昼の部 | 夜の部 | |
---|---|---|
前説 | ||
1. | 落暉落陽 | |
2. | Blood, Sweat, No Tears | |
軽いMC(挨拶程度) | ||
3. | The Very-Go-Round | |
MC | ||
4. | Knockout drops | |
5. | wandering | |
6. | E・O | |
7. | bit of life(時任ソロ) | |
MC(石川ひとり) | ||
8. | 真夜中bandit(時任ソロ) | |
9. | 白昼夢(久保田ソロ) | |
MC(森川ひとり) | ||
10. | spoil(久保田ソロ) | dog-end(久保田ソロ) |
11. | 三日月の夜 | |
MC(バンドメンバー紹介) | ||
12. | 泡沫 | |
13. | 朝焼けに消ゆ | |
アンコール | ||
14. | 零唄〜Love song | |
MC(告知) | ||
15. | 常夜灯 | |
ダブルアンコール | ||
16. | - | 三日月の夜 |
Guitar | 西岡和哉 北山純一 |
Bass | ヨシキ(竹下嘉紀) |
Drums | かどしゅん(かどしゅんたろう) |
Keyboards | 板倉真一 |
DJ | TADD |
ずいぶんよくしゃべった(笑)。曲の流れを重視していて、
MCの入った箇所が多いわけではないが、しゃべり始めるとけっこうしゃべっている感じ。
わりと真面目な会話が多かった印象。同じ話を昼夜でしゃべっていることもあった。
以下、主立ったものを。昼の部と夜の部、どこでしゃべったかもぐちゃぐちゃ。
文字に書いてしまうとわからないんだけど、石川くんの口調は、
ちょっと関西アクセントにすると、雰囲気出るかも。
石川「ライヴやりたいって言い出してから、5、6年経ってます。
最初の曲録った後にもう、ライヴやろう、って言ったんですよ。早いよ。」
森川「1曲でやろう、って。」
石川「1曲を長くすればいいや、って。」
森川「曲間でMC、ラスサビの前でバンド紹介。で、後奏で告知。」
石川「アンコール、どうしましょ。もう1回やる?」
森川「あ、もう1回やろう。」
石川「1時間半ぐらいできますもんね。」
森川「一度、もう少し、っていうところまできてたのに、ポシャっちゃった。
この人が忙しいから。毎日『すぽると』で。」
石川「『すぽると』は土曜日だけですよ。それが3年前でしたね。今回やっと。」
森川「それで僕も黒髪に。これで出てきたら、みんなびっくりするかな、って。」
石川「今日、入りも気を付けてきたんでしょ?」
森川「帽子をかぶって。段ボールに入れられて、宅急便で送られてきました。」
石川「前にも一度、黒髪にしてるんですよね。」
森川「パンフレット撮影のとき。俺のアンニュイな顔の写真が、石田彰くんに似てる。
写真を自分でチェックしてて、あれ、なんで彰くんがここにいるんだろう、って。
びっくりしました。彰くんとは、ある番組で兄弟やってましたけどね。」
石川くんもゲスト出演した、超能力兄弟アニメ(笑)。
石川「でも兄弟やったからって、声優が似てるわけじゃないですけど。」
森川「彰くんは今、茶髪ですけどね。」
石川「黒髪の森川さんが見れるのは、ここだけかもしれません。」
森川「そうです。明日は金髪です。」
石川「昨日も金髪だったんですよ。」
石川「眼鏡、いいっすよね。すっげー似合いますよね。」
森川「これは、久保ちゃん仕様です。」
石川「眼鏡のイメージ、なかったんですよ。」
森川「そうですか。意外に目、悪いよ。0.1。」
石川「俺と同じぐらいなんですよね。俺も0.1。」
森川「あれ。大丈夫?」
石川「俺、今日はコンタクト。」
森川「これ、度入ってないんですよ。」
「三日月の夜」を歌い終えた後。
石川「久しぶりに『三日月』、やりましたね。」
森川「思い起こせば、僕のソロライヴで、ゲストで来てくれたときに、
『三日月』を歌いましたけど。あれで終わんなくてよかったね。」
石川「ね。伏線張れてよかったですね。」
森川「ずいぶん長い振りだったね。」
石川「何年ぶり?。」
森川「えーと、2000年か2001年。」
石川「……自分のライヴですよね?」
森川「(観客に)いつだっけ。(答えを聞いて)2003年。」
石川「全然違う。2000年とか言ってませんでした? じゃ、4年前。」
森川「ずいぶん昔のように感じるね。」
石川「1月じゃなかったでしたっけ。俺のほうが記憶力いいじゃん。」
森川「あれは、寒い日の…。」
石川「そりゃ寒いやろ、1月なら。」
時任ソロコーナー、石川くんひとりのMCで。
「ソロって、久しぶりな気がします。絶対隣りに誰かいましたからね。
ひとりって淋しいですね。でも、みんなの視線独り占めだから、それはいいかも。」
「これ(手袋)、昨日買ったんですけど。
昨日からずっと、グッパーグッパーしてて、今こっち、握力ないんですけど。」
「最初はパンフレットの衣装合わせだったんですけど、そのときに、森川さん、細っ、
って思って。それが2か月くらい前。これは負けてられんな、と思って、毎日、
2時間半ぐらいウォーキングして、だいぶしまったんですけど。ベルト穴3つぐらい。
……増えまして。いやいや。歩いてて増えたらびっくりするよね。」
「森川さんの相方の檜山さんも、歩いてるらしくて。
家も近いですし、あの人と一緒に帰るかもしれません。」
夜の部、しゃべってる途中で上から(「朝焼けに消ゆ」で落ちてくる)羽根がふわふわ。
それを見つけて、小さな声で、「ネタバレ、ネタバレ」。
久保田ソロコーナー、森川さんひとりのMCで。
「パンフレットを作るという話があったとき、黒い服着て金髪でサングラスかけて、
いつもと同じだな、って思われるのも嫌なんで、どうしようか考えました。
久保ちゃんだから、眼鏡をかけて、で、髪の毛はやっぱり黒だな、と。」
「これ、今朝やってきました。6時に。
びっくりして楽しめたのではないでしょうか。」
「こないだ寺島くんとすれ違いました。ずっとギャーギャー言ってましたよ。」
「みんな一様にびっくりするんですけど、『BLEACH』のスタジオで、パクロミにだけ、
ガン無視されました。お疲れさまでした、とかってさらっと行こうとするんで、
おいおい、俺俺、って言ったら、あー、とかって。」
「金髪の人たち、真似して黒にしたら、髪の毛、たいへんですよ。すごい傷みます。
僕もこのまま年を越そうかな、と思います。」
「パンフレットの撮影したときは、1週間ぐらいですけど、黒髪でいました。
朝起きて、洗面所行くと、違う人がいてびっくりするんですよ。
そのうち慣れてくると思います。みなさんも慣れてください。」
「アダプターといえば横浜。ね。でしょ?」
「僕も地元、横浜です。横浜の人って、僕もそうですけど、出身をいうとき、
神奈川県、って言わないんです。横浜、って言う。」
「ここ、埋め立て地なんですけど、18年ぐらい前に、
レポーターみたいな仕事で来たんです。ヘルメットかぶって。
その後、横浜博覧会がここであったんです。」
「横浜美術館が、ここらへんで最初にできた建物です。その向こうに、いつもやってる、
あれがあるじゃないですか。BLITZはけっこう最近なんですよね。豆知識でした。」
「桜木町の駅前に、日本丸ってあるじゃないですか。そこの横に大きい河が流れてて、
ちっちゃい鉄橋が3つぐらいあるんですよ。あのへん、30年ぐらい前ですけど、
国鉄の貨物ターミナルだったんです。中学校の時、柵をよじ登って入って、
あそこの鉄橋でハゼを釣ってました。で、国鉄の職員さんに、こらーっ、って。
『スタンド・バイ・ミー』みたいに、みんなで走って逃げた想い出があります。」
「そんな所縁のある場所で、しょっちゅうやってると、
自分の家に帰ってきたような感じがして、うれしい限りです。
アダプターも舞台が横浜ということで、親近感がわくわけですけれども、
これからもよろしくお願いします。」
バンドメンバーは、いずれも個性的な面々。
キーボードは2日前のリハーサルでベースに刈られてモヒカンだし。
サイドギターは元関ジャニのイケメン。そんなメンバーを紹介した後、お約束のように、
バンマスの西岡さんを無視して進めようとするふたり。
それにまたお約束のように、西岡さんが「バンマスを忘れてる」と自己申告。
夜の部では、紹介してもらうのを待てず、自己紹介(笑)。
バンマスの西岡さんには、本番までにバンド名を決めてくるように、
という宿題が出されていたらしい。バンマスに宿題出すヴォーカリストたちって(笑)。
西岡さんが考えてきたのは、「もうちょっともんでみます」バンドこと「MMSix」。
森川「ちょっとやらしいね。」
石川「ここに来る人、これで最後ですから。もまれても。」
森川「ということで、残念な結果になりましたけれども。」
夜の部では「MMSix」のロゴに加えてワンモア、「JMKM」のロゴも用意されている。
西岡「『次回までに考えます』バンド。
またライヴしたいな、っていう想いを、バンド側からもこめて。」
メンバー紹介で、元関ジャニのギタリスト、北山くんがちょっと踊ってみせる。
森川「何それ。それ覚えると、関ジャニできるの?」
石川「それを覚えると関ジャニ入れるとか、そんなんじゃないから。」
森川「俺が覚えてるの、これだよ。」
と、両手を前にたらし、おしりかじり虫ダンスを。サンバステップじゃないんだ。
石川「はははは。えーと。どこのジュニアにも入れてもらえません。ユーだめ、
って言われます。でも2日ぐらい、この(北山くんの)ビジュアルでいたいね。」
森川「そうなったら、俺、ライヴやりまくる。朝から晩までずっとライヴ。」
石川「あー。で、2日後には元に戻る。」
森川「元に(笑)。しゅーん。」
アンコールでは、みんなでライヴTシャツを着ている。
石川「最初俺らに用意されたTシャツ、すごく大きかったんですよ。XL。
パジャマ、みたいな。そんなにでかくないよ、俺たち。
そんなイメージなんですかね。森川くん、だいぶやせましたよね。」
森川「だいぶスモールになりました。このTシャツも、普通にSですから。」
石川「俺もSです。」
森川「街で会ったら、
なんだ、モリモリって意外とちっちゃいんだね、って思うよ。」
「WA」の新刊、ドラマCD、「荒磯」ドラマCDの告知に続いて。
石川「そしたら、2曲増えますよね。じゃ、2曲でライヴやりましょう。
1曲を1時間ぐらいやって、もう1曲がアンコール。
2曲を7回ぐらいリピートして、アンコールも同じ、でもいい。」
森川「いつやるかわからないけどね。2014年とか。もう、おっちゃんですよ。」
石川「もう(既に)おっちゃんです。」
昼の部も夜の部も、最後に、あたりにあるものを、手当たり次第客席に投げ込む。
モニターの上に座らせてあった、久保田・時任を模したテディベア、
それぞれ手首にしてきたブレスレット、テーブルクロスのようにかけてあったタオル等。
みんな投げ込んでしまってからも、何かないかと探し回るふたり。
森川「あとは、このギターを。」(西岡さんのギターに手を出して)
石川「違うっ!」
森川「あとはもう、高いもんしかないんだよ。」
最後の最後は、「また会おうね」。そして、ふたりで、握手、続いてハグ。
念願のライヴを成功させて、感極まった表情のふたりに、
観客たちも胸を打たれたに違いない。
ほぼ定時に客電が落ち、久保田と時任の前説が始まる。
影マイクなのか、会場の声に反応していたりしたところもあった。
昼は久保田、夜は時任が注意事項を読み、相手はそれにチャチャを入れたり、
引っかき回す構成。シナリオは原作者が書いたらしい。
内容はほとんど同じだが、それぞれのキャラらしい台詞になっている。
たぶんこれで、会場全体が「久保時」の世界に変わり始めたんだと思う。
そして、森川さんが黒髪眼鏡、石川くんが黒手袋な時点で、そのまま一気に。
最初から、ふたりで示し合わせたんだな、という動作が多かった。
まずは、最初の「落暉落陽」の最後に、
ふたりでマイクスタンドを外側に蹴り倒すパフォーマンスから。
その他にも、曲の終わりやブレイクなど、随所にちりばめられていた。
全般的にそういうポーズは、イラストにあったものを意識していたようだ。
それだけ、作品の世界をそこに展開したかったんだろう。ああなんか、
こういうポーズのふたりを見たことがあるな、と思わせてくれるものばかり。
ふたりとも、ときどき台詞の口調がキャラになったりする。
まあある意味、ネタにしているわけだが。それ以外はふたりとも、
ごく普通に本人のはずなんだけれども、森川さんはあまりキャラを崩さない。
「久保ちゃん」をキープしている感じだった。
声を立てることはあっても、破顔して笑うことはない。あまり表情豊かではなく、
ちょっと淋しそうな印象を受けた。髪が黒かったからかもしれないけど。
そういう意味では不思議な空間だった。
これが役を演じている舞台とかなら、
観客もその世界の一員として入り込むこともできるのだろうが、
あくまでも、森川智之と石川英郎本人。でも、そこにいるのは、
「久保田誠人を演じている役者」であって、森川智之本人ではない。
石川くんのふだんのキャラクターがわからないので、
彼がどれだけ時任だったのかはよくわからないのだが、
少なくとも森川さんは、本人を見ている感覚があまりなかった。
なので、ちょっと遠巻きにして眺めているような、不思議な感覚だった。
そこに世界が出来上がっていて、それを観ている。ライヴでありながら、
あまり観客全部が入り込んだ一体感はなく、ちょっと映画みたいな距離感を感じた。
久保ちゃんと時任が生きて動いているのを見たい、という作品ファンなら、
とてもうれしかっただろう。ルックスはそのままではないけれど。
しかし森川さんは、そんな「久保ちゃん」をキープしながらも、
随所にボケをちりばめることを忘れない。
石川くんは関西人だから、もっとキツいツッコミがくるのかと思っていたら、
意外に真面目に受け止めてしまっていた感じだ。関西風のわかりやすいボケとは違って、
森川さんのボケはツッコみにくいんだろうか。
でも、久保田は冗談めかしてさらっと言ってのけて、時任はそれを真面目にとって騒ぐ、
というのが、あのふたりの常っぽいので、それでいいのかもしれない。
というか、久保ちゃんがジョークっぽく言うほど本当のことで、
流すと後でたいへんなことになりそうだ。石川くんがそれを意識してわざとそうした、
ということはないんじゃないかと思うけど。
でも、やっぱりもう少し切り込んでくれたら、
もうちょっと森川さんを「久保田」の枠から引っ張り出せただろうにな、とは思う。
もしまたこういう機会があったら、そのときには是非。
初めてのライヴで、それもいきなり10曲以上。
ふたりとも、何曲かは自分で歌ったことはあるけれど、ほぼ初めてに近い曲ばかり。
リハーサルの時間がそんなにたくさん取れたとも思えないし、
モニターにたくさんお世話になったとしても、これだけにまとめてきたのは、
やっぱり「やりたい」という気持ちの強さなんだろう。
確かにトチリは多かった。作詞はもちろん、出トチもあちこちであった。
森川さんだけでなく、石川くんもけっこうトチっていた印象がある。
でもそれも、ライヴの醍醐味。ふたりともライヴ慣れしているので、
そんなことも楽しんでしまっていたように思えた。
たとえそのときには、嫌な汗をかいても。
声はよく出てたように思う。もともとそんなに激しい曲ではないので、
リズムを合わせたり歌詞を覚えたり、のほうがたいへんで、
声を出すことにはあまり問題はなかったのではないだろうか。
たぶんいちばん難しいのは、
「三日月の夜」の一部だけ声を裏返すところなんじゃないかと思うが、
それも勢いで持っていける曲調なので、そんなに苦労している感じではなかった。
「三日月の夜」の途中で、会場に向かって銀色のテープが打ち出された(実は、
昼の部は「三日月の夜」で銀テープが出たけど、夜の部は(他の曲でも)なかったので、
ダブルアンコールがあるということは、それに気付いていればわかったはず)。
「朝焼けに消ゆ」では、ステージ上に雪のように白い羽根が降ってきて、
雰囲気を盛り上げる(石川くんがソロコーナーで「ネタバレ」と言ったのは、
この羽根(笑))。夜の部のほうが量が多かったのか、ひとつの羽根が大きかったのか、
ステージ上が真っ白になっていた。ふわふわと落ちてくる羽根がひとつふたつ、
ふたりの頭や肩に降り積もる。真っ黒な髪や衣装に真っ白な羽根のコントラストが、
眩しくも切ない。そして、頭の上に羽根を乗せたまま歌う姿も、
しっとりとしているのに、とても可愛い。
「spoil」での、振り付けとも言えないような足の動きがとても気になった。
昼の部の後に思い返し、もう一度観られるのを楽しみにしていたら、夜の部は別の曲で、
ちょっと残念に思ったり。そりゃ、たくさんの種類の曲が聴けるのはうれしいけど。
特に凝った振りとか動きとかではないのだけれど、
昔好きだったロックバンドのヴォーカリストたちの動きを彷彿とさせる、というか。
誰のどれ、というのではなく、あの頃の雰囲気。
ちょっとノスタルジックな気分にさせられ、忘れていた感覚を呼び覚まされる感じ。
夜の部でも観ていたら、それで満足してしまい、
これだけの焦燥感(笑)はなかったかもしれない。DVDに収録されるといいな。
「森川さんが黒髪だった」ことで、すべてを持っていかれてしまったような感じだが、
それだけではおさまらない、何か壮大な世界が、
あの日あの場所に形成されていたような、そんな気がする。
ひとつの「作品」の登場人物として、「1組の」ヴォーカリストが、
歌「だけ」のライヴをする、ということは、そうそうあるわけではない。
20年のキャリアがある森川さんでも、おそらくは初めてのことなのではないだろうか。
そういう意味でも、他に類を見ない、珍しいタイプのライヴだったことは確かだ。
曲も歌も素敵だった、という点は否定しないけど、歌のライヴだったのに、
主役は歌ではなかった、ということで、全体の印象のまとめとしたい。