森川智之プライベート・コレクション
「Apocripha/0」プラチナディスク発売記念イベント
- コミックマーケット60「Apocripha/0」プラチナディスク発売記念イベント
- 日時: 2001年8月11日(土) 16:15〜16:45
- 場所: 東京ビッグサイト 西4F 企業スペース内STACK Software横特設ステージ
- 出演: 鈴木千尋・森川智之・高城元気・石川英郎・西脇保(司会)
夏コミ2日目の企業スペース。即売会終了後とはいえ、どう考えても、
人混みと熱気で苛酷でないわけがなかろう、というイベントであった。
舞台は、スペース横にしつらえられた、2m四方ぐらいのステージ。
もちろん、客席スペースはなく、通路での観覧である。
天候に恵まれ、というのは「お天気が良い」というわけではなく、いい具合に曇り空。
外にいても直射日光が射すことはほとんどなく、涼しい風が吹くほどで、
思っていたよりは体力的にハードにはならなかったのが、せめてもの救い。
逆に雨になるのでは、と心配な空模様だったが、そこはそれ、晴れ男の面目躍如。
ざーっと来た夕立も、屋根の下に入っていたイベント中の1時間だけ、という、
まさに願ったりかなったりの天候だった。
主催社側の観客人数予測が大幅に甘かったため、入場前にすったもんだがあり、
コミケスタッフの手腕を見せつけられながら(笑)、
狭い通路に300人以上も押し込める形になって、トークショウ開始。
ステージの対角線に、スツールが5個並べられる。
狭いステージなので、本当にそれでいっぱいいっぱい。
端の石川くんなど、スピーカーの陰に隠れてしまいそうになる。
後ろには、40インチ程度の液晶モニター。
舞台脇から撮影しているビデオカメラの映像が、このモニターに映っている。
- ・オープニング
- 鈴木千尋(プラチナ役)、森川智之(ジェイド役)、高城元気(アレク役)、
石川英郎(ルビイ役)の順で、舞台すぐ裏の控え室
(舞台の後に張られたカーテンのすぐ向こうだったらしい)から呼び出す。
出て来たときの森川さんの第一声は、
「みなさん、生きてますかー」(客席:「おー」)
「元気ですかー」(客席:「おー」)
「汗かいてますかー」(客席:「おー」)
「(言葉に詰まって、ちょっと間)ないです、もう」
上手(と言うのだろうか?)から、西脇、鈴木、森川、高城、石川の順で着席。
それぞれにはハンドマイクが用意されている。
森川さんの衣装は、黒のTシャツ、濃紺の半袖シャツ、
ボタンは3番目ぐらいまで開いてたかな。グレーの型押し模様のスリムパンツ、
グレーのスニーカー(マジックテープのベルトで止めるタイプ)。
薄いブルーのサングラス。
右手には、ブルーと白の模様の扇子を持って、ずっと扇いでいる。マイクは左手。
司会は、青二プロダクション所属の声優、西脇保。青二塾大阪校の出身とあって、
気を抜くとすぐに関西弁が出る。特に、石川英郎が関西弁でしゃべると、
つられてしまうらしい。最初はちゃんと標準語で司会していたのに、
石川くんを紹介したとたんに、関西弁(特にイントネーション)になってしまった。
でも嫌な感じではなく、話がなめらかになったかも。当意即妙な司会ぶりが見事。
西脇さんによれば、イベント前の説明では、
「後ろにオーロラビジョンがある」ということだったらしい。
みんなで後を振り返るが、そこにあるのは「普通のテレビ」(笑)。
- ・夏休みの過ごし方
- 鈴木くんは帰省して、3日間、蔵王に登って来たとのこと。
西脇「森川さんは、夏休みとかあるんですか?」
森川「ない。」
西脇「毎日毎日仕事ですか?」
森川「うん。(ぶっきらぼうだと思ったのか)怒ってるわけじゃないよ。
夏休み、ないですね。あったら、どこかに行きたいですよ。」
西脇「あったら、どこに行きたいですか?」
森川「ここ(と足下を指す)。あ、でも、ここ(ビッグサイトのこと)じゃないよ。お台場。
犬連れて来たいね。犬飼ってるんで。」
西脇「何飼ってるんですか?」
森川「犬。」
西脇「ちゃうちゃう。」
森川「チャウチャウじゃないよ。」
西脇「チャウチャウちゃう。」
森川「ラブラドール・レトリバー。」
西脇「もう、何センチ…」
森川「『何センチ』(笑)。」
石川「カブト虫かっ。」
森川「もう、でかいんだよ。27キロになっちゃって。
どうしようかな、って思って。」
高城「何メートルぐらいあるんですか?」
石川「『何メートル』!!」
