森川智之プライベート・コレクション

セイント・ビースト「ケダモノたちの聖なる宴《日曜日》」


セイント・ビースト「ケダモノたちの聖なる宴《日曜日》」
日時:2004年10月3日(日) 17:05〜19:15
場所:中野サンプラザホール
出演:森川智之、櫻井孝宏、宮田幸季、吉野裕行、杉田智和、鈴村健一、鳥海浩輔、福山潤、鈴木達央

SET LIST

オープニングナレーション青龍のゴウ
1.愛という名の嵐四聖獣
2.ストイックな情熱森川智之
3.虹の橋を越えて吉野裕行
4.金色の花が咲く丘で宮田幸季
5.永遠の愛は刻まれる櫻井孝宏
MC森川・櫻井・宮田・吉野
ビデオメッセージ平田広明・浪川大輔
6.まやかしの夢杉田智和
7.うつろな夢鳥海浩輔
8.光と闇のあいだ福山潤
9.Black or White?鈴木達央
10.荒野の風鈴村健一
MC杉田・鈴村・鳥海・福山・鈴木
ビデオメッセージ石田彰&緑川光
ライヴドラマ「ケダモノたちと猫の夜」全員
11.風のトリニティ櫻井孝宏
12.氷の聖痕宮田幸季
13.聖なる大地〜running to heaven〜吉野裕行
14.炎の十字架〜ブラッディクロス〜森川智之
15.闘えセイント・ビースト四聖獣+放浪天使
出演者紹介全員
アンコール
MC全員
16.闘えセイント・ビースト出演者全員

BAND MEMBERS

「Band of BEAST」とだけ紹介。ドラム、キーボード、ベース、ギター×2。
詳しくは紹介しなかったが、バンドとしては一緒にやっているメンバーみたい。


COSTUME

黒のエナメルのロングコート(「アンジェリーク」10周年イベントの昼の部に着ていた)、 黒のレザーパンツ、黒い革靴。インナーはたぶん、黒のタンクトップ。 シルバーのペンダント、トップはクロスではないかと思う。ちょっと縦長のフォルム。 コートの上から、鮮やかな青の羽根のショールを、首にかけて前にたらしている。 長めのしっかりした羽根を使ったショールなので、けっこうヴォリュームがある。 黒の大きめのサングラス、ライヴドラマのときにははずしていたが、それ以外は、 トークや挨拶のときもかけっぱなし。
ロングコートは、最初は前を開けていたと思うが、後半の歌に入ったときには、 前をかなり裾のほうまで止めていた。スリットの入ったロングドレスみたい。 前を開けてがばっと着ているときには、膝丈だと思っていたら、前を止めたら、 ふくらはぎぐらいの丈があった。ずいぶん自立心旺盛で広がるコートなんだなあ。

最初、照明の落ちた舞台に出てきて、スポットを浴びたときに、 エナメルが綺麗に光を反射し、ゴールドに見えて、何かのコスプレかと思って、 ドキドキしてしまった。でもゴウは青いチャイナ服だし、まさか、と思っていたら、 普通の格好だったので、安心した。 ゴウのコスプレをするんだったら、トレーニング期間を半年ぐらい…。(爆)

朱雀のレイ役の宮田くんが赤いシャツ、白虎のガイ役の吉野くんが白(生成)のベスト、 玄武のシン役の櫻井くんが黒のジャケット、と、 それぞれのキャラの服の色を意識した出で立ちをしている。 森川さんは、見事なまでに真っ青な羽根ショールで、いつもの黒のイメージではなく、 ちゃんと青のイメージだった。かなり暑そうだったが、 最後までショールを取らずにいたのは、青じゃなくなっちゃうからだろうな。 他のメンバーも、それぞれのキャラのイメージで衣装を選んでいて、 色とりどりで鮮やか、キャラのファンとしても楽しめた。
個人的には、鈴村くんのかぶっていた帽子に驚いた。 あのタイプの帽子が似合うということは、男だ女だということ以前に、 やっぱり童顔なんだろうな。 桜田淳子とか言ってたけど、会場のお嬢さん方のほとんどは、 あの帽子をかぶっていた頃の桜田淳子を知らないと思う。 というか、キミたちも生まれてなかったんじゃ…。ちなみに、 エンジェルハットがトレードマークだった頃の彼女は、15歳ぐらいのはず。


SONGS

生バンドだが、アレンジも構成も、CDのものを踏襲している。 特にテンポやリズムを変えたりとか、サビを何度も繰り返したりといった、 生ならではのアレンジし直しはしていない。聴き慣れた安心感はあるが、 せっかくの生バンドだったので、ちょっともったいなかったかな。 次は是非、「生バンドならでは」のアレンジも聴いてみたい。

