。」
森川「僕は、本編で言ってます。(笑)」

そんなふたりの演技プラン。
石田「普通のひとりの少年として考えてました。ちょっと若さというか、 単純なところもあるのかもしれませんね。その若さで無茶なことも突破していっちゃう。 それを素直さとか、子供っぽさとか、言い方はあると思うんですけど。」
司会「森川さんは、それが大人になったキャラクター。」
森川「はっきり言っちゃうと、白馬の王子様ですよ。」
上映後の挨拶のときだったので、知ってる人ばかりの中、 「えー」という声が漏れる。
石田「えー、って言われてますよ。」
森川「(不満そうに(笑))そうじゃないですか。ナイトですよ。 凛としていて、プライドが高くて。でも、アキと同じで、とても素直な人物です。 だから最初は反目し合っていても、最終的にはとてもいい仲になるんです。」
司会「すれてない大人、っていうことですね。他の敵対する方々がすれてるので。」
森川「秀幸さん(真の敵ジョゼ・レッシング役、田中秀幸)のことですか?」
司会「中の人じゃないです。キャラクターです。」

アキが作品中でしているバンダナは、グッズとしてショップで販売されていて、 それを司会の小林さんがかぶっている回もあった。それを指して、
石田「これ、プチコスプレなんですよ。アキは、あれと同じバンダナを巻いていて、 タンクトップで肉体労働者的な雰囲気がよく似合う子なんですけど。」
そのバンダナは、小林さんも、グッズ紹介のときにドクロマークと紹介したのだが、
石田「僕も収録中ずっと、ドクロのマークだと思ってたんですよ。 でも、そうじゃないってことが、今日のお昼頃わかりました。」
司会「(監督に)何なんですか?」
監督「鳥らしいです。」
監督のとてもシンプルな答えを石田くんが補足(笑)すると、「鳥が羽を広げている シルエットがドクロっぽくも見える、というデザイン」らしい。
司会「ボトムズの人たちが、上に向かってはばたく、っていうのを象徴してる?」
監督「そうです。」

キャラどうしのお互いの第一印象は。
石田「このやろー、って感じですかね。」
森川「私は君を認めない、じゃないですか。」
司会「このふたりがどうなるか、っていうのが見どころですね。」

ロボット(アルトロ)について
森川「あまり大きくないですよね。」
石田「アルトロは、4メートルぐらいですかね。」
森川「あれぐらいの大きさのロボットに乗って、ガシガシ走ってたりすると、 お尻が痛くなりそうで。戦ってる衝撃とかも考えながら演じてました。」

今回のアルトロの特徴は、という質問で、
森川「足にタイヤが付いてる。」
石田「デザインは新しいですけど、サイズ感、三つ目、足にタイヤ、など、 ボトムズのアルトロらしいテイストを残しているので、 もともとの『ボトムズ』をお好きな方にも楽しんでいただけると思います。」
石田くんのこの模範的な回答との対比はなんだ(笑)。

森川「僕が乗ってるのは、護衛用で、アキの作業用のとはちょっと違います。たぶん。 たぶん、グレードが上で、高いです。」
小林「値段が。」
森川「このアルトロは、理にかなっていて、ツッコミどころがないですね。 エアバッグが付いてたり。このエアバッグ、1回だけしか使えないんですよね?」
監督「ひとつに付き、です。」
森川「じゃあ、ご予算で、いくつも。」
小林「オプションで付けられる。それは面白いですね。」
森川「すごい面白いんですよ。」

印象に残った台詞・シーン
石田「『何かあったら声かけてくれよ、力になるから』ですね。 アキの最後の台詞なんですけど。ふたりの間に築いた信頼関係というか、 この台詞を聴くと、アキも成長したな、って思えるんじゃないかと。」

森川「壁を上がっていくとき、初めて名乗るところですね。 『ディアハルト・グリューニリッヒだ』って。」
石田「おー、って言われてますよ、名前言っただけなのに。」
森川「アキに最初に会ったときはいきなり殴ったり、 君を認めないとか言ったりするんですけど、 だんだん通じ合ってきて、自分の名前を名乗る。 それで最後のシーンになる、っていうのが、段階的にお勧めです。」
上映前の挨拶では、ディアハルトは敵か味方かわからないため、 別の答えをしたときも。
森川「『お嬢様』ってたくさん言ってます。『お嬢様は私が護る』とか。誘拐犯なのに。 何故でしょうか。女性の方は、僕の『お嬢様』を堪能していただければ。」
司会「台本が当たった方は、森川さんの『お嬢様』が何個あるのか、数えてみて。」

プレゼント
各回、サイン入りポスター5枚、収録台本3冊、抽選でプレゼント。

メッセージ
監督は「ありがとうございます」「よろしくお願いします」程度。
森川「歴史ある作品ですが、新しく扉を開いた作品だと思います。とてもいいです。 実は僕も、何回も観てるんです。それぐらい気に入ってる話ですので、 みなさんにも気に入っていただいて、何回も観て、たくさん宣伝して、 お友だちを誘って、また観に来ていただけるとうれしいです。」
石田「すごくスピード感のある作品になってます。アクションもありますが、 それだけでなくて、アキの成長の物語でもあったりします。 いろいろな見方をして、いろいろな感想を持っていただけるとうれしいです。 観終わった後、よかった、と思っていただけると、それもうれしいです。 残念ながら赤い小さい金魚は出てきませんけれども、 それを補って余りある爽快さが詰め込まれていますので、 是非みなさん、御期待ください。」

フォトセッション(新宿2回目のみ)
最後に、新宿2回目ではフォトセッションあり。
左右・中央のカメラマンからの要請に応え、身体の向きを左右に変えただけで、 とてもおとなしい真面目な撮影だった。 第1弾のときの写真では、みんなもっとにこやかなように見えたんだけどなあ。

補足
上のインタビューは、4回を質問別にごっちゃにして、印象に残ったやり取りだけ 書いているので、順番はめちゃくちゃになっている。
本来なら、「僕の役はアキ・テスノで…」→「僕の役はディアハルトで…」→「石田さんはフルネームですけど…」→「僕は本編で言ってます」、と、 やっぱり覚えてないんだな、と思わせておいてから、 印象に残った台詞で「ディアハルト・グリューニリッヒだ」とさらっとフルネームを言い、 客席から「おー」という声が上がって彰くんにツッコまれたり。
さらに、これは1回目だったのだが、2回目最初のの自己紹介で、 「ディアハルト・グリューニリッヒ役の」とフルネームを言って(1回目はディアハルトだけだった)、 1回目のやり取りを知っている人をちょっとクスクス笑わせたり。 その後もわざと(?)言い淀みつつ言ってみたり、いろいろなネタを仕込んでいたり。
2回目で「崖の上のディアハルト」で彰くんに「ポニョみたいに言うな」とツッコんでもらったが、 4回目でも「崖の上のトプ」と繰り返し、 それに彰くんが「僕の役はソースケといって」と乗った上で(このボケは森川さんが拾わず放置したので、 しばらく経ってからこれではいけないと思ったらしい小林さんがツッコんでくれた)、 4回目最後のメッセージで、「赤い小さい金魚は出てきませんが」と言ったり。
最初は固く真面目に答えていたのが、回を重ねるごとに、 同じことを言ってもだんだんくだけてきて、脱線や細かいネタが多くなってきた様子は、 この書き方ではうまく伝えられていないと思う。ごめんなさい。 この補足で少しでもイメージしていただければ。

TOPPAGEトップページに戻る
Copyright(C)1998-2014