森川智之プライベート・コレクション

「執行部+WA LIVE <Go the Limit>」


「執行部+WA LIVE <Go the Limit>」
日時: 2007年11月25日(日) 昼の部:15:00〜17:00/夜の部:19:05〜21:15
場所: YOKOHAMA BLITZ (神奈川・みなとみらい)
出演: 森川智之(久保田誠人役)、石川英郎(時任稔役)

SET LIST

昼の部夜の部
前説
1.落暉落陽
2.Blood, Sweat, No Tears
軽いMC(挨拶程度)
3.The Very-Go-Round
MC
4.Knockout drops
5.wandering
6.E・O
7.bit of life(時任ソロ)
MC(石川ひとり)
8.真夜中bandit(時任ソロ)
9.白昼夢(久保田ソロ)
MC(森川ひとり)
10.spoil(久保田ソロ)dog-end(久保田ソロ)
11.三日月の夜
MC(バンドメンバー紹介)
12.泡沫
13.朝焼けに消ゆ
アンコール
14.零唄〜Love song
MC(告知)
15.常夜灯
ダブルアンコール
16.-三日月の夜

BAND MEMBERS

Guitar西岡和哉
北山純一
Bassヨシキ(竹下嘉紀)
Drumsかどしゅん(かどしゅんたろう)
Keyboards板倉真一
DJTADD

COSTUME
昼の部
森川:
ピンクのTシャツ、レザーでパイピングのある黒のジャケット。 黒とグレーのツートンのマフラー、首を一周して両側にたらしている。 ユーズドブラックのスリムジーンズ、エナメルの(たぶん足首までの)ブーツ。
シルバーペンダント、トップはクロス。中心に何か石が入っているみたい? 見事に真っ黒な黒髪、久保田仕様の細い黒縁眼鏡。
石川:
白のTシャツ、裾にカットワークの入った洒落たデザイン。黒のジャケット、黒靴。 右手に黒の革手袋。

ソロコーナー以降衣装チェンジ
石川:
黒のタンクトップに、白のベスト。黒のダボダボのパンツ、 腰に何か(上着?)巻き付けている。もしかするとあのパンツはツナギみたいな構成で、 上身頃を巻き付けていたのかも。ものすごくゴツい靴。
森川:
白に黒で骸骨柄がプリントされたTシャツ、 腰丈の黒のブルゾン、左胸に白のワッペンのようなものが付いている。 後でトークのときにわかったが、裏がフリースの厚手。 ダメージの少し入ったジーンズ、裾は黒の編み上げブーツにイン。
左腰に黒のウォレットチェーン。ペンダントは最初と同じクロス。

アンコールは、ふたりともボトムはそのまま、トップスはライヴTシャツ。 サイズはSサイズらしい。

夜の部:
衣装チェンジ前は、昼の部と基本的に同じ。ふたりとも、インナーだけ違う。 森川さんは白に黒でプリントの入ったTシャツ、 石川くんは赤に黒プリントのTシャツ。

衣装チェンジ後
石川:
黒のテカテカの生地のタンクトップ、シースルーのパーカージャケット。 スリムジーンズを茶のウエスタンブーツにイン。
森川:
昼の部と同じようなイメージだが(ブーツとブルゾンは同じ)、パーツは違う。 ライトグレーのタンクトップの上に、 それよりちょっと濃いめのグレーに白でプリントの入った、V ネックのTシャツかタンクトップを重ねている。 ブルゾンは昼と同じ。ジーンズは、ダメージ部分をパッチワークのようにした、 ちょっとかわいいデザイン、黒の編み上げブーツに裾をイン。
サスペンダーを下ろした感じで両腰にたらしている。クロスのペンダント。

アンコールも、ボトムはそのまま、ライヴTシャツ。森川さんは右手首に青、 石川くんは左手首に赤の、グッズのブレスレットをしている。
森川さんは、最後、客席に投げ込むタオルで顔を拭くために眼鏡をはずして、 それからは眼鏡なし。 石川くんも革手袋がなくなってたけど、投げ込んだんだろうな。

MC

ずいぶんよくしゃべった(笑)。曲の流れを重視していて、 MCの入った箇所が多いわけではないが、しゃべり始めるとけっこうしゃべっている感じ。 わりと真面目な会話が多かった印象。同じ話を昼夜でしゃべっていることもあった。
以下、主立ったものを。昼の部と夜の部、どこでしゃべったかもぐちゃぐちゃ。
文字に書いてしまうとわからないんだけど、石川くんの口調は、 ちょっと関西アクセントにすると、雰囲気出るかも。