「セイント・ビースト」のキャラクターソングは、全部で22曲。 合唱曲が2曲で、これはイベントでも何回か歌われている。 20曲のソロ曲のうち、出演していないルカ(緑川光)の1曲を除いて、 19曲のうちの13曲が、今回歌われた。残りの6曲は、「3rd Party」で歌われている。 つまり、合唱曲以外は、生では初めて聴く曲ばかりだし、 ルカの曲を除いてはすべて1回ずつ歌われたことになる。 非常にバランスのいい選曲で、付け入る隙(笑)がない。
とはいっても、「ひととおり」終わってしまったので、今後展開していくことになれば、 いろいろとアンバランスも出てくるのかもしれない。もともとが役者のはずで、 歌に対するスタンスや考え方も、様々な人がいると思うから、無理をせずに、 作品の世界も役者の個性も尊重して、気持ちよく聴けるように配慮してほしいものだ。 このあまりにも律儀な「まんべんなく」を見ていると、 杞憂に終わりそうな気もするが。

四聖獣の「愛という名の嵐」のソロパートは、オリジナルバージョン。
本編最後の「闘えセイント・ビースト」も、パートは忠実に追っていたが、 エンディングということもあってか、示し合わせて同じポーズを取ったり、 立ち位置を交換して肩を組んだり、と、少しラフな感じで楽しげだった。 今やお馴染みとなった、スピーカーに足をかけるポーズを、 最初のソロパートの森川さんがやったからか、 結局全員それがモチーフになっていたけど。
アンコールの「闘え(はぁと)セイント・ビースト」は、「おまけ」だから、 ということなのか、ソロパートもデュエットパートもなし。 最初から最後まで、全員で大合唱。 みんな舞台上を所狭しと走り回り、数人で組んで面白い振り付けをしたり、 思い思いに好き勝手なパフォーマンスで楽しんでいた様子。 森川さんも、鈴木くんに影響を受けてか、頭を振ったり、 かなり激しい動きもしてたけど、大丈夫だっただろうか(笑)。 あの暑い衣装であれをやったら、貧血でも起こして、朦朧としそうだけど。
しかし、9人が走り回っても狭く感じない舞台。やっぱり大きいホールなんだなあ。

森川さんの歌ったソロ曲は2曲とも、かなりハードでへヴィなロック。 ソロ曲の中ではオープニングとトリと、いずれも重要なポイントを担当していた。
オープニングは、この春に発売されたばかりの「ストイックな情熱」。 一応歌詞は、ところどころあやしくなりながらも、間違えずに歌いきったように、 私は聴いた。ハイトーンシャウトとかはないが、重量感あふれるリズムと、 それに絡み合うヘヴィなヴォーカルで、 盛り上がりに加速を付けたことは間違いない。
そしてトリの、「炎の十字架〜ブラッディクロス〜」。 以前から聴きたかった曲なので、すごくうれしい。 この曲は絶対、生で聴くべき曲だと、ずっと思っていたから。 サビを聴いたときには、頭の後ろを冷たいものが抜けていくような、 恍惚感を味わってしまった。エンディングのシャウトも、期待していたとおり。 途中で歌詞を間違えて、 取り戻すまで歌がなくなってしまったパートとかもあったけれど、 そんなことはどうでもよくなるぐらい、素晴らしく素敵だった。
この曲たちが、ライヴビデオとして記録され、いつでも観られるなんて、 幸せすぎる。

他の出演者たちも、みんな頑張っていて、元気よく動き回ったり、 とにかく一生懸命に盛り上げよう、楽しませよう、としてくれたのがよくわかり、 気持ちよかった。

歌で特筆したいのは、ソロで歌うのは初めてだという、鈴木くん。 CDで聴いたときから、かなり歌い慣れている感じで、上手い子だなあ、と思っていた。 音程がどうこう、というのではなく、自分なりの歌い方を持っている感じ。 ライヴで聴けるとあって、期待していたのだが、期待どおり、 素敵な歌を聴かせてくれた。 バンドでもやっていたのかと思っていたから、初めてということのほうに驚いた。 ラジオ(セイント・ビーストとは別の番組)で、音楽好きということは言っていたし、 かなりヘドバンしたりしていたから、ライヴにはよく行ってるんだろうなあ。 これで高音が上に抜ける声だったりしたら、ちょっとヤバかったかもしれない(笑)。 ま、ピュアなオールドロックを歌うには、ちょっと現代っ子過ぎるけどね。