森川「長さ的には、1メートルぐらいありますよ。」
西脇「もうちょっとで成犬ですね。」
森川「そうですね。今、7か月ぐらい。」
高城くんは「休み放題」だったらしい。地元でお祭りで、太鼓を叩いたとか。
森川「カッコいいね。」
石川「こう見えてね。今日初めて会ったんですけど、かわいいですね。」
男の子がかわいいという話題は、自分の得意分野だと思っているらしい森川さん、
石川くんに先を越されて、ちょっと悔しそう。少しの間、言葉を探している。
森川「本当、かわいい。声も、どっから出てるの?、っていう感じでね。」
高城「このへんから(と頭のてっぺんを指す)。」
西脇「いやいや、口からです。」
石川「昨日休みで、ずっと麻雀やってました。」
森川「つまんないね。」
石川「どこか行きたいんですけど、どこも行けない。だから、白くなっちゃって。」
西脇「充分黒いと思うんですけど。」
石川「森川さんに比べれば。メラニン森川に比べれば。」
森川「いやいやいやいや。あなたは腹が黒いから。」
- ・役の感想
- 鈴木「プラチナは感情が表に出ないんで、伝わってるのかな、と心配です。」
森川さんが担当するジェイドは、外見年齢22歳、と聞いて。
森川「22歳。いっぱいいっぱいですね、僕的には。」
西脇「森川さん、22歳の頃って、もうお仕事されてました?」
森川「僕、19からやってますから。」
西脇「22歳の頃って、どんな感じでしたか?」
森川「22歳の頃は、荒れてましたね。家、帰んなくてね。」
石川「正直やなあ。」
西脇「こんなとこで言うてしもて。」
森川「いいんですよ。」
話を続けようとしたところ、天井のスピーカーから何やらアナウンスが流れる。
あわてふためいて、頭上を見上げる森川さん。
森川「何ですか? あ、ごめんごめん。慣れてないから、怒られてたのかと思った。
22の頃は、けっこう仕事やってたんで、今と変わりませんでしたね。」
西脇「趣味・読書、ってなってますけど。」
森川「(ものすごく驚いて)ナニ? (気がついて)あ、俺じゃなくて。」
西脇「そう、ジェイドですよ。なんでそんなにあわてるんです?」
森川「最近読んだ本は、とか訊かれるかと思って。台本ぐらいしか読まないから。」
西脇「毎日、読まなきゃいけない台本が、たくさんありますからね。」
森川「読まないで行っちゃったりとかね。初見のときもあるんですよ。」
西脇「言うてもうた。石川さん、こんなん言うてしまうの、大丈夫でしょうか。」
石川「(きっぱりと)有りです。」
森川「今は違うけど、バブリーな頃は、当日台本だったんですから。
(石川さんに)そういうとき、あったよね。」
石川「ありましたね。『スラムダンク』とか。
(西脇さんに)お前も出てたじゃないか。」
西脇「出てないですよ。家で見てました。…なんか、今、微妙に残念やったな。」
西脇「ルビイ、石川さんですね。趣味・ケンカ、って、自分で書いたんですか?」
石川「お前、しばくぞ。」
森川「ルビイ、って、似合わない名前だね。」
西脇「石川さんの実際の趣味って、何ですか。」
石川「麻雀、パチンコ、パチスロ。」
西脇「博打ばっかりじゃないですか。」
石川「仕事と仕事の間の、空いてる時間にやるのにいいんだよ。」
西脇「まさか高城さんは、パチンコ行ったりしないですよね。」
高城「僕、20歳なんですけど、まだ行ったことないんですよ。」
森川・石川「(声を揃えて)はたちぃ〜!?」
確かに、20歳というのはびっくりするぐらい、小さくてかわいい子ではある。
16歳と言っても通りそう。しかし、ふたりが驚いたのは、その方向だったのかな?
そんなに若い子と一緒に仕事してたのか、という、逆の意味だったりして。
森川「今度、連れて行ってあげよう。これからも、『Apocripha/0』って、続くんでしょ?
もう仲間だよね。」
石川「いろんな仲間になろう。」
両側から嬉々としてちょっかいを出すふたり。オヤジ丸出し。(爆)
西脇「いや、汚いものに触れさせないで。綺麗なほうの仲間に、お願いします。」
- ・サウンドトラック
- 『Apocripha/0』のサウンドトラックが、9月5日に発売される。
BGMが完全収録、それとショートストーリーを収録。
石川「そんなの、やったん? 俺、出てへんから。」
高城「僕は、(鈴木くんを指して)ふたりで、からんで。」
森川「俺は、チイチと。」
石川「俺は? (裏に向かって、大声で)俺は〜?」
石川さんは、出るなら保志くんとです。(本当か!?)
森川「お前は、アポクリファの主題歌。さっき練習してたじゃん。」
石川「(歌う)『あぽくりふぁ〜』」
西脇「どう聞いてもタイガーマスクのエンディングなんですけど。」
森川「でも、やる気満々ですから。歌えと言われれば歌いますよ。」
是非是非、歌ってくださいっ!! 参謀のデュエットも是非。(笑)
サントラ収録のショートストーリーの感想。
鈴木「ゲームのときは、別々に録ってたんで、からむのは初めてだったんですよ。
新鮮な感じでしたね。」
高城「同じ事務所なんですけど、お芝居でからんだのは初めてだったんですよね。」
森川「(驚いて、高城くんに)アイム?」
高城「そうです、アイムです。」
森川「鈴木くんもアイムだったよね? (勝ち誇ったように)なんだ。
アイムとアーツは同じ建物の中にあるんだよ。兄弟会社なんで。」
石川「(西脇さんに)頑張れ、青二。青二だよな。」
ちなみに、ご存じかとは思いますが、石川くんも青二です。
西脇「イチイビル8階まで浸食しようとしてるんですけど。」
石川「そんなの、みんな、わからへんやん。」
西脇「けっこう知ってます、って。」
石川「お前、ちょっとおもろい。」
西脇「ありがとうございます。本番で誉められた〜。」
このふたりのやり取りを聞いていると、やっぱり漫才みたい。関西弁だからかな。
- ・台詞の収録のときに、キャラの関係図も頭の中に入れて収録されるんですか?
- 鈴木「あんまり意識しないでやってますね。
やる前はけっこう考えるんですけど。」
森川「あんまり、ね。ゲームのときって、ひとりで録ったから。」
西脇「さっき聞いたんですけど、森川さん、収録中に寝ちゃったらしいですね。」
森川「寝た、寝た。」
石川「どうやったら寝れんねん。ひとりで録ってるのに、なんで寝れんの。」
森川「ゲームの台詞って、台詞ごとに間をとらないと、後で加工がしにくいから、
ひとつひとつ録るんですよ。『たっぷりとってください』って言われたんで、
たっぷりとってたら、寝ちゃったの、俺。」
西脇「よっぽど疲れてたんですね。」
森川「いい感じにリラックスしてできたんで、台詞としては完璧です。」
西脇「台本の量、どれくらいありました?」
鈴木「タウンページが2冊ぶんぐらい、どーんと。」
西脇「10cmぐらいですね。」
石川「俺、8cmぐらいかな。」
森川「俺、8.5ぐらい。」
石川「あんたが言うと(笑)。『俺のほうが大きい』。男のロマンだね。」
森川「でもこれ、面白いよね。アレクデスクとプラチナデスクと。」
西脇「『デスク』ですか。」
石川「いいこと言うたのにね。そこ、ツッコまれたら。」
森川「こういう広い会場だから、『デスク』って言ったほうが、
後ろのお客さんにも伝わるかな、と思って。」
会場は広いけど客席は広くありません(笑)。通路なんだから。人は多かったけど。
西脇「(客席を見回しながら)『ディスク』で伝わりますよね。」
森川「ただ間違えたんですけど。でも、その2つのディスクをインストールすると、
違うものが入ったりとかするんでしょ? 面白いな、と思って。」
鈴木「隠しステージみたいなところがあるんですよね。」
高城「お話的にも、両方やってみて初めて謎が解ける、
みたいなところがいっぱいありますよね。」
- ・各キャラクターのテーマソングを作ってください
- 高城「ここで、ですか?」
西脇「そりゃあ、ここでですよ。」
石川「なんでやねん。CD化したらええやんか。」
西脇「ここでやって、CD化もするんですよ。」
森川「ここで、どんな曲調がいいかとか、希望聞くのは? 演歌がいい、とか。」
西脇「ありがとうございます。例えば、ルビイ役のイメージは何でしょう。」
森川「詩吟だね。」
西脇「じゃあ、16秒以内で、よろしくお願いします。」
石川「歌うの? (「魔法使いサリー」のメロディで)『ルビイ〜、ルビイ〜』」
森川「思いっきりパクってるじゃないか。」
石川「何でも歌えんねん。『アレク〜、アレク〜』」
- ・アポクリファの何が見たいか
- 石川「何が、って。」
森川「アポクリファの『ア』。」
石川「あいうえお作文やん。」
客席の反応では、「例えばアニメ」は希望者多数だった模様。
森川「ゲームの絵が綺麗だからね。ゲームの…。
何ていうんですか、やったことないから。」
西脇「今まで、インストールが、とか、言ってたじゃないですか。」
森川「いやいや。スタジオで見せてもらったんだけど、絵が綺麗だから、
アニメになったらすごいなあ、って。」
西脇「これから、どんな展開が望ましいですか?」
鈴木「パソコン上でもっと遊べる何かが欲しいですね。
せっかくパソコンソフトだし。」
森川「『0』っていうのは、これから、っていうことなんでしょ?」
石川「『Apocripha』って?」
西脇「それは、高城さんが詳しいです。」
高城「『Apocalypse』の変化形だと思ってたんですけど。」
西脇「アガリスク茸みたいなもんですか?」
確かに、いきなり「アポカリプス」と言われてわかる人も、そう多くはないと思う。
高城「英和辞典で調べたら、啓示とか、黙示録とかいう意味なんです。
STACKさんに、なんで『Apocalypse』じゃなくて『Apocripha』にしてるんですか、
って訊いたら、なんとなくだ、って言ってました。」
西脇「それの序章だ、ということなので、これからまだまだ行く、と。」
森川「そうだよ。『Apocripha/1』になったときには、冒頭のナレーションでね。
『あれから1000年…』。」
高城「誰も残ってないじゃないですか。」
森川「キャスト総入れ替えになったりしてね。
それはやめようね。なるべくこのメンバーで行こうね。」
石川「1000年経ってたら、思い出す人もいないよ。回想シーンもない。」
- ・ファンにメッセージ
- まとめに入る西脇さんを、石川くんがにやにや笑いながら見ている。
石川「お前、いつの間にか、ずっと関西弁になっとるやん。」
西脇「もういっぱいいっぱいなんですよ。(無理して)じゃあ、伺っちゃいます。」
鈴木「いろいろ楽しめるゲームなので、楽しんでください。」
森川「まだまだ夏休みはあります。」
石川「何の話?」
立ち上がり、右手を腰に当てて、体育の先生みたいな立ち姿の森川さん。
石川くんや客席のクスクス笑いに気が付いて、腰に当てた右手を離すが、
なんとなく手持ち無沙汰のようで、結局は後に回してしまい、
もっと先生みたいになる。
森川「まだ始まったばかりですけども、先ほど聞いたら、いろいろ展開する、
ということなんで。CDドラマとか、ドラマCDとか。」
一斉に「同じだよ」とツッコミが入る。そのツッコミを律儀に待ってから、
森川「さっき歌の話も出ましたけど、そういう展開にもなるかもしれないので、
是非お友だちに宣伝して、これからも応援してください。今回300人ぐらいだけど、
これをもっともっと、次500、その次1000。どんどん盛り上げて行きたいな、
と思いますんで。なんか、先生みたいだね。どうもありがとうございました。」
高城「せっかくなんでアレクくんの見どころなど。プラチナディスクのアレクくんは、
アレクディスクに出て来るアレクくんよりも、もっと中性的になってます。
微妙な違いなんですけど、面白いところなんで、やってみてください。
これからどんどん盛り上がって、最終的にはドームとかでやれるといいな。」
森川「ドームにもいろいろあるぞ。」
石川「キミ、ドームに立ったら見えへんからな。」
石川「本日はお暑い中、ありがとうございました。お気を付けてお帰りください。」
西脇「いやいや、ファンのみなさんへのメッセージ。」
石川「これから、アニメとかも考えてるみたいなんで。(西脇さんに)考えてんの?」
西脇「みなさんの応援次第です。」
石川「みなさんの嘆願書、お待ちしております。
これからもよろしくお願いします。」
- ・エンディング
- トークショウの終わりが告げられると、石川くんが「え〜〜」と、客席を煽る。
森川「これから、みんなで花火見に行くんでしょ?」
客席中大喜び。そういえば折しもその日は、お台場の花火大会の日であった。
西脇「本当に行くんですか?」
森川「いやいや(笑)。ノリ的には、見に行きたいね。」
口々に、「ありがとうございました」という挨拶の後、ハケようとするが、
森川「この後は、抽選会。」
西脇「ないです、ないです。」
石川「高城くんプレゼント〜。」
大柄な石川さんの隣りでは特に、
高城くんは本当に「プレゼント」にされてしまいそうなぐらい小柄で、
並んで立ったときには、石川くんも驚いたみたい。
最後に森川さんの「短いなあ」という言葉を残して、出演者がカーテンの裏に消え、
本当に短かった(30分)けれど、かなり充実して楽しかったトークショウは終了。
檜山さんと一緒でないときにはいつもおとなしい森川さんが、
気楽なメンバーばかりだったのか、たくさんしゃべってくれたのがうれしい。
ボケればちゃんと、関西人の石川くんか西脇さんが拾ってくれるし、
気持ちよかったことだろう。
外に出ると、夕立でめっきり気温の下がった夏の夕方。
つかの間の夢を楽しんだ観客たちが、くつろぎながら余韻に浸れるようになるまでには、
花火大会と相俟って、人であふれた交通手段という、もう一山があったのであった。
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