石川「ライヴやりたいって言い出してから、5、6年経ってます。 最初の曲録った後にもう、ライヴやろう、って言ったんですよ。早いよ。」
森川「1曲でやろう、って。」
石川「1曲を長くすればいいや、って。」
森川「曲間でMC、ラスサビの前でバンド紹介。で、後奏で告知。」
石川「アンコール、どうしましょ。もう1回やる?」
森川「あ、もう1回やろう。」
石川「1時間半ぐらいできますもんね。」

森川「一度、もう少し、っていうところまできてたのに、ポシャっちゃった。 この人が忙しいから。毎日『すぽると』で。」
石川「『すぽると』は土曜日だけですよ。それが3年前でしたね。今回やっと。」
森川「それで僕も黒髪に。これで出てきたら、みんなびっくりするかな、って。」
石川「今日、入りも気を付けてきたんでしょ?」
森川「帽子をかぶって。段ボールに入れられて、宅急便で送られてきました。」

石川「前にも一度、黒髪にしてるんですよね。」
森川「パンフレット撮影のとき。俺のアンニュイな顔の写真が、石田彰くんに似てる。 写真を自分でチェックしてて、あれ、なんで彰くんがここにいるんだろう、って。 びっくりしました。彰くんとは、ある番組で兄弟やってましたけどね。」
石川くんもゲスト出演した、超能力兄弟アニメ(笑)。
石川「でも兄弟やったからって、声優が似てるわけじゃないですけど。」
森川「彰くんは今、茶髪ですけどね。」
石川「黒髪の森川さんが見れるのは、ここだけかもしれません。」
森川「そうです。明日は金髪です。」
石川「昨日も金髪だったんですよ。」

石川「眼鏡、いいっすよね。すっげー似合いますよね。」
森川「これは、久保ちゃん仕様です。」
石川「眼鏡のイメージ、なかったんですよ。」
森川「そうですか。意外に目、悪いよ。0.1。」
石川「俺と同じぐらいなんですよね。俺も0.1。」
森川「あれ。大丈夫?」
石川「俺、今日はコンタクト。」
森川「これ、度入ってないんですよ。」

「三日月の夜」を歌い終えた後。
石川「久しぶりに『三日月』、やりましたね。」
森川「思い起こせば、僕のソロライヴで、ゲストで来てくれたときに、 『三日月』を歌いましたけど。あれで終わんなくてよかったね。」
石川「ね。伏線張れてよかったですね。」
森川「ずいぶん長い振りだったね。」
石川「何年ぶり?。」
森川「えーと、2000年か2001年。」
石川「……自分のライヴですよね?」
森川「(観客に)いつだっけ。(答えを聞いて)2003年。」
石川「全然違う。2000年とか言ってませんでした? じゃ、4年前。」
森川「ずいぶん昔のように感じるね。」
石川「1月じゃなかったでしたっけ。俺のほうが記憶力いいじゃん。」
森川「あれは、寒い日の…。」
石川「そりゃ寒いやろ、1月なら。」

時任ソロコーナー、石川くんひとりのMCで。
「ソロって、久しぶりな気がします。絶対隣りに誰かいましたからね。 ひとりって淋しいですね。でも、みんなの視線独り占めだから、それはいいかも。」
「これ(手袋)、昨日買ったんですけど。 昨日からずっと、グッパーグッパーしてて、今こっち、握力ないんですけど。」
「最初はパンフレットの衣装合わせだったんですけど、そのときに、森川さん、細っ、 って思って。それが2か月くらい前。これは負けてられんな、と思って、毎日、 2時間半ぐらいウォーキングして、だいぶしまったんですけど。ベルト穴3つぐらい。 ……増えまして。いやいや。歩いてて増えたらびっくりするよね。」
「森川さんの相方の檜山さんも、歩いてるらしくて。 家も近いですし、あの人と一緒に帰るかもしれません。」
夜の部、しゃべってる途中で上から(「朝焼けに消ゆ」で落ちてくる)羽根がふわふわ。 それを見つけて、小さな声で、「ネタバレ、ネタバレ」。