MC

最初のMCで、「ようこそ」と言ったあと、お約束どおり会場を煽る森川さん。 「2階」と煽った後に「3階!」。 宮田くん、「ない、ない」と拾ってくれてありがとう。

前日、ラジオがあるからと途中で抜けたらしい櫻井くん。事あるごとに、 「最後までいたんだけど」を連発し、そのたびに吉野くんと宮田くんにツッコまれる。 完全に欠席だった森川さん、うらやましかったのか、 「俺も2階席で観てたんだよ」。

折しも中野駅前では、サンプラザ前をメイン会場にして、「中野まつり」を開催中。
森川「ここは中野まつりの第2会場ですから。」
宮田「道理で、焼きそばとか持ってる人が多いと思いました。」
森川「匂ったりとかしてね。」

2日続きのイベントで、1日目はトーク中心のイベント、2日目は歌中心のライヴ。 森川さんは2日目だけ出演なので、1日目の話を聴いていないから、不安だった模様。
森川「今日のライヴだけでも楽しめるんですよね。」
櫻井「もちろんです。」
森川「よかった。 俺、昨日出てないから、急に『答えは?』とか言われたら困るよ。」
櫻井「僕ら的には、今日は兄者がいてくれて、本当によかったです。 (羽根ショールを指して)誰がいちばん偉いか、一目瞭然ですよね。」
宮田「森川さん、1問正解したから、これ、かけてるんですよね。」
森川「優勝するとハワイに行けるのかな。」

そして、四聖獣以外のメンバーでのMC。ひとりずつ自己紹介をするが、
鳥海「陽炎のシヴァ役の沢田研二です。」
会場からは、それに応えるように、「ジュリー」と声がかかる。
杉田「鳥海さん、いつから浜さんちの隣の犬になっちゃったんだろう、と。」
杉田くんのボケは、自己完結してて、その場でより、後で思い出したほうが面白い。

こっちの面子のMCは、ごちゃごちゃでまとまりがない。 トークのポイントよりも、子犬たちがじゃれあっているような、 ぐちゃぐちゃな彼らのほうが印象に残っているので、内容は省略。 ぐちゃぐちゃな様子はライヴビデオででも。

アンコールのMCでは、ひとりずつ感想を述べる。トリをつとめた森川さんは、
「楽しかったでしょうか。僕は楽しい時間を、みなさんと過ごすことができました。 まだ『セイント・ビースト』は続きますから、一緒に盛り上がっていきましょう。 今日は本当に、ありがとうございました。」


IMPRESSIONS

作品のイベントなんだし、歌中心のライヴとはいっても、 何でもありのイベントなんだろうな、と、ある意味期待せずに行ってみたら、なんの。 立派な「ライヴ」だった。 構成もタイトで、無駄がなく、流れも切ることなく、緩急をうまく折り込んだ感じ。 トークというよりもMCに近いぐらいあっさりとしたトークで、 だらだらしなかったのもよい。 歌を聴きに来たんだから、できるだけたくさん歌ってほしいしね。
プロデューサーは、舞台だけでなくアイドルのライヴなど、広範囲で活躍していて、 かなりこだわりのある人らしい。もちろん、ライヴハウスやスタジアムでの、 いわゆるアーティストのライヴとは趣を異にするが、ステージングは見事である。 照明も映像も、舞台の使い方も凝っていて、キャラだけで客を集める、 名前だけのライヴだと高をくくっていたのが、完璧に裏切られた。 もちろん、うれしい方向に。

いずれにしても、その構成に敬意を表して、このレポートのテンプレートは、 いつものイベントバージョンではなく、ライヴのセットリストバージョンで。(笑)

オープニングに続く四聖獣たちのソロ。 歌い終わるごとに、舞台セットの奥に消えていく。 ゴウは中央の低い段から、ガイは上手の高い段から、レイは下手の高い段から。 最後のシンの歌が終わりに近づくと、それぞれハケたところからまた出て来てポーズ、 歌の終わりを待つ。歌が終わるとみんな降りてきて、MCを始める。 似たような演出は、随所に見られた。
ドラマ後の四聖獣のソロは、歌い終わった後も舞台に残って段に座り、 後の人の歌を聴いていることになっていたらしい。 が、宮田くんは自分の歌の後、下手の高い段に座って吉野くんの歌を聴いていたが、 宮田くんのときには誰もいなかった。 しばらくすると、櫻井くんが上手の高い段に出て来て、そこに座って合流。 吉野くんは歌い終わると、同じく上手の段に座って、森川さんの歌を聴いている。 森川さんの歌が終わりに近づくと、中央の低い段の左右から、下手側に杉田くん、 上手側に鈴村くんが登場。そのまま低い段に座って、 森川さんの歌の終わるのを待っている。 そして、そのまま、「闘えセイント・ビースト」に突入するのである。

立ち位置は、四聖獣だけのときには、下手から、吉野・櫻井・森川・宮田。 それに放浪天使が加わると、両側、下手側に杉田、上手側に鈴村が付く。 全員が揃うときには、下手から、 杉田・吉野・宮田・櫻井・森川・鈴村・鳥海・福山・鈴木。 これが基本だが、成り行きで微妙に変わることも。

途中のライヴドラマは、普通のライヴでいえば、 バンドメンバーも前に出てきてプライベートトークをする企画コーナーみたいなもの、 と思えば、許容範囲。 全員がそろっているところを観られるのも、ファンとしてはうれしいだろう。
ただ、人数が多かったので、全員の見せ場を作るとどうしても長くなってしまい、 ちょっとだれたかもしれない。 もうちょっとコンパクトなほうが、流れとしてはよかっただろうと思うが、 「作品の」イベントとしては、必要だったのかも。

平田さんと浪川くんからのビデオメッセージ(ひとりずつ、別々)は、 真面目なふたりだけに、ごく普通。とりあえず、次のイベントまでに、 カムイにも歌を用意することと、タケルを地獄から救い出すことを期待したい。
平田さんもいろいろと工夫をこらしてくれていたのだが、 石田くんと緑川さんのメッセージは、捨て身というか何というか、世界が違う感じ。 緑川さんは、耳の立った黒い帽子(顔が描いてある)、 石田くんはヘルメットをかぶっている。緑川さんは唐揚げのパックを持ち、 むしゃむしゃと食べながら話すので、いまひとつ何を言っているのかはっきりしない。 「ひとつどう?」と勧められた石田くん、手に取りつつも、 あまりに奔放に鶏肉にかじりつく鳳凰に呆れた様子。 ライヴイベントということで歌の話になり、いきなり歌い出す緑川さんに、 石田くんが微妙に身を引き気味なのもおかしい。かと思ったら、 自分の都合が悪くなると、唐揚げを頬張り、モゴモゴと言葉を濁すところはさすが。 素で唐揚げにむせる緑川さん、相変わらずマイペースな石田くん、ナイスコンビ。 こういう、微妙に中途半端な面白さを醸し出すのは、やっぱり石田くんだからですか? 緑川さんも天然でかわいいと思うけど、ひとりではこうはならないような気も。

エンディングでの出演者紹介では、森川さんが櫻井くんを紹介するところから始め、 ひと言ずつ挨拶した後、次の人を紹介するリレー形式。 櫻井、宮田、吉野、杉田、鈴村、鳥海、福山、鈴木の順。 鈴木くんが「そして、青龍のゴウ」、と紹介するのに続いて、 全員で声をそろえて「森川智之」。リーダーらしい持ち上げっぷり。
森川さんの挨拶は、「サンキュー、ありがとう、愛してます」。

鳥海くんにまで、「森川さんの汗がすごい」と言われた、エナメルのコート。 見るからに、暑くないわけがない。通気性なんて、顧みられてもいないだろうから、 以前ソロライヴで、レザージャケットの袖口から汗が流れ出たように、 きっと内側はすごいことになっていただろう。本人も「樹液が出てる」とか、 「エキスまで出ちゃった」とか言っていたが、終演後、 森川さんが座り込んだ楽屋の床には、水たまりができていたに違いない。

とにかくみんな、楽しそう。若いメンバーが多く、 プライベートでも親しいメンバーばかりということもあるかと思うが、 ときどき馴れ合いに走りすぎているかな、と思うときもあるくらい、 リラックスして楽しそうにしている。
そんな中で、お兄さん的存在である森川さんは、ひとりだけちょっと離れた感じ。 年齢的には宮田くんがいちばん近いのだが、宮田くんは必要以上に若く見られるし。 トークだと、森川さんのボケを拾ってくれる人があまりいなくて(森川さんのボケは、 遠慮なくツッコめる人でないと拾えない。わかりやすいボケなら後輩でも大丈夫だけど、 微妙なのは難しい)、ときどき淋しそうにしているのを見ることがあるが、 今回は歌中心のライヴということで、森川さんの本領発揮。 リーダーとしての貫禄を存分に振りまき、見事に全体をとりまとめていた。 前日のイベントを観ていないので、森川さんの存在がどんな影響を与えているのか、 窺い知ることしかできないが、 櫻井くんの「兄者がいてくれてよかった」発言からしても、 やはり頼られ慕われていて、存在感があるんだろうなあ、と思う。 ただ、構成上か、ちょっと持ち上げすぎ、特別扱いしすぎのような気もしたけど。
イベント全体としても、出演者の一生懸命や楽しませようという気持ち、 何よりも出演者たちの楽しそうな様子が伝わり、 幸せな気持ちになれる、いいライヴだった。


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