久保田ソロコーナー、森川さんひとりのMCで。
「パンフレットを作るという話があったとき、黒い服着て金髪でサングラスかけて、 いつもと同じだな、って思われるのも嫌なんで、どうしようか考えました。 久保ちゃんだから、眼鏡をかけて、で、髪の毛はやっぱり黒だな、と。」
「これ、今朝やってきました。6時に。 びっくりして楽しめたのではないでしょうか。」
「こないだ寺島くんとすれ違いました。ずっとギャーギャー言ってましたよ。」
「みんな一様にびっくりするんですけど、『BLEACH』のスタジオで、パクロミにだけ、 ガン無視されました。お疲れさまでした、とかってさらっと行こうとするんで、 おいおい、俺俺、って言ったら、あー、とかって。」
「金髪の人たち、真似して黒にしたら、髪の毛、たいへんですよ。すごい傷みます。 僕もこのまま年を越そうかな、と思います。」
「パンフレットの撮影したときは、1週間ぐらいですけど、黒髪でいました。 朝起きて、洗面所行くと、違う人がいてびっくりするんですよ。 そのうち慣れてくると思います。みなさんも慣れてください。」

「アダプターといえば横浜。ね。でしょ?」
「僕も地元、横浜です。横浜の人って、僕もそうですけど、出身をいうとき、 神奈川県、って言わないんです。横浜、って言う。」
「ここ、埋め立て地なんですけど、18年ぐらい前に、 レポーターみたいな仕事で来たんです。ヘルメットかぶって。 その後、横浜博覧会がここであったんです。」
「横浜美術館が、ここらへんで最初にできた建物です。その向こうに、いつもやってる、 あれがあるじゃないですか。BLITZはけっこう最近なんですよね。豆知識でした。」
「桜木町の駅前に、日本丸ってあるじゃないですか。そこの横に大きい河が流れてて、 ちっちゃい鉄橋が3つぐらいあるんですよ。あのへん、30年ぐらい前ですけど、 国鉄の貨物ターミナルだったんです。中学校の時、柵をよじ登って入って、 あそこの鉄橋でハゼを釣ってました。で、国鉄の職員さんに、こらーっ、って。 『スタンド・バイ・ミー』みたいに、みんなで走って逃げた想い出があります。」
「そんな所縁のある場所で、しょっちゅうやってると、 自分の家に帰ってきたような感じがして、うれしい限りです。 アダプターも舞台が横浜ということで、親近感がわくわけですけれども、 これからもよろしくお願いします。」

バンドメンバーは、いずれも個性的な面々。 キーボードは2日前のリハーサルでベースに刈られてモヒカンだし。 サイドギターは元関ジャニのイケメン。そんなメンバーを紹介した後、お約束のように、 バンマスの西岡さんを無視して進めようとするふたり。 それにまたお約束のように、西岡さんが「バンマスを忘れてる」と自己申告。 夜の部では、紹介してもらうのを待てず、自己紹介(笑)。
バンマスの西岡さんには、本番までにバンド名を決めてくるように、 という宿題が出されていたらしい。バンマスに宿題出すヴォーカリストたちって(笑)。 西岡さんが考えてきたのは、「もうちょっともんでみます」バンドこと「MMSix」。
森川「ちょっとやらしいね。」
石川「ここに来る人、これで最後ですから。もまれても。」
森川「ということで、残念な結果になりましたけれども。」
夜の部では「MMSix」のロゴに加えてワンモア、「JMKM」のロゴも用意されている。
西岡「『次回までに考えます』バンド。 またライヴしたいな、っていう想いを、バンド側からもこめて。」

メンバー紹介で、元関ジャニのギタリスト、北山くんがちょっと踊ってみせる。
森川「何それ。それ覚えると、関ジャニできるの?」
石川「それを覚えると関ジャニ入れるとか、そんなんじゃないから。」
森川「俺が覚えてるの、これだよ。」
と、両手を前にたらし、おしりかじり虫ダンスを。サンバステップじゃないんだ。
石川「はははは。えーと。どこのジュニアにも入れてもらえません。ユーだめ、 って言われます。でも2日ぐらい、この(北山くんの)ビジュアルでいたいね。」
森川「そうなったら、俺、ライヴやりまくる。朝から晩までずっとライヴ。」
石川「あー。で、2日後には元に戻る。」
森川「元に(笑)。しゅーん。」

アンコールでは、みんなでライヴTシャツを着ている。
石川「最初俺らに用意されたTシャツ、すごく大きかったんですよ。XL。 パジャマ、みたいな。そんなにでかくないよ、俺たち。 そんなイメージなんですかね。森川くん、だいぶやせましたよね。」
森川「だいぶスモールになりました。このTシャツも、普通にSですから。」
石川「俺もSです。」
森川「街で会ったら、 なんだ、モリモリって意外とちっちゃいんだね、って思うよ。」

「WA」の新刊、ドラマCD、「荒磯」ドラマCDの告知に続いて。
石川「そしたら、2曲増えますよね。じゃ、2曲でライヴやりましょう。 1曲を1時間ぐらいやって、もう1曲がアンコール。 2曲を7回ぐらいリピートして、アンコールも同じ、でもいい。」
森川「いつやるかわからないけどね。2014年とか。もう、おっちゃんですよ。」
石川「もう(既に)おっちゃんです。」

昼の部も夜の部も、最後に、あたりにあるものを、手当たり次第客席に投げ込む。 モニターの上に座らせてあった、久保田・時任を模したテディベア、 それぞれ手首にしてきたブレスレット、テーブルクロスのようにかけてあったタオル等。 みんな投げ込んでしまってからも、何かないかと探し回るふたり。
森川「あとは、このギターを。」(西岡さんのギターに手を出して)
石川「違うっ!」
森川「あとはもう、高いもんしかないんだよ。」

最後の最後は、「また会おうね」。そして、ふたりで、握手、続いてハグ。 念願のライヴを成功させて、感極まった表情のふたりに、 観客たちも胸を打たれたに違いない。


IMPRESSIONS

ほぼ定時に客電が落ち、久保田と時任の前説が始まる。 影マイクなのか、会場の声に反応していたりしたところもあった。
昼は久保田、夜は時任が注意事項を読み、相手はそれにチャチャを入れたり、 引っかき回す構成。シナリオは原作者が書いたらしい。 内容はほとんど同じだが、それぞれのキャラらしい台詞になっている。
たぶんこれで、会場全体が「久保時」の世界に変わり始めたんだと思う。 そして、森川さんが黒髪眼鏡、石川くんが黒手袋な時点で、そのまま一気に。

最初から、ふたりで示し合わせたんだな、という動作が多かった。 まずは、最初の「落暉落陽」の最後に、 ふたりでマイクスタンドを外側に蹴り倒すパフォーマンスから。 その他にも、曲の終わりやブレイクなど、随所にちりばめられていた。
全般的にそういうポーズは、イラストにあったものを意識していたようだ。 それだけ、作品の世界をそこに展開したかったんだろう。ああなんか、 こういうポーズのふたりを見たことがあるな、と思わせてくれるものばかり。

ふたりとも、ときどき台詞の口調がキャラになったりする。 まあある意味、ネタにしているわけだが。それ以外はふたりとも、 ごく普通に本人のはずなんだけれども、森川さんはあまりキャラを崩さない。 「久保ちゃん」をキープしている感じだった。 声を立てることはあっても、破顔して笑うことはない。あまり表情豊かではなく、 ちょっと淋しそうな印象を受けた。髪が黒かったからかもしれないけど。

そういう意味では不思議な空間だった。
これが役を演じている舞台とかなら、 観客もその世界の一員として入り込むこともできるのだろうが、 あくまでも、森川智之と石川英郎本人。でも、そこにいるのは、 「久保田誠人を演じている役者」であって、森川智之本人ではない。 石川くんのふだんのキャラクターがわからないので、 彼がどれだけ時任だったのかはよくわからないのだが、 少なくとも森川さんは、本人を見ている感覚があまりなかった。
なので、ちょっと遠巻きにして眺めているような、不思議な感覚だった。 そこに世界が出来上がっていて、それを観ている。ライヴでありながら、 あまり観客全部が入り込んだ一体感はなく、ちょっと映画みたいな距離感を感じた。 久保ちゃんと時任が生きて動いているのを見たい、という作品ファンなら、 とてもうれしかっただろう。ルックスはそのままではないけれど。

しかし森川さんは、そんな「久保ちゃん」をキープしながらも、 随所にボケをちりばめることを忘れない。 石川くんは関西人だから、もっとキツいツッコミがくるのかと思っていたら、 意外に真面目に受け止めてしまっていた感じだ。関西風のわかりやすいボケとは違って、 森川さんのボケはツッコみにくいんだろうか。
でも、久保田は冗談めかしてさらっと言ってのけて、時任はそれを真面目にとって騒ぐ、 というのが、あのふたりの常っぽいので、それでいいのかもしれない。 というか、久保ちゃんがジョークっぽく言うほど本当のことで、 流すと後でたいへんなことになりそうだ。石川くんがそれを意識してわざとそうした、 ということはないんじゃないかと思うけど。
でも、やっぱりもう少し切り込んでくれたら、 もうちょっと森川さんを「久保田」の枠から引っ張り出せただろうにな、とは思う。 もしまたこういう機会があったら、そのときには是非。

初めてのライヴで、それもいきなり10曲以上。 ふたりとも、何曲かは自分で歌ったことはあるけれど、ほぼ初めてに近い曲ばかり。 リハーサルの時間がそんなにたくさん取れたとも思えないし、 モニターにたくさんお世話になったとしても、これだけにまとめてきたのは、 やっぱり「やりたい」という気持ちの強さなんだろう。
確かにトチリは多かった。作詞はもちろん、出トチもあちこちであった。 森川さんだけでなく、石川くんもけっこうトチっていた印象がある。 でもそれも、ライヴの醍醐味。ふたりともライヴ慣れしているので、 そんなことも楽しんでしまっていたように思えた。 たとえそのときには、嫌な汗をかいても。
声はよく出てたように思う。もともとそんなに激しい曲ではないので、 リズムを合わせたり歌詞を覚えたり、のほうがたいへんで、 声を出すことにはあまり問題はなかったのではないだろうか。 たぶんいちばん難しいのは、 「三日月の夜」の一部だけ声を裏返すところなんじゃないかと思うが、 それも勢いで持っていける曲調なので、そんなに苦労している感じではなかった。

「三日月の夜」の途中で、会場に向かって銀色のテープが打ち出された(実は、 昼の部は「三日月の夜」で銀テープが出たけど、夜の部は(他の曲でも)なかったので、 ダブルアンコールがあるということは、それに気付いていればわかったはず)。
「朝焼けに消ゆ」では、ステージ上に雪のように白い羽根が降ってきて、 雰囲気を盛り上げる(石川くんがソロコーナーで「ネタバレ」と言ったのは、 この羽根(笑))。夜の部のほうが量が多かったのか、ひとつの羽根が大きかったのか、 ステージ上が真っ白になっていた。ふわふわと落ちてくる羽根がひとつふたつ、 ふたりの頭や肩に降り積もる。真っ黒な髪や衣装に真っ白な羽根のコントラストが、 眩しくも切ない。そして、頭の上に羽根を乗せたまま歌う姿も、 しっとりとしているのに、とても可愛い。

「spoil」での、振り付けとも言えないような足の動きがとても気になった。 昼の部の後に思い返し、もう一度観られるのを楽しみにしていたら、夜の部は別の曲で、 ちょっと残念に思ったり。そりゃ、たくさんの種類の曲が聴けるのはうれしいけど。
特に凝った振りとか動きとかではないのだけれど、 昔好きだったロックバンドのヴォーカリストたちの動きを彷彿とさせる、というか。 誰のどれ、というのではなく、あの頃の雰囲気。 ちょっとノスタルジックな気分にさせられ、忘れていた感覚を呼び覚まされる感じ。 夜の部でも観ていたら、それで満足してしまい、 これだけの焦燥感(笑)はなかったかもしれない。DVDに収録されるといいな。

「森川さんが黒髪だった」ことで、すべてを持っていかれてしまったような感じだが、 それだけではおさまらない、何か壮大な世界が、 あの日あの場所に形成されていたような、そんな気がする。
ひとつの「作品」の登場人物として、「1組の」ヴォーカリストが、 歌「だけ」のライヴをする、ということは、そうそうあるわけではない。 20年のキャリアがある森川さんでも、おそらくは初めてのことなのではないだろうか。 そういう意味でも、他に類を見ない、珍しいタイプのライヴだったことは確かだ。 曲も歌も素敵だった、という点は否定しないけど、歌のライヴだったのに、 主役は歌ではなかった、ということで、全体の印象のまとめとしたい。